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第4話 R18
三日目。
ソロソロ限界が近い。
昨日だって散々キスを全身に受け止めただけで、その後は普通に抱き合って眠っただけ。
そりゃぁ俺だってお返しとばかりに遼平の体中キスの雨を降らせたけど、もっと舐めて味わったりしたかった……。
それに普段体中キスされる事なんて無いから、自分も知らなかった所が気持ち良かったりして……。
まさか足首とか足の甲とかが性感帯だったなんて、知るわけ無いだろ!?
「………ッ色々、ヤバいよなぁ……」
仕事中も、フトした切っ掛けでここ二日間のイチャイチャを思い出して、腰に甘い疼きが走ったりして……。
中々にヤバい。
気にせず大丈夫なら会社のトイレで致してしまいたい程には欲求不満だ。
そりゃぁそうだろ? 二日前から始まった行為だが、その前から自分の欲を吐き出す行為はしてなかったのだ。それに上乗せしての遼平とのイチャイチャだし、時間を普段より使う分、地味に快感を引き出されている感覚に体が限界だと訴えかけている。
昨日も結構……、一時間位かけてお互いの全身にキスしてたし……。
まぁ、体は限界だよ? そりゃぁスッキリしたいって欲求は溜まってますよ? けど、気持ち的には満たされているって感じる不思議。
笑いながら、会話しながら、お互いを愛撫する行為に心は満たされている。
「んじゃ、お先です」
「お~、お疲れ~」
デスクのパソコンの電源を切って、同僚に声を掛けると俺は会社のフロアーを後にする。
今日は遼平と外で待ち合わせして、一緒に夕飯を食べて帰ろうと約束している。
今日の朝に一限目から講義があった遼平と一緒に支度しながらそう決めて、場所はあっちが探してくれるらしい。どこの店にしたのか楽しみに、俺は足早に待ち合せしている駅まで歩いて行く。
暫くラインで遼平とやり取りしながら歩くと、駅前で立っている遼平を見付けて手を挙げる。
「お待たせ」
「お疲れ~」
会社帰りのスーツ姿の俺に、遼平は部活終わりのラフな格好にスポーツバッグを斜め掛けにしていて、傍から見たら兄弟に見えるのだろうか?
「どこにしたんだ? 腹減って死にそうなんだわ」
「肉バルにした。俺も結構減ってる」
「お~、良いね肉バル。どっち?」
「こっち、ついて来て」
頭を振ってこちらだと言う遼平の後を付いて歩くと、探してくれた肉バルに到着。
ちょっとお洒落な立ち食いの店で、奥にはちゃんと座って食べれるスペースもある。外のテラス席も一応は椅子がある席だが、そこにも人がいっぱいで取り敢えず俺達は立って食べれるスペースに通された。
「座れなくてごめん……」
「え? イヤ良いよ。今日はずっとデスクワークだったし、逆に立ってる方が楽かも」
「本当に?」
「本当、本当。ホラ、どれにする? 俺は取り敢えずビール飲むけど」
メニューを見ながら幾つか頼むものを決めてスタッフの人に注文。
先にきたビールとジンジャエールで乾杯して何気無い会話をしていると、注文した品々ですぐにテーブルの上がいっぱいになる。
美味しい肉料理とビールからワインに変えて、久し振りの外食を遼平と堪能して家に戻って来た。
今日は一緒に風呂入ろうな~。と酒で上機嫌になっている俺を置いて、遼平は風呂の準備をしにバスルームへ。
俺はキッチンの冷蔵庫から水のペットボトルを取り出してゴクゴクと喉を潤し、リビングの定位置に座るとテレビを点けてのんびりしている。
「郁哉、スーツ皺になるよ?」
バスルームからリビングへ入って来た遼平に言われ俺は遼平の方に腕を伸ばすと、呆れながらも優しい恋人はジャケットを脱がしてくれる。
「ホラ、下も」
遼平に言われるまま俺は両足を伸ばして両手を後ろにして床に付くと、ベルトを緩めてくれた遼平が取りやすいように腰を浮かす。
脚から引き抜いたパンツとジャケット、ネクタイを持って俺の部屋まで持って行ってくれるらしい。
「ありがと~」
気分良く遼平の背中に言った後再び水を飲んでいると
「ちょっと早いけど風呂入ろう」
「ン~~~」
バスルームから呼ばれて俺はその場から立ち上がり向かうと
「脱げる?」
一足早く脱衣所で服を脱いだ遼平が俺にそう尋ねてくるから
「無問題」
と、答えてワイシャツのボタンをプチプチと外していく。次いではソックスとボクサーを脱いで風呂場へと入ると、シャワーで体を流している遼平が俺に気付いて
「ホラ、こっち」
手首を掴まれて遼平の側まで行くと、少し温めのお湯をかけられて
「湯船そんなにお湯溜まってないけど、頭洗ってやるから」
そのうち貯まるだろ? と、湯船に促される。
湯船も何時もより温めの温度になっていて、酒を飲んでいる俺にしてみれば有り難い。浴槽の端に首を乗っけて仰向けになると、頭にシャワーのお湯がかかる。それと同時に遼平の指が頭皮をマッサージするみたいに流してくれて、俺は気持ち良さに目を閉じて、はぁ~。と溜め息を吐き出す。
