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第34話 素直にしなたいならしたいって言っていいんだよ

 敦が担当していたお客様の結婚式が無事に終わりお互いに手が空いたのは、旭がアナルを拡張し終わった頃だった。  丁度、明と新が帰国する時期と重なったため、それなら四人で食事をしないかという話になり、二人は仕事が終わった後もその準備で大忙しだった。 「LINE、敦からかな」 風呂から上がり髪を乾かした旭は、スマートフォンが鳴ると小走りに駆け寄り画面を見た。 画面には、一通の新着メッセージが表示されていて相手は敦だった。 <じゃあ、明日10時ごろ空港で待ち合わせで。お昼は明が皆んなで手巻き寿司作って食べたいって言ってるけどどうする?> <俺も食べる。皆んなで食べる手巻き寿司、美味しいだろうな。何か持っていく物あるか?> そう返事をしてスマートフォンを置くと、すぐに返信が来たので慌てて画面を見る。 <迎えに行った後、買い物するから大丈夫。ありがとな>  文末には大きな赤いハートのスタンプが輝いていた。  それを見ると愛されてるんだなと、惚気て表情が緩んでしまう。 (はぁ♡早く敦に拡張し終わったアナル見てほしいな♡)  ベッドサイドに座りながら、旭は幸せに浸っていた。  敦が拡張された尻穴を見たらどういう顔をするのか考えただけで、体が熱を持ってしまう。 (いけない!今はパーティーの準備の話してるのに。エッチな気分になってどうするんだ俺!)  気を紛らすために顔を横に振ってみると、気が紛れたような気がする。  明日は敦の友達と会うんだからこんな気分でいたらいけないと、旭は話題を変えた。 <それにしても、明さんに逢えるの楽しみだな。手巻き寿司食べたいとか可愛い性格してる>  返信した後にまた直ぐに返事が来るだろうと画面を見ながら待ってみる。  しかし、即読は付くが返信がなかなか帰ってこない。  今日も仕事忙しかったし、疲れてもう寝てしまったのだろうか。  そう思って歯磨きをしようとベッドサイドから立ちあがろうとすると、やっと返信が来る。 <旭は明の事褒めすぎ。俺の事ももっと褒めてよ> (褒めてって……。ひょっとして、焼きもち焼いてたから返信遅れたのか)  いじけてふて寝しようとしている敦を想像すると、ニヤけてしまう。  仕方ないから今日はちょっとデレてやろうと、旭はニヤけながらスマートフォンをタップした。   <敦も可愛いと思うけど> <どういうところが?> <そうやって焼きもちやいてイジけるところとか> <そう言われると、照れるな。寝る前に旭の声聞きたい>  こうやって素直に愛情をぶつけてくるところがまた可愛い。 <いいけど>  そう返信をすると、秒で電話が掛かってきたので慌てて電話に出る。 「もしもし。なんだいきなり」 『いやーっ。旭が俺の事可愛いって言うから感極まっちゃって』  恥ずかしくてそっけなく返事をした事を後悔する暇もなく、敦の照れた声が耳元で聞こえると、こっちまで恥ずかしくなり顔が赤くなってしまう。 「み、耳元でそんな声出すな……」 『そういえば、最近耳元で囁いてなかったな。せっかくだから旭の可愛いところ言おうか?』 「言わなくていい……」 『言わせろよ』 「分かったよ。どうぞ」 『照れ屋で恥ずかしがり屋だけど、セックスする度に段々とエッチになっていくところとか」  耳元でそう囁かれると嫌でも下半身が熱くなってきて、ソワソワしてしまう。  敦の友達に会う前日だというのに、このままでは敦に流されてテレホンセックスする流れになってしまうと旭は慌てた。 「もう切るぞ」 『そうやって照れる旭も可愛いな。なぁ旭?会議室でヤった日から随分経つけどちゃんとアナル拡張出来たか?』 「あっ……♡」  さっきと声色が変わり、低い声で耳元で囁かれてると会議室でセックスした日の事を思い出して、体がビクッと震えてしまう。 『甘い声出しちゃってどうした?もしかして会議室でした約束思い出した?」 「ちっ、違う……」 『じゃあなんで?』 「…………っ」  いったい自分はどこまでスケベになっていくのだろうと心配になった旭は、言葉を詰まらせた。  本当は敦とテレホンセックスくらいしたい。だけれど以前なら人に会う前日にオナニーやセックスする事なんて、考えた事などなく戸惑ってしまう。 『ほら、ちゃんと答えないと奥まで入れてあげないよ』 「だっ、だって、明日、旭の友達に会うっていうのに前日にエッチするなんてダメだろ」  旭が切羽詰まった声でそう言うと、敦は少し黙った後にいつもの調子で話しかけてきた。 『旭は真面目だな。どうせ向こうだって上手くいってれば今頃ヤッてる頃だしいいじゃん』 「えっ!?明さんと新さんって」 『今は、まだ付き合ってないけど明が今日、告白できていれば今頃はな」 「そうだったのか。上手くいけばいいけど……」  向こうもそうならいいかと体の力を抜いて、脚をもじもじと擦り合わせる。 『だからさ、旭も素直にしなたいならしたいって言っていいんだよ』 「それは……その……」  したいのだけれど、いざそれを口に出して言うとなると恥ずかしい。 『俺はここ最近ずっと旭とセックス出来なかったから旭不足すぎて今からでも旭の部屋に押しかけてア◯ルにちんぽ奥まで挿れて何回も中に出したいよ』 「そ、そんな事耳元で言われたら俺………」  これまで抑えていた欲が体を支配して体を熱くさせていき、尻穴が疼いてしまう。   『アナルに俺のちんぽ挿れたくなっちゃう?』 「う、うん……♡」  敦の質問に素直に答えると、容易く理性は溶けてしまった。 『俺も挿れたいよ。明日、俺の家泊まるだろ。その時にゆっくり挿れてあげるから』 「あっ♡そんなエッチなことされたら♡」 「そんな甘い声出しておねだりして、本当可愛いな。早く明日にならないかな。また、旭の柔らかい唇ととろけけるような舌と唾液味わいたい」  耳元で低く熱っぽい声で囁かれると、乳首がピンッと勃ち上がり、カウパーが溢れてブリーフを濡らしてしまう。 「お、俺も敦とキスしたい」  恥ずかし気に脚を擦り合わせながら旭が言うと、敦は少し間を空けて震えた声を出した。 「旭……。どうしよう俺のちんぽ爆発しそう」 「爆発って大袈裟な……」 「大袈裟じゃないって。もう我慢汁で濡れてるし」 「そんな……」 「もうびちょびちょだよ。ほら」  電話越しに下着をずり下ろす音が聞こえたと思うと、陰茎を扱く音とクチュクチュという水音が同時に聞こえてくる。  敦が自分で感じてくれていると嬉しくなった旭は、さらに体を熱くさせながら尻穴をヒクヒクと伸縮させた。 「なぁ、テレセしないか?旭とするの夢だったんだ」  熱っぽく、それでいて泣きそうな声で耳元でねだられて旭の理性は簡単に崩れ落ちていく。 「いいよ♡」 「ありがとう。じゃあ動きやすいようにスピーカーにしようか」 「うん♡」

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