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 なんで、こうなった?  なんで、今俺は、誰を、抱いている?  ムカつく、凄くムカつくけど、この人には、彼氏がいる。なのに、なんで今、俺はーーー 「ッ、にい、さん、」 「ーーっぁ、ぁあ・・ッ、や・・だ、・・ッ、や・・、ぁッッ」  兄さんの中、ずっと痙攣してる。もしかして、イきっぱなしなんだろうか。  苦しそう。やめてあげないと。でも、どうして、腰が止まらない、  可愛い。俺ので感じてる兄さん、可愛い。可愛い。愛おしい。俺のものに、したい。 「弥生、あの人、お前のお兄さんだよね?」  トントン、と窓際にいる友人に肩を叩かれると、コソッと耳打ちされた。  同じ生徒会役員であり、友人の結城に指さされた方向を見ると、校庭で何やらぐったりとしていて、朝日に抱きかかえられた兄の姿があったのだ。 「え、!」  授業中でありながら思わず立ち上がってしまった。 静まり返った教室で、俺の声と、ガタン!と勢いよく椅子を引いた音だけが教室に響いた。  すると、教室内の皆が、一斉に俺を見るのだ。 隣の席の結城は、その空気にぶはっと吹き出していた。 「おい、弥生、寝ぼけてるのか?もう少しで授業終わるから頑張れよ」  先生に注意されると、クラス中が笑いに包まれるのだ。  ・・・やらかした。  兄のことは気になるが、とりあえず、今は授業に集中することにしよう。  先生の言う通り、あと少しで授業終わりだし、様子見に行こうか・・。でも、朝日がいる。朝日はともかく、兄の邪魔はしたくない。  行こうか迷っている俺の様子を見た結城は、授業中ずっと付けっぱなしのイヤホンをぐっと耳に押し当て、何かに聞き入っている様子だった。  すると、ぴくっと肩が揺れるのだ。 「・・・様子、見に行ったら?お兄さんかなり具合悪そうだったし。心配なんでしょ?」  結城は隣からこそっと俺に耳打ちするのだ。  ほどなくして授業終了のチャイムが鳴った。結城に 「そうだね、行って来るよ」 とだけ言って、席を立った。  すると結城は 「行ってらっしゃい」 と、笑顔でこちらに手を振るので、俺も軽く手を振り返した。  その時、俺は分からなかった。結城が笑顔だった意味を。  教室を出ると同時に校内放送が鳴り、朝日が職員室に呼ばれた。  丁度いい。今兄は1人。ちらっと様子だけ見て、すぐに戻れば朝日とも鉢合うことはないだろう。  ムカつくが、兄と朝日の邪魔はしたくない。朝は抱き締め合う兄と朝日を見てムカついたが、本当は兄達はお似合いだと思っている。 ーー兄の隣が俺であればと、何度思ったことだろう。  だが、思ったところで、何も変わらないのだ。なら、俺は2人を応援したい、と思っている。  そう、思っているのに、朝日は兄を・・・。本当に、朝日にはムカついて堪らない。 ーーガラッ  保健室にはベッドが感覚を開けて横に3つ並んでいる。  使用中のベッドはカーテンで仕切られ、周りからは見えない様になっている。  見たところ1番右側のベッドがカーテンで仕切られていたため、兄はそこにいるのだろう。  寝ている可能性も考慮し、静かにカーテンを開けた。すると、兄が横になっていた。横になっているのは分かる。分かるんだ、が、 「っ、ん、・・ぁ・・・、っ、」  大股を開き、ジャージ越しに、股の奥を爪で擦っていたのだ。  兄さん、なに、やって・・、こんな、・・  ゴクリ、と自分の喉が鳴ったのが分かる。 「ぁ・・ッ、ぁあ・・、んん、・・」  考えるより先に、俺は兄に手を伸ばしていた。駄目だ、こんなこと、絶対駄目だ。  でも、少し、少し指先で、撫でるだけ、撫でるだけ・・。  俺の指が頬をかすめる。それだけだ、たったそれだけ、なのに、 「ーーッあ、」  兄が、鳴いた。俺の指で、鳴いた。  可愛い、可愛い、もっと、鳴かせたい。俺のものに、したい、

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