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逆愛Ⅱ《嵐side》5
行為が終わって、洸弍先輩はぐったりしていた。
俺は洸弍先輩の髪を撫でた。
「汗かいてますね。シャワー浴びたほうがいいですよ」
「あぁ。借りる」
そして洸弍先輩は少しふらつきながらバスルームに向かった。
俺は天井を見つめながら、改めて洸弍先輩が好きだと実感した。
でも洸弍先輩は神威が好きなんだよな。
あの人に勝てる気がしない。
でも好きだ。
「洸弍先輩!」
「よぉ、大空」
昼のランチルームで一人で昼食をとる洸弍先輩に声をかけた。
「英語の提出物、よく出来てるって褒められました」
「良かったな」
相変わらずまたパン食べてるし。
「そういえば、お前の気になる人って住谷マリなのか?」
「え!?違いますよ。マリちゃん今は彼氏いるし」
急に何を言い出すかと思えば。
「へぇ。でも叶わぬ恋って言ってたよな?」
そりゃあ、洸弍先輩には神威がいて俺はその身代わりなわけだから叶わぬ恋だろ。
なんて言えない。
「まぁ…その人には好きな人がいて、しかも俺は嫌われてるんで」
「まぁ、頑張れよ。ちゃんと話せばお前の良いとこ分かってくれるんじゃねぇの?」
「だといいんですけど…」
全く気付いてない様子だけど、俺はアンタが好きなんだよ。
少なくとも、最近優しくなった。
だから余計好きになるんだっつーの。
「じゃあ俺は行くわ。よく噛んで食えよ」
先輩が席を立って、ランチルームを出ようとした。
「洸弍先輩!」
洸弍先輩が振り返る。
「何だよ」
「俺の良いとこって、どこですか?」
その答えが全てだから。
だから聞かせて欲しい。
教えて欲しい。
「犬みたいに単純で、素直なとこだ」
笑顔でそう言った。
その時の笑顔が眩しかった。
ヤバい。
本当に洸弍先輩が好きだ。
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