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第4話
「お兄さん。おひとりですかぁ??」
ただでさえ、暑さにイラついているのにと思いながらも、日常茶飯事のそれを笑顔でお断りする。
「お兄さん、一緒にあそぼ♡」
イラつきがピークに達しようとしていた俺は、またもきた背後からのお誘いに、少しいつもより低い声でかつ、丁寧にお断りする。
「ちょっと友達を待っていてね、ごめ......」
後ろを振り返ると、そこには肩を出しパンツを見せたいのではと思う程短いスカートを履いた女の子....ではなく、見るだけでイラつく顔がそこにあった。
「桔梗くん。お待たせ。」
「.......................で、なんでこんなくそ暑い中俺は呼び出されたわけ?」
堂々と遅刻してきた、皐月は悪びれもせず、にたにた笑っている。
そんな顔にもまたイライラしながら、俺はさっさと帰る為に要件を聞き出す。
「.........................は?むり。」
断固拒否する俺を、強引に引っ張っていく皐月。
拒否し続ける体力も勿体ない。
俺は、されるがままになる事にした。
着いたそこは、至って普通の居酒屋。
中に入り、店員に通される先には、4人の女の子と、男の子が2人。
そう、俺は合コンの数合わせにわざわざこんなくそ暑い中呼ばれ待たされたらしい。
「おい、俺らだいぶ浮いてね?」
隣にいる皐月にだけ聞こえる声で、耳打ちする。
「......まぁ、大丈夫だ」
適当に流すそいつに少しイラつきながらも、目の前に座る女の子達に笑顔を振りまく。
余所行きの笑顔を。
俺が浮いていると思ったのも必然だと思う。俺と皐月以外はみんな大学生らしい。
約10歳離れている。
はぁ、めんどくさい。
早く帰って寝たい。
「棗さんは、どんな女の人がタイプなんですかぁ??」
面倒くさすぎる...。
そう思いながら、自分の中のテンプレートの中から選んだ言葉を口に出す。
「俺のタイプねぇ、気にな「ゴンッッッッッッ!!!!」」
騒々しかった場に、なにやら物騒な音が響く。
音のした方を見ると、男の子が1人潰れてしまったらしい。大変だなと他人事のように思いながら、目の前にあったコップに手を伸ばす。
「すいません!!!!!!!!!!」
コップを掴もうとしていたその時に、個室の扉が勢いよく開いた。
そこには、見たことあるような顔。
まぁどうでもいいか、そう思い考えることをやめた俺を見つめ、勢いよく扉を開けた青年が言葉を発する。
「漱石さんだぁ!!!!」
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