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第17話 エレベーターに閉じ込められて。微エロ

 (この二人、さっきもキスしてたよな……)  選んだのはホラー映画なはずだが、所々に恋愛要素が入り混んでいた。 旭は、濃厚に舌を絡ませ合うキスシーンにポップコーンを食べる手を止める。 (もしかして、俺と敦のキスも第三者から見たらこんないやらしいキスに見えてるのか?いやいや、こんなに激しいキスはしてないはずだ) 顔を真っ赤にして鼻息を荒くしながら、食い入るようにスクリーンを観ていると、空いている左手に手を乗せられる。  手の方向を向くと敦が唇の前に人差し指を立てて起き、シーっと言っていた。  何をされるのか分からないまま、じっとしていると指を指先でゆっくりと撫でられた。 「…………っ♡」 思わず、声が出そうになったが必死に耐える。 それだけでも気持ち良くなってしまうくらい敏感になっている自分の体に、旭は動揺した。  手を引っ込めようとすると、素早く恋人繋ぎをされて動けなくされてしまう。  敦を睨みつけると、笑顔で返させてしまい抵抗する気を失う。 (周りに人が居るのに、まさかこんなところでヤル気じゃないだろうな)  スクリーンに目を戻すとベッドシーンが映っていた。  激しくまぐわいながらキスをして快楽に溺れる二人を観て、今朝の事を再び思いだし、旭はアナルが思わずキュンとしてしまった。 (俺ってもしかしてセックスしてる時こんな表情してるのか……)  スクリーンから目を離さないでいると、さっきより強く手を握られた。  驚いて敦の方を向くと目が合い、じっと見つめられる。 (もしかして、キスされる)  そう思い、目を瞑った。  映画館でキスするのが憧れだった旭は、胸をときめかせながら敦の唇を待った。  しばらくして、口横に指先が触れすぐに離れた。  何事だと思い目を開けると、敦が不思議そうな顔でこちらを見ながら指先を見せてくる。  指には、ポップコーンの食べカスが乗っていた。 (キスじゃないのか……)  旭がしょんぼりとしながら泣きそうな顔をしていると、敦は指に乗っていた物をそのまま口に入れた。  それを見た旭は顔を真っ赤にさせる。 (そ、そんなの、キスと同じくらい嬉しい)  敦は微笑みながら再び手を握り、恋人繋ぎにする。  旭はその手をぎゅっと握り返した。 「ちょっと刺激が強かったけど面白かったな」 「そ、そうだな」  手を繋ぎながら観ていた事もあり、旭はずっと今朝のセックスの事を考えていて殆ど内容を覚えていなかった。 「ところでなんで距離遠いんだ?」 「だって、プラグのせいなのか指に触れられただけで気持ち良くなるし」 「俺に触られるの嫌なのか?」  嫌じゃないと言おうとした時にガシャン!という音と共に、いきなりぐらっと地面が揺れ、エレベーターが止まった。 「えっ!嘘だろ!?」  しばらくして、照明が非常灯へと変わる。 いきなり薄暗くなり、暗くて狭いところが苦手な旭は泣きそうになっていた。 「旭。大丈夫だから落ち着いて」  そんな旭を敦が抱きしめて頭を撫でながら、落ち着かせる。  敦に縋り付いた旭は温もりを感じて、冷静さを取り戻していった。 「ありがとう。もう、大丈夫。助け呼ばないと……」  大丈夫とは言ってはいるが、涙ぐみながら震えている旭から目を離したくはなかった敦は、手を繋いだままスラックスのポケットからスマートフォンを取り出した。 「そうだな。俺の携帯圏外なんだけど旭のはどうだ?」  そう聞かれて、旭もジーンズのポケットからスマートフォンを取り出して確かめる。 「俺のも圏外だ」  敦は不安で震えている旭の手を大丈夫だからと、ぎゅっと握り返す。 「非常ボタン押してしてみるからちょっと待ってろ」  敦が非常ボタンを押すと無事に管理会社と繋がった。  安心した二人は胸を撫で下ろす。  管理会社の話によると、どうやら動くまで一時間はかかるらしい。 「一時間か……」  安心して緊張の糸が切れた旭はその場にしゃがみ込んだ。 「旭!!」  驚いた敦はすぐに旭に駆け寄って抱きしめた。 「ごめん、安心しちゃって」 「いいよ。旭は暗くて狭いところ苦手だったもんな。動くまで抱きついておくか?」 「うん」  安心した旭は敦に抱きつくと頬擦りをした。 「俺がいるから大丈夫」  敦は優しく旭の耳元で囁きながら頭を撫でる。 (あっ♡耳元らめっ♡)  あまりに頼もしい敦に、旭は胸がときめきっぱなしだった。  その上、大好きな低音ボイスで耳元で囁かれてしまい。アナルがキュンとしてしまっていた。 「旭、耳が赤くなってるよ。本当に俺の声に弱いんだな」  耳元でクスクスと笑われたかと思うと、耳たぶを熱い舌でペロッと舐められる。 「あっ♡耳よわいから……っ♡らめぇ♡」  ただでさえプラグで体が敏感になっているのに弱い耳を舐められてしまい、旭は下半身を熱くさせてしまう。 「可愛い声出して。誘ってるのか?」  耳元で囁かれたと思うと、今度は耳たぶを咥えられてから甘噛みされる。  普段ならそれだけでは我慢汁が出るほどに感じないはずなのに、今の敏感な体の旭には充分すぎる刺激だった。 「んんっ……♡違……っ♡あぁっ♡」  熱い息が耳にかかっただけでも感じてしまい、息が上がる。 「だからプラグ入れたままデートして大丈夫か聞いたのに。それともこうなりたかったのか?」 「ち……っ♡ちがっ♡敦が普通の人はプラグじゃ感じないとか言うから♡」  それを聞いた敦はニヤニヤと笑った。 「だって、普通の人はアナルじゃ感じないしましてや、プラグなんて入れないだろ。前立腺擦られてメスイキしちゃうエッチで敏感な体の旭だから感じちゃうんだろ」 「ち、ちがっ♡エッチで敏感なんかじゃない!」

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