「ひぁッ、これっ……やめ、頭……っ、回んなくな、る……、あっ、あ」 　未知の感覚が、朝陽を乱していく。 　甘ったるく腰が疼き出して、脳に直接〝気持ちいい〟と指令がくる。 　晴明は至極楽しそうに口を開いた。 「想像してご覧よ？」 「なに、を」 　イメージを掻き立てるように、たっぷりと間を空けられる。 　晴明の指先が朝陽の体の上を滑り、どんどん下肢に降りて行った。 「このまま君の中にオレの指を入れるとどうなるかな。それが動いて中のイイ所を刺激されたら？　頭が回らなくなるだけで済むかい？　指、何本まで耐えられる？　三本かな？　それとも四本？」 　後孔の縁を撫でられ、息を呑んだ。 　親指の先をほんの少しだけ潜り込まされると、ゾクゾクとした悪寒めいた快感が背筋を駆け上っていく。 　腰の奥が重くなり、脳まで快楽に支配された気がした。 「ひっ、あ……あああ⁉︎　嘘。嘘……っだ」 　内部が収縮し、朝陽の体がビクビクと戦慄く。 「んっ、んんんー！」 　荒い息を肩で押し殺して、何が起こったのか回らない頭で必死に思考を巡らす。 　言葉で齎せられたイメージだけで中イキしてしまった。 　信じられないといった表情で朝陽が晴明を見つめると、晴明が微笑んだ。 「凄い。本当に想像だけでイけたね。少し妬けるけれど」 「人の体で遊ぶなっ」 　信じられないのは朝陽も同じだった。 　まさかそれだけでイクとは思いもしていなかった。 　この上ないほどに羞恥心を煽られてしまい、朝陽は顔の上に両手の甲を乗せて表情を隠す。 　地に埋まりたい程恥ずかしかった。 　が、その手は晴明に退けられる。 「駄目だよ。隠さないで。感じてる顔も全て見せて。朝陽はオレだけを見ていて」 　——名前……教えたっけ？ 　止まっていた愛撫を再開され、朝陽はまた余裕がなくなった。 「ん、ん、っ、ん……ッう」 　晴明に触れられる所全てが気持ちよくて、発情中で敏感になっている神経には過ぎた快楽だった。 　下半身が疼いて仕方ない。 　それなのに晴明は性感帯には触ってくれずに、朝陽は悶々とさせられてしまう。 「晴明……っ、もう……」 「ちゃんと触って欲しい？」 　小さく頷くと、胸元にある突起を口に含まれた。 　かと思えば下肢にも手を伸ばされ、首を擡げはじめている陰茎を掌で包み込まれる。 　突然訪れた直接的な刺激に、朝陽の腰が反り返った。 「あっ、あ、ああ！」 　何度も手を上下に往復され、舌先で胸の突起を苛められる。 　絶頂に至るまでもが早かった。 　あっという間に吐精させられ、ハッハッと息を吐く。 「ふふ、今度射精管理でも覚えさせてみようかな」 　サラリと不穏な言葉を紡いだ晴明が、朝陽の後孔に指先を潜り込ませた。 　先程の想像以上の刺激を感じて、短く悲鳴を発する。 　ただ指を入れられただけでこうなるのなら、この先どうなってしまうのだろう。 　朝陽は未知なる快楽が怖くなった。 「待って……っ、晴明……、お願い、待ってくれ」 「どうして？」 　怖いとは言えずにソッと視線を逸らす。 　その間に指を一本増やされてしまい、朝陽は大きく体を震わせた。 　抜き差しされている指が前立腺を掠める。 「あっ、あああ！」 　自分自身の甘ったるい声がやけに響いて聞こえて、耳を塞ぎたくなった。 　グチュグチュと音を立てる後孔にはもう四本も指を入れられている。 　その後の展開は嫌という程知っていた。 「ダメ、だ……っ、これ……ダメ」 　肉感のあるモノを押し当てられた時には、もう芯から肉体をグズグズに蕩けさせられていて、動くのも億劫だった。 「晴明～……」 「気をやるには早いよ朝陽」 　口付けられながら、ゆっくりと挿入される。 「んんんん～っ、晴明……っ」 　焦点を結ばなくなってきている朝陽の瞳が空を彷徨う。 　晴明の陰茎が、朝陽の内部のイイ所を掠めると朝陽が吐精した。 「そんなに気持ち良かった？」 　コレが、と言う言葉と共に陰茎で思いっきり前立腺を刺激され、朝陽は四肢を硬直させた。 「ひっ、ん、アッあああー！」 　二度目の吐精と共に律動を開始されて、朝陽は髪を振り乱して頭を左右に振り続ける。 　徐々に奥を開かれ、ついに最奥の手前まで入り込まれた。 「そこ、は……ッ、いやだ。晴明～……、いや、だ」 「ねえ、朝陽。それを言って誰か辞めてくれた人はいるかい？」 「い、ない」 　クスクスと笑う声が響く。 「だろうね。ここをいっぱい突いて虐めて欲しいって言ってるようなものだからね」 　晴明の言葉を聞いて、朝陽が晴明を見つめる。 「違っ、嫌だから……嫌って言ってるだけ、だ」 「そう？　ここに入れられるのはどうして嫌なのかな？」 「気持ち……良すぎて、頭っおかしくなりそうだから、嫌だ」 　晴明がゆっくり瞬きした。 　無言のままだったが、中に入っている晴明のモノがより大きく固くなったのが分かり、朝陽は慌てて逃げ腰を打つ。 　上半身を捻った時に晴明に思いっきり腰を引き戻され、一息に奥まで突かれた。 　先端が結腸まで食い込んだが、動きは柔らかくて優しく中を擦られる。