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「咲良先輩、大丈夫ですか?あー・・・、ぐちゃぐちゃですね」  弥生が開けっ放しにして出て行ったカーテンの隙間から、今回の騒動の張本人がひょこっと顔を出した。 「っ、お前が、仕向けたんだろうが・・・っ」  こいつに弱いところを見せたら負けだと、涙をぐしぐしと拭い、きっと結城を睨む。 「あは、バレました?・・・・そうですよ。俺が弥生をそそのかしました。だって、俺との約束破った、先輩が悪いんじゃないですか」 「・・・お前、俺に盗聴器か何か付けてんのかよ」 「・・ま、ちょっとね。だってズルされたらゲームにならないし」  そう呟く結城は、下腹部を覆っている布団をバッと取るのだ。 「っや、な、・・に、」  何もかも丸見えになり、下半身をとっさに手で隠した。  すると、隠している俺の手を掴んだと思えば、内ももに手を置き、足を開かせるのだ。 「っ、やめろ・・・、」 「あーあ、可哀想に。弥生に中に出されたんですね」  奥に出された白濁の液体が、未だどくどくと漏れ出ている下腹部をまじまじと見る結城に、思わず顔が熱くなる。  それはそうだ。そんなところ、自分でもじっと見たことなどないのだから。 「わ、先輩、顔真っ赤」 「うるせ、・・っ、見るなよ・・・、」 「それにこんなに泣いて。可哀想に」  だからお前のせいだろ、と言わせない為か、結城は頬に手を添えると、瞼にちゅっと口付けるのだ。 「っ、」 「ほら先輩、こっち向いて」  抵抗したらどうせまた生徒会の命令だのなんだの言うに決まってる。せめて、早く、終わってくれ。 「・・ね、先輩ってすぐ顔に出ますよね」 「っ、」 「早く終わらそうとしてるのが見え見えですよ。どうせなら、楽しまないと」  ちゅ、ちゅ、と瞼に口付けられると、開かされていた股間に、生暖かいものがぴとっと当てがわれるのだ。 「っ、な、に・・・、」 「しおらしくなってる先輩見たら、こんなになっちゃいました。俺の相手もしてくださいよ」  どこにそんなに興奮する要素があったのか。  ぐっぐっと俺の中に少しずつ埋まっていく結城の亀頭が、熱い。熱がこちらにまで伝わってくる様だ。 「弥生に出されたやつ、俺ので掻き出してあげますから、大人しくしててくださいね?」 「や・・、め・・っ、」 「・・・ああ、それ、朝日先輩のジャージですか?じゃ、俺、なるべく声出さないであげるんで、俺のこと朝日先輩だと思ってていいですから」  ベットの脇に置いてあるジャージを手に取ると、バサッと俺の顔に被せるのだ。  真っ暗な視界の中、ふざけんな、と言い返そうとした時だった。 「っ、ぁっ、ぅ・・・ッッ」 「っ、」  ずんっ、と中に入ってきた結城のものに、中を犯される。  弥生に出された精液が、結城のものによってぐちゃぐちゃとかき混ぜられていく。  被せられてるジャージには朝日の匂いが染み付いていて、結城の顔が見えない今、本当に朝日としていると錯覚してしまうのだ。 「っ、あ・・ッ、ぁ・・、んん・・ッぁ、」  やばい、凄い、高い声が出る。  こいつは、朝日じゃない、朝日じゃない、朝日じゃない。分かってる。なのに、どうして、出したくもない声が、出てしまう、  朝日の匂いを感じるだけで、本当に朝日とセックスしている様に感じてしまう。 「ん・・・ッ、ぅあ・・ッ、・・あ、」 「・・・・・・・なんか、面白くないな」  結城が何やらぼそっと呟いた時だった。  視界を覆っていたジャージをバサッと取られ、結城と目が合うのだ。 「っ、な・・!」 「・・気が変わりました。朝日先輩の代わりにされるのもそれはそれで癪なんで、ちゃんと俺で感じてください」 「ーーッッ、ぁっ、」  すると、膝を限界まで開かれたと思えば、ずんっと奥まで突き上げられるのだ。  そして思わず声を漏らす俺に、結城は満足そうに笑った。  ぴたっと腰が密着し、そのまま奥を何度も、ぐっぐっと押されると、内壁が結城のものをきゅうと締め付けた。 「っ、先輩、締めすぎなんですけど。奥とんとんってされるのそんなにいいんですか?」 「・・っ、ぅ・・・・、んッ」  正直、めちゃくちゃやばい。  奥を付かれるたびに、先ほど玩具のカーブ部分が当たっていた凝りを押しつぶされると、出したくないのに、勝手に声が出てしまう。  声が出ない様、両手で口を抑え、なんとか声を押し殺した。 「っん、・・・ふ・・ぅ・・、ッ・・んん」 「・・・先輩、声、我慢しないで。俺で感じてる可愛い声、ちゃんと聞かせてください」  結城が体を俺の方に倒すと、ぴたっと体が密着した。  そのまま口を抑えていた両手を捕まれ、ベッドに押し付けられる。 「大丈夫。"ここには"俺と先輩だけなんですから。たくさん声出していいんですよ」 「っ・・・!」  この時の結城の笑った顔を見て、俺は、分かってしまった。  ーー保健室の外には、朝日が、いる。  瞬間、一気に体の血の気が引いた。  そんな俺の思考とは裏腹に、結城はあざ笑うかの様に、何度も腰を打ち付けてくるのだ。

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