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04※

 目の前にいる先ほどとは打って変わって笑わなくなった類の視線が、俺を突き刺した。  我慢しようと思えば思うほど、涙が零れない様に力を入れていた目から、呆気なく涙が溢れた。   「っ、ぅ・・」 「・・わ、泣いちゃった~、大丈夫?」 「・・う、るさ・・ッ」 「分かった分かった。強がるのはいいけど、顔上げようね」  気付けば元の類に戻っていた。いや、むしろ最初の作っていた様なにこにこしていた感じより、雰囲気が柔らかい様にも見える。こっちが本当の類なのだろうか。  そして、類のせいで泣いているのになぜあしらわれないといけないのか、言い返そうと顔を上げると類の顔が目と鼻の先にあったのだ。  類の日本人離れした綺麗な瞳に吸い込まれそうになる。  すると、ゆっくりと顔が近付いてくるのだ。 ーーキスされる。  反射的にきゅっと目を瞑ってしまう。  すると、類は俺の瞼に優しく口付けるのだ。 「ーーッ」 「たくさん泣いたね」 「ん、ぅ」 「咲良ちゃん可愛くてさ、意地悪したくなっちゃったんだよねえ」  ちゅ、ちゅ、と柔らかく何度も瞼や目の端に優しく口付けられると、俺はもう、類の口付けに溶かされていく様で、体に力が入らなくなってしまっていたのだ。  その上、先ほどの態度から一変してのこの態度だ。急に甘ったるくなった類に、なんだか、勘違いしてしまいそうになる。 「・・ああ、ごめんね。さっきこっちのキスも待ってたよねえ。待たせた分、いっぱいしてあげる」 「ぇ・・・、ーーん、んッ」  すると類は、顔を寄せてきたと思えば先ほど目にした様な優しいキスを唇に落とすのだ。付けては離し、付けては離しを繰り返す、本当に優しいキスだった。 そんな類の雰囲気に当てられてしまったのか、俺はおかしくなってしまった様だった。  もっとして欲しい、と思ってしまった俺は、ぺろっと類の唇を舐めていた。ねだる様に何度も舌先でちろちろと舐める。  ーーすると、類はぐいっと俺の手をベッドに押し付けるのだ。 「っる、い・・、せんぱ・・、」 「ね、彼氏くんにもいつもそうやっておねだりしてんの?・・本当、かわいーね、咲良ちゃん」 「ーーん・・ッ」  再び俺に顔を寄せると、唇に舌を這わせるのだ。俺は類の舌を受け入れるかの様に、閉じていた口を自ら開けた。  それを見た類は、柔らかく笑った。 「っは、かわいー、咲良ちゃん。・・・・・ほんと、俺のものにならないかなあ、この子」  最後の方、声が小さくて何を言っているか聞こえなかった。  聞き返そうとすると唇に舌が割り込まれるのだ。すると、肉厚な舌が俺の舌に絡まってくる。 「ーーん、・・んッッ」 「ん、は、」  互いに求めるかの様に絡まりあった舌は、くちゅくちゅと卑猥な音を立てるのだ。  苦しい、けど嫌ではなかった。むしろ、目の前の男を、類を、求めてしまっている。  駄目だ、朝日がいるのに、そんなこと、駄目だ、と自分に言い聞かせる。が、今は、今だけはこの男に落ちてやってもいいと、心の中で目の前にいる類を想うのだ。 「・・ふはっ、咲良ちゃん、気付いてる?凄いよ、コレ」 「え、・・・ぁ、・・あッ、・・」  覆いかぶさっている類と俺の腹に挟まれた俺の性器は、先走りが溢れ、互いの腹をべとべとにしてしまっていたのだ。 「っ、ごめ・・、なさ・・・ッ」 「?どーして謝るの、俺のも見てよ、これ」  顔を上げると、思わず「えっ」声が出た。  