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第16話 ドキドキの初デート。微エロ
「夏休みだからか、結構混んでるな。ネットで席取っておいて正解だった」
「そうだな。それにしても、映画館で映画観るの何年ぶりだろ。敦はよく観に来るのか?」
「あぁ、仕事終わりによく来る」
あの後、お互いに二回射精した二人は体力が尽きて遅めのお昼ご飯を食べてから、映画館に向かった。
敦はワイシャツにスラックスを着て、旭は敦の家に泊まる時の為に置いていた、ポロシャツとジーンズを着ている。
「どんな映画観るんだ?」
「恋愛とかアクション映画だけど。この前観たアメコミのヒーロー物のは良かった」
「それ、気になってたやつだ」
「俺ももう一回観たいし、よかったら俺の部屋で一緒に観ないか?」
そう言われて、旭は今朝リビングでしたセックスを思い出した。
一緒に観るという事はもしかしたら観ている最中にいい雰囲気になって、ソファーに押し倒されてさっきのようにまた、何度もイカされるのかもしれない。
そう考えただけで、体が少し熱くなっていく。
「もしかして、映画観るついでに何かするのか?」
旭が頬を赤らめながら聞くと、敦はニヤニヤと笑った。
「旭、もしかして期待したのか?」
「すっ、するわけないだろ」
ムキになって怒鳴る旭を見て、敦は眉を下げながらデレた。
「怒るなって。可愛な。ポップコーンと飲み物奢るから許してよ」
「じゃあ、許す。ポップコーンは塩とキャラメルのハーフのやつで飲み物はオレンジジュースな」
「分かった。じゃあ一緒に買いに行こうか」
敦は歩き出そうとする旭のお尻を、撫でるように触った。
自然とプラグが手に引っかかり、それが刺激となってアナルが疼いてしまう。
家を出る前に本当にプラグが入ったまま映画館に行っても平気なのかと敦に聞かれて、意地を張って大丈夫だと言ってしまったことを旭は後悔した。
(こんなに人が居る中でアナル疼いちゃってる♡しかも、乳首もさっきから服に擦れて変な感じするし♡正直に感じてるって言うんだった♡でも言ったらまたいやらしいとか言われて恥ずかしいし♡)
「何、考え事してたんだ?顔赤いぞ」
「あっ、赤くなんかない」
「まったく、素直じゃないな。ほら行くぞ」
列に並ぶと、腰に手を回される。
密着すると敦のシャンプーの香りが漂ってきた。
同じ匂いを自分もしていると思うと、旭は人前だというのに興奮してしまう。
「敦、もう少し離れて」
「なんで?人の目なんか気にしないでいいじゃん」
「そういう事じゃなくて、敦に触られるとなんか頭がふわふわしてくるから……」
「なんだ、そういう事か」
敦は笑いながら、旭とピッタリと体を密着させた。
旭は思わず気持ちよさで、体をビクッとさせてしまう。
「だから、離せって」
「嫌だよ。ほら、次だって」
二人で店員が手を上げているカウンターへと向かう。
男性のイケメン店員に話しかけられた旭は、少しばかり浮ついた気持ちになってしまった。
旭が注文しようとすると、再び撫でるようにお尻を触られる。
「んっ…………♡」
こんなところでと旭は敦を睨みつけたが、敦はお構いなしに触りながら商品を注文していく。
抵抗しても無駄だと思った旭は、顔を赤くしながら俯いた。
(店員さんが見てる前でお尻触られちゃってる。イケメン店員に俺がアナルプラグ入れてるってバレたらどうなっちゃうんだろ)
店員が注文された商品を取りに向かうと、敦は俯いている旭の耳元にそっと囁いた。
「旭は俺のなんだから浮気はダメだよ」
いきなりの事に慌てた旭は、顔を真っ赤にしながら片手で囁かれた方の耳を塞いで、敦を見た。
「わっ、分かってるから。辞めろよ」
「本当に分かってるのかな?」
商品を揃え終わった店員がカウンターに戻り、会計を済ますと、敦は出されたポップコーンと飲み物が乗ったトレーを運んでいく。
「俺も持とうか?」
「大丈夫。からかったお詫びに持つよ。それより、映画観終わった後にちょっと時間いいか」
そう聞かれて旭は時計を確かめる。
今が三時だから、映画が観終わってもまだ時間はある。
「いいけど、なんだ?」
「一緒に行きたい場所があるんだけど、どうだ?」
初デートの締めに連れて行きたい場所って何処だろう。まさか、本当はまだヤリ足りなくてラブホテルとかじゃなかろうな。
そう思った旭は、恐々と質問をした。
「怪しい場所じゃないだろうな」
「そんなんじゃないって」
自分の考えすぎだったと、安心して旭は肩を落とした。
「じゃあいいけど」
「やった。じゃあ決まりな」
やけにはしゃぐ敦を不思議に思い、何処に連れていってくれるのか聞こうとしたが、着いてからのお楽しみでもいいかと思い聞くのをやめた。
そうしているうちに、会場のアナウンスが鳴る。
シアターに入る時も敦はずっと旭と密着しており、旭は周りの目も気になったが幸せでいっぱいだった。
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