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逆愛Ⅱ《洸弍side》2

目隠しをされながら大空に犯されたとき、懐かしい香りがした。 綾くんの香水と同じ匂い。 大空の体格は綾くんに似ているし、目隠しされていると綾くんに抱かれているという錯覚に陥る。 諦めようと思っていた。 でも身代わりがここにいた。 体の相性も良い。 「目隠し有りならいつでも抱かせてやるよ。お前とは体の相性いいみてぇだからな」 それから大空とは体の関係になった。 俺から誘うこともあれば、大空から誘うこともあった。 こいつが綾くんの身代わりだと思うと、前みたいに殴ったり出来なくなった。 いじめをしてた、最低な奴なのに。 『綾くん』だと思うと手が出せなかった。 「洸弍先輩!」 こうして無邪気に笑う大空を見て、改めて犬みたいだと思った。 でも大空の過去は許せない。 許しちゃいけない気がした。 「寺伝さん、来てくれたんですね」 「毎年来てるだろうが」 2月14日は天野の誕生日で、天野グループ主催でパーティーを開いている。 天野グループと交流のある取引先の輩がたくさん集まる。 「お前ベランダ出てきていいのかよ。主役なんだから挨拶してこい」 「朝から挨拶しすぎて疲れました。ちょっとここで隠れます」 実際に誕生日パーティーといっても、色々な取引先が集まるからビジネスの場になっている。 俺も何度も経験してるから、天野の気持ちは分かる。 「嵐は元気ですか?」 「あぁ。相変わらず犬みてぇな奴だ」 天野はなぜか大空と仲が良い。 まぁ、二人が同い年っていうのもあるんだろうけど。 「天野くんここにいたんだ」 「宮本!来てくれたんだ」 振り返ると、見覚えのある顔のやつがいた。 FI学園の生徒会役員で書記をしている宮本だ。 確か宮本も天野と同い年だったな。 宮本はあまり会議に参加しないから、どういう人物なのか未だに把握出来てない。 「誕生日おめでとう。みんな天野くんのこと探してたよ。スピーチあるって」 「…もうそんな時間か。じゃあ俺は行きますね。ゆっくりしてってください」 そう言って天野は室内へと戻った。 俺と宮本だけがベランダに残された。 2月の冷たい風にあたりながら、景色を眺める。 「嵐くんは元気ですか?」 宮本が俺の隣に来て言った。 みんな大空のことばかり気にしてやがる。 「宮本も大空と仲が良いのか?大空と仲良くなるキッカケって何なんだ?」 宮本がFI学園の生徒会役員になったのは最近だし。 天野はよく会議に参加してるから大空と仲が良いのは理解出来るけど。 「いじめの話って聞きました?」 「あぁ、相手を失明させたって話な」 「あれ、いじめられてたの僕なんです」 宮本の発言に驚いた。 いじめを受けたのになぜ大空と仲良くしてられるのか。 宮本と大空は中学が同じで、団体でいじめを受けていたらしい。 でもある日、大空はその団体を抜けた。 「嵐くんのせいで失明したんじゃないんです。違う同級生に階段から突き飛ばされて」 でも、その団体は宮本を突き飛ばしたのは大空だと罪を擦り付けた。 大空は今まで自分が宮本をいじめていたこともあり、その罪を被った。 「嵐くんは転校しても、毎日病院に来てくれて。一時的な失明だったから、手術で治ったけど黙ってたんです」 「何で?」 「治れば嵐くんがお見舞いに来てくれなくなると思ったから。嬉しかったんです。毎日こうして同級生と話せるのが。友達いなかったから」 だから目が見えるようになってもしばらくは黙っていたらしい。 でも嘘をつき続けたくないから宮本は事実を言った。 「そしたら凄い喜んでくれて。目が治っても毎日会いに来てくれたんです。それから退院してもよく遊ぶようになりました」 退院した頃には、もうFI学園に編入を決めていたらしい。 「何かあれば連絡しろよって嵐くんの口癖で。僕は彼に何回救われたか分かりません」 「でもいじめられてたのは事実だろ?」 「『過去は変えられないから、今までお前にしてきた仕打ちの分お前を大切にするよ』って言ってくれました。だから気にしてません」 宮本は笑顔だった。 大空は、過去を悔やんでいたのか。 ただいじめをしていただけじゃなくて。 罪を背負って、自分が傷つけた相手を今は大切にしてる。 さくらをいじめて追い詰めた奴とは違う。 それを知らずに俺は大空に冷たくしてたのか。 最低なのは俺の方じゃねぇか。 今まで大空にしてきたことを、悔いてる自分がいた。

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