まさか、類の様な誰からも求められそうな男が、俺とのキスだけで性器がこんなにもなってしまうのかと思うくらい、類のものがぱんぱんに脈打っていた。先ほど無理やり挿入されそうな時とは、比べ物にならないくらいの大きさだったのだ。 「で・・っか、」 「あは、コレね、君のせいだから」  すると、類は自らの性器を、先走りでべとべとになった俺の性器にぴとっと合わせるのだ。 「っな、に、やって・・、」 「咲良ちゃんもキツいでしょ、コレ。抜かないとさ」  合わさった性器を、類はきゅっと握ると上下にしごき出すのだ。俺の先走りが類の性器と交じった様に、ぐちゃぐちゃとはしたない音が無機質な部屋に響いた。 「ーーあ・・ッ、・・ま・・って、・・こ、れ、・・ッ、ぁ・・っ、」 「っはー・・・、咲良ちゃんのきもちー顔、えっろいね。・・あー、俺も気持ちいよ・・・、」  先ほどまで俺を組み敷いていた類の感じている顔は、正直、色々とクるものがあった。長いまつ毛と滴る汗が、類の元々綺麗な顔をより一層引き立てている様だった。 「っ、なーに?俺の顔じっと見てさ。・・・あ、もしかしてちゅーしたいの?かわいーなあもう」 「ッ、・・ぁ、ちが・・・ぅ、・・か、ら・・・ぁ、ッ」 「んー、でもこの体勢じゃあちょっと難しいかな」  そう呟いた類は手を離すと、俺の横にごろんと寝転がり、仰向けに寝ていた俺の体を類の方に向かせるのだ。  類と向かい合う体勢になると、類の顔、体、全てが近くて、類の体温までもが伝わってくる様で、何だか恥ずかしくて思わず顔を逸らしてしまう。 「ね、咲良ちゃん、ちゅーしよ?ほら、こっち向いて」 「ーーや、ぁ・・、ッんん、」  顔を類の方に向かされると、唇を合わせ、舌を絡ませられるのだ。  すると、またも性器を合わせて握られると、 「っ、・・ね、咲良ちゃんも、握ってよ」 と、類に囁かれるのだ。  この時の俺は、本当にどうにかしていた。  言われるがまま類と共に合わさった性器を握り、上下にしごいた。類の熱い息が当たる。 「そ。上手だね・・、ほら、ちゅーもシよ」 「・・ん・・ぁ、んん・・ッ」  再度唇を合わせられると、下腹部がより過敏になり、性器の先に熱が集まるのが分かるのだ。 「っや、・・る、・・ぃ、せん・・、ぱ・・ッ、おれぇ・・も、・・ッ」 「ん、いいよ。一緒にイこうね、咲良ちゃん」  すると、意識してもいないのに、手の動きが早くなってしまうのだ。類も俺の反応を見ながら手を早めてきて、もう、限界だった。 「ーーっひ、ぅ、・・ぃ、・・い・・く・・、ぁ ぅ・・、ッッ」 「っ、」  びくん、と大きく腰が跳ね、2人の性器から弾けたどろっとした液体が、ベッドを汚した。  そして一気に体が脱力し、ここで俺の意識は途切れたのだ。 「お、来た来た、もうちょっとしたら俺の部屋に連れて帰るところだったよ」 「・・・」 「わ、そんな怖い顔しないでよ。手ぇ付けた後で悪いけど、ちゃあんと咲良ちゃんは返してあげるし、今回は挿入はしてないから感謝してよね。でもやっぱ咲良ちゃんめちゃくちゃ可愛いから、そのうち俺のものにしちゃうけど」 「・・・」 「あは、睨まないでよ。だって知ってるでしょ?俺たちみんな、・・・・・ なこと」 「・・・」 「あ、その涙の跡はね、ちょっと意地悪したら本気で泣かれちゃってさ。でも最後はちゃんと気持ちよかったみたいだよ」 「・・・」 「わ、怖いなあ。お兄さんとは大違いだね。 ・・・じゃ、お迎えご苦労さま~。ーー弥生くん」

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