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逆愛Ⅴ《嵐side》2

「ヤッてたよな…確実」 こんなことを繰り返し繰り返し考えてた。 ルイルイが好きなのか? いや、洸弍先輩が好きなのは神威のはずだろ。 欲求不満でルイルイを誘ったとか? 俺じゃ満足出来ない? 「ああもう!」 妄想なんて事実を明確化できない。 だったら直接本人に聞けばいいんだ。 それが真実なんだから。 PM7:00 学園について、自分の部屋に寄らずに直ぐに洸弍先輩の部屋に向かった。 インターホンを鳴らしても返事がない。 ってか、部屋にいるかさえ分からない。 ダメもとでドアノブをひねってみた。 まさか。 「…開くわけねぇだろ」 すると、鍵は開いてて洸弍先輩の部屋に侵入することが出来た。 マジかよ。 なんて無用心な。 「洸弍先輩…いますか?」 部屋は真っ暗で、灯りすら点いていなかった。 人の気配もしない。 鍵を閉め忘れたままどこかに出かけたんだろうな。 「帰るか…」 そう思って部屋を出ようとした瞬間、微かに雨の降る音が聞こえた。 雨? いや、さっき帰ってくるときにはもう雨は止んでた。 雨じゃない? 音の聞こえる方向はバスルームだった。 真っ暗なのにシャワーの音がする。 不自然に思って俺はバスルームのドアを開けた。 するとそこには、制服を着たままシャワーに打たれて座っている洸弍先輩がいた。 「冷たっ…これ水じゃん。洸弍先輩何やってんですか!風邪ひきますよ」 俺は慌ててシャワーを止めた。 「大空…?」 「早く体を拭いてください。風邪ひきますよ」 「いいんだよ俺なんて…別にどうなったって」 俺は洗面所の棚からタオルを取りだし、洸弍先輩の髪を拭いた。 すると洸弍先輩は俺の手を掴んだ。 「触んな。てめぇ何しにきたんだよ」 「何しにって…どうしても洸弍先輩に伝えたいことがあって」 「なら、とっとと言って出てけ」 なんか、機嫌悪すぎじゃないか? 「…」 少し沈黙が続いたあと、俺は洸弍先輩の目を見て深呼吸をした。 初めは嫌いだった。 嫌いで犯して、体の関係になって。 でも今は―… 「俺、洸弍先輩が好きなんです」

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