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07※

「・・は、本当に毛ぇねえぞこいつ。つかうっすいな。あの噂、本当だったな」  ・・・噂?  一体、何のことだ?  ーーーーーまさか、那智が生徒二人と話していた時・・・?  すると馬乗りになられて体を動かないよう地べたに押し付けられると、片足を持ち上げられ、股をまじまじと見られるのだ。 「っ・・!」 「つか肌綺麗じゃね。これなら俺全然抱けるわ。おまけにこの顔だもんな」  股の奥、業務が忙しく朝日にしばらく抱かれていない固く閉じた場所をぷにぷにと指で押されると、びくっと腰が引けた。そんな俺に構わず、そのままつぷっと指先が中に入ってくるのだ  円滑剤などなくいきなり挿入される指は、奥に入っていくはずもなく、内壁が締まり指の侵入を拒むのだ。 「ぅ・・、っぐ、」 「え、キッツ・・・。こいつ、生徒会全員と寝てんじゃねえの?」 「てかさ、朝日にチクられたらどうする?」 「そうされないように徹底的に犯せばいいだろ」  中に入っていかない指先をぐりぐりと円を書くようにまわされるが、ロクに慣らされていない中は異物感と痛みしかなかった。 「てかさ、中全然指入っていかねーよ、これ。こんな狭ぇとこに本当に入んのか?」  どうにかして指を進ませようとし、その度に内壁に当たる指の関節が痛くて堪らなかった。  そんな俺は痛みに耐えきれずに、ついに本音が漏れてしまったのだ。 「・・・は、痛ぇんだよヘタクソ。この童貞が」 「ッんだと・・・!!」  正面の奴はかっと顔が赤くなり指を引き抜くと、俺に向かって拳を振り下ろしてくるのだ。  ーー殴られる。  ぎゅっと目を瞑った時だった。 「ーーーあんた達、何やってんですか」  パシッと拳を受け止める音と共に、聞き覚えのある声が頭上から降ってきた。 「誰に手を出したか分かってんですか、先輩方」  目を開けると、俺を殴ってきた奴から庇うように、結城が割って間に入っていたのだ。  いつもは生意気な後輩なくせに、この時はその背中がとても頼もしく見えた。 「ゆう・・・、き」  すると結城は、大丈夫ですよ、とでも言うように顔をこちらに向け微笑んでみせるのだ。 「っこいつ、生徒会の・・・!」 「・・・このことは、朝日先輩に報告させてもらいますから」  結城はそう吐き捨てると二人を睨むのだ。  そんな結城に怖気付いたのか、二人は一目散にこの場を去って行った。  その様子を見た結城はふう、と息をつくと、自らの上着を脱いで俺の肩にふわっと被せ、剥ぎ取られた服を着せてくれるのだ。 「・・咲良先輩、大丈夫ですか?」  いつもの結城とは違う、優しい声色。その安心感からか目頭が熱くなると、ぽろぽろと目から漏れ出た雫が頬を伝った。  結城はそんな俺の頬を拭うと、 「・・怖かったですよね。もうあいつらはいないので、安心してください」 と俺の背中を優しく撫でるのだ。そんな結城の優しさに、更に涙が溢れた。  そんな俺を見た結城はどうしよう、と呟き少し考えた後に、すくっと立ち上がったのだ。 「保健室からタオルもらってきますね。すぐ戻るので待っててください」  結城がその場を立ち去ろうとした時だった。 「・・咲良、先輩?」 「・・・・・あ、」  この場からいなくなろうとした結城の服の裾を、俺は無意識にきゅっと掴んでしまっていたのだ。 「っこ、れは・・・ッ、違くて・・・」  裾からぱっと手を離すと、結城はすっと目の前に屈んできたのだ。驚いた俺はぐらっと体が仰け反ってしまう。  そんな俺の腰を結城は抱きとめると、急に視界が真っ暗になり、まつ毛が瞼をかすめた。目を見開くと、目の前には結城の顔。  ちゅっと小さい音が鳴ると、すっと顔が離れた。  ーーキス、されたのか?  目の前の結城の瞳は、俺を捉えて離さなかった。 「・・ね、咲良先輩。俺にしませんか?朝日先輩、忙しくてあまり一緒にいれてないんですよね?俺ならこんな目に合わせないし、もっと大事にする」 「・・・ね、俺にして、先輩」  そんな結城から目を離せずにいると、「咲良」と少し離れたところから声が聞こえた。  ーーまさかと思い声のする方へ視線を移すと、息を切らした朝日が俺と結城を交互に見るのだ。  この時俺は、結城を引き止めたことを酷く後悔した。

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