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第44話 初めての共同作業だな

「敦!?」  その人影は明らかに、敦のだった。  向こうも旭の人影を確認すると、エレベーターへと駆け寄ってくる。  扉が開く数秒すら、待ち遠しい。  扉が開きエレベーターから出ると、駆け寄ってきた敦にキツく抱きしめられる。 「旭っ。辛い思いさせてごめんな」  今まで聞いたことがない消え入りそうな声で、耳元で囁かれて胸が締め付けられる。 「俺こそ、いきなり帰ってごめん」 「いいんだ。俺が明の隣に立ってたからなんだろ」  旭はゆっくり頷きながら、抱きしめる力を強める。 「俺、明にまで嫉妬して本当に情けないよな」 「そんな事ないよ、俺も旭が明と新さんの隣に立ってる時に嫉妬してるし」 「そうなの?」  驚いて、敦の顔を見ると鋭い視線をした、澄んだ茶色の瞳と目が合った。 「ああ、旭の何倍も嫉妬してると思うよ。元にさっき空港で旭が新さんと握手した時にその場でお仕置きしそうだったし」 「お、お仕置きって……」  その言葉を聞いただけで、旭の体はどんどん熱くなり、鼓動が早くなっていく。 「エレベーターの時みたいに、その場で旭は俺のだって道具使って分からせてやろうとした。もしかして、新さんの前でやられたかったのか?」  旭は新の前で敦にローターでお仕置きされている姿を一瞬思い浮かべ、背筋を凍らせた。  やっぱり自分が感じている時の表情は敦にしか見られたくはない。 「違うけど、二人っきりの時ならお仕置きされてもいいなって」 「まったく、旭はドMだな」 「あっ♡」  強く抱きしめられながら、耳元で低い声で囁かれると、一瞬で再び体が熱くなっていき、尻穴がクパクパと疼きだす。 「旭が素直にそんな事言ってくれるなんて、タクシー使って先回りしてここまできた甲斐があったよ」 「だって、敦のこと誰にも取られたくないから」  敦の顔を真っ直ぐ見て、視線を合わせると背伸びをしてそのまま唇に口付ける。  唇を重ねると、すぐに唇を割って舌を入れる。  すると、それを待ち望んでいたかのように敦の熱い舌が絡みついてきて、吸われる。  ぐぢゅぐぢゅといやらしい音をたてながら、唾液を交換し合う激しいディープキスをする度に旭の陰茎はどんどん硬くなっていき、尻穴もクパクパと伸縮した。  二人は名残惜しそうに唇を離すと、再び見つめ合った。 「俺だって、旭のこと誰にも取られたくないよ。それがたとえ、友達であっても」  敦の手が腰から尻へと移動すると、尻たぶを捏ねるように揉まれる。  大きな逞しい手で尻穴を広げるように優しく揉まれた旭は、我慢の限界だった。 「あっ♡敦、ここでするの?」  顔を赤くしてとろけた顔をした旭は、上目遣いで敦を見る。  すると、敦はクスリと笑った。 「今日の旭は随分と大胆だな。ここじゃ見られちゃうから旭の部屋入れてよ」  誘うように尻たぶを広げられると、アナルがますますヒクヒクと反応し、ナカから愛液が溢れ出る。  このまま部屋で敦とセックスしたら、敦との思い出が染み付いて、絶対に一生忘れられなくなってしまう。  本当の意味で敦なしでは生きられない体になってしまうのだと、旭は期待と不安で体を震わせた。 「いいけど、ちょっと散らかってるよ」 「別にいいよ、そんな事。行こう」  抱きしめられていた手を緩められ、肩に手を回される。  尻穴に敦の陰茎を奥まで挿れられ敦の物にされてしまうという期待と興奮と恐怖で、部屋への数メールがやけに長く感じる。  部屋の前に着き、興奮で震える手でポケットからキーケースを取り出し、鍵を取り出す。  鍵穴に鍵を差し込むが、指に力が入らずに回すことができない。  敦はそんな旭の肩を抱き寄せ、耳たぶを舌先でペロッと舐めた。 「あっ♡」 「興奮しすぎて、鍵回す力も出ないなんて。本当に旭は可愛いな」  指先を掴まれ一緒に鍵を回すと、鍵が開く。  そのまま鍵を抜くと、敦が左手でキーケースに鍵をしまい旭のポケットへと入れる。そして、掴まれた右手をドワノブの前に移動させられた。 「初めての、共同作業だな。ほら、ドワノブ握って」  ドアノブを握るだけなのにやけに、心臓がドキドキとうるさい。  部屋の中へと入った途端に、敦とのセックスが始まってしまう。  しかも、これまでとは違う本気の中出しセックスが。  考えただけで旭の体は火照り、陰茎は興奮で我慢汁を垂れ流して、尻穴からは愛液が出てしまう。  ドワノブをそのまま下に下ろすと、扉が開いた。 (ついに俺の部屋で敦に本気孕ませセックスされちゃうんだ♡奥までちんぽガッチリハメられて何回も精子ナカにびゅーびゅー出されちゃうんだ♡)

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