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将門編・5
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「あー、もういい加減成仏しろよ!」
自力で寝ていたベッドからずり落ち、朝陽は匍匐前進でラグの上を移動する。
将門はベッドの上に腰掛けたまま、ユルリと両目を細めて見せた。
こうしていると、イイ男が様になりすぎて憎い。
「朝陽、お前が共に来るなら喜んで永眠してやるぞ?」
「無理。俺まだ二十歳だしこれからやりたい事増えるかも知れないだろ!」
「そうは言うがお前は華守人、人外としか番えんだろうが」
言い返せなかった。
将門が朝陽の元に来てから毎日が口喧嘩の嵐だ。
朝陽は割と本気で抵抗しているのだが、将門は遊び半分の印象を受ける。
朝陽としてはそれも気に入らない要因の一つでもあった。
「どうせ今日も抱かれる羽目になるのだから大人しくしておれ。それにお前、言う程嫌がってはおらんだろう?」
「嫌がってない訳じゃなくて、体力なくて先にへばるだけだ!」
「なら今日もその体力とやらが尽きて、我が妻がへばるのを待とうか」
「誰が妻だっ!」
「番になったろう? お前は俺の物だ、朝陽」
「はあ……もういい。それについてはもういい。それはそうと、お前避妊具つけろよ。ちゃんと買ってきたから」
抱かれる事には諦めがついたらしい。
朝陽はため息混じりに将門に避妊具をつきつけた。
「何だこれは」
「妊娠しない為の物だ」
「それではいつまで経ってもお前は孕まんだろうが」
「だから孕むのが嫌だって言っている!」
今更使った所で既にやる事はやっているのだから、孕んでいたら手遅れなのだが。
幸いな事に妊娠初期兆候は今の所見受けられない。
「却下だ」
目の前で避妊具が箱ごと紫の炎に包まれて消滅する。
「あーーー! 折角買ってきたのに! アレ買うのに俺がどれだけ勇気を振り絞ったか知らんだろ!」
「そんな時間があるなら俺に構え」
近付いてきた将門に有無を言わさずベッドの上に放り投げられる。
首筋を甘噛みされれば、もうなす術もなかった。
「将門……っ、ちょっと……待ってくれ」
今日は下っ腹の奥がやたらムズムズしていて、妙な感覚に襲われていた。
「どうした?」
「なん……か、腹が変……ッ」
将門が思案するように目を細め、やがて口角を持ち上げて笑む。
「朝陽、その感覚に集中していろ」
そう言うなり、将門は内部の奥を優しくトントンと突き始めた。
「あ、ああっ、待って、将門ぉお!」
困惑している朝陽をあやす様に口付け、将門は咥内に舌を割入れる。
互いの唾液を絡ませながら、腰を左右に揺れ動かすと朝陽の体が小刻みに震え始めた。
「く、る……ッ、んあ、ああっ、何か……、くるーーー!」
何かしがみつく物が欲しくて、朝陽は目の前にいる将門の首に両腕を回し、抱きつく。
射精するのとは違い、絶頂が止まらなくてずっと腹の中が快感に犯されているようだった。
「は……っ、凄いな」
内部がうねり、将門の陰茎を締め付ける。
中の動きを堪能するように突き動かすと、朝陽が暴れながら悲鳴混じりの嬌声を上げ始めた。
「や、だ。嫌だ、将門……っ、動くなああ! 何だこれ……、ひッ、ああああ!!」
「落ち着け。女のように腹の中で達しただけだ。そのまま享受していろ」
「ん、あっ、あああ、あ~~~ッ!」
止まらない快感が朝陽の理性をグズグズに溶かした。
激しさを纏って行く抽挿の後で、朝陽と将門はほぼ同時に欲を弾けさせた。
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