「痒いとこありませんか?」
楽しそうにそう言う遼平に
「大丈夫です……気持ち良い、です」
と、ホワぁとなりながら呟くと
「ン、じゃシャンプーしていくな」
手際良く頭を洗ってくれる遼平をチラリと見ると、遼平と目が合って
「ありがとな遼平」
気持ち良さに言いながら目を閉じる俺の唇に、チュッと柔らかい感触。
薄っすらと目を開けば、優しい笑顔の恋人の顔。
「まだしろ」
そう言ってキスをせがむと、チュッ、チュッ。と何度かキスをしてくれるが、それだけじゃもう満足出来ない。
「ま~だ」
お互いにクスクスと笑いながら何度も唇を合わせているが、俺が薄く口を開くと遼平が口の中に舌を差し入れてきた。
「ンぅッ!?」
まさか舌を入れてくるとは思って無かった俺は、ビクリと体を震わせる。そんな俺の反応に遼平は楽しそうに唇を離しながら
「今日からディープは解禁だからな」
「あ……そう」
俺がリサーチした内容は、五日目にセックス出来る事とそれまでは性器に触れない事、四日目まではイチャイチャ出来るって事位で、そのイチャイチャの内容までは記載されてなかったから、どのタイミングで何が出来るのかは遼平頼りになっていた。
今日からディープキスは大丈夫なのか……。ならもっとしたいし、して欲しい。
物欲しそうな表情で見ていたのか、遼平は俺の額にキスして
「風呂から上がったら、な?」
自分も我慢しているんだと、少し眉間に皺を寄せて言う遼平に俺も笑顔でコクンと頷くと、続きをしてもらう。
体はお互いに洗い合って風呂場から出ると、バスタオルで体を拭き合いボクサーだけ履いた状態ですぐに遼平の部屋へと向かう。
ベッドに横になってすぐにキスするが、遼平の舌が俺の唇をノックしてくるから開くと、ヌッと歯列を割って舌が口腔内へと侵入してくる。
「フゥ、ンぅ……ッ」
昨日からしたかった深いキスに、自分から積極的に舌を絡める。厚くて湿った感触が気持ち良くて迎え入れた舌を唇を窄めて吸うと、遼平も気持ち良かったのか鼻から甘い吐息が漏れている。それに煽られて遼平の口腔内へと舌を差し入れ自分がされて気持ち良くなる箇所を舌先で愛撫すれば、バッと両肩を掴まれ後ろに引かれる。
「ハッ……何、で?」
気持ち良かっただろ? と伺うような視線を向ければ、獰猛な獣じみた視線と絡んで息を飲む。
「郁哉……ッ」
興奮している遼平は、俺の名前を呼んで首筋に吸い付くと、両手で俺の腰を掴んでそのまま上へと撫で上げる。
たったそれだけの事なのに、我慢していた体はその刺激にさえもゾクゾクと疼きをまとって俺の体を支配していく。
「ンッ……ハ、ァ……」
敏感になっている体の快感を逃すように俺は喘ぎ声を出す。それに気を良くした遼平が両方の親指を乳首へとあてると、クリクリと円を描きながら押し潰してくるから……。俺はビクンッと大きく体を波打たせ喉を仰け反らせる。
「ハ、ぁ……郁哉気持ち良ぃの? 鳥肌立ってる……ッ」
ゾワリとくる気持ち良さに鳥肌が立ったのか、遼平は楽しそうにそう呟いて弄っていた片方の乳首に顔を近付けてフッと一度息を吹きかけ、舌先でチロチロと舐め始めた。
「遼、平……ッそれ、ヤバ……ッ」
咄嗟に遼平の頭に指を差し入れて髪の毛を掴んでしまう。遼平は俺がそうした事で引き剥がされると勘違いしたのか、舐めていた乳首を口に含んでジュゥッと吸い付き歯で乳首の根元を甘噛みしながら舌先でネロネロと舐ってくる。
「ぁ……、ふ、ぁッ、ンぅ~~……ッ」
乳首から脳髄にダイレクトに電気が走った感覚に、髪を掴んでいる手に力が入る。と
「ひもひいいか? おふぇのあたまおひつへてる」
乳首を口に含んだまま遼平は『気持ち良いか? 俺の頭押し付けてる』と上目遣いで俺に聞いてくるから、俺は掴んでいた手をパッと離して顔を赤め
「ぁッ……、ご、めん……そんなつもりじゃ……ッ」
と、恥ずかしさにフイと顔を横に向けると
「ン~~、解ってるよ。もっと乱れて欲しいなぁ?」
意地悪そうに乳首から唇を離して言う遼平は、今度は指先の爪でカリカリと引っ掻くように愛撫したかと思うと、次いでは親指と人差し指で摘んでギュウゥと圧をかけ、そのまま乳首を引っ張った。
「あ゛ッ!? ン、イ゛ッ、~~~~ッ」
ジリジリと追い上げるような快感から、急に強くなった刺激に俺は背骨をくねらせて仰け反ると、次いで力の入った臀部からキュンキュンと勃起したモノに熱が集まる。先走りでボクサーが濡れていると解る程気持ち良くて、俺はモジモジと内腿を擦り合わせていると
「郁哉、イっちゃったら駄目だからな?」
雄の顔付きで楽しそうに笑う遼平に、ゾクリと背筋がしなる。
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