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第13話

「............あの。」 「ん?」 「漱石さんって。いや、やっぱなんでもないです。」 「えー。なんだよー。教えてくれないと、もうご飯持ってかないよ?」 「それは狡いですよ...。」 「漱石さんって、いや、あの、小説読んだ感想だと思ってくださいね?」 突然、言い吃る百合斗くんに対し、次はこちらの頭の上にはてなが浮かぶ。 「漱石さんって、結構、け、経験、、経験豊富ですよね........?」 .....経験豊富?経験豊富ってどの経験? いや、小説の感想からの、この流れはそういう経験豊富しかないんだけどさ。 百合斗くんを見ると、言ってしまった...とでも思っているのか、気まずそうな顔をして俯いている。 「いや、あの、、、なんかすみません、、。」 「....................はははっ!!」 「なあに?それ言おうか迷ってたわけ?」 みるみる、顔が赤くなっていくのが面白くて、ついからかってしまう。 「んー。経験豊富かぁ。どうだろ。.......どう思う?」 昔、めちゃくちゃ遊んでたしなぁ。 正直、人並み以上だとは思う。 「え!?ここで質問返しします??」 「えー、いやまぁ、俺よりはよっぽど.....」 「まぁ、百合斗くんより沢山生きてるからねぇ。」 「経験豊富かは、分からないけど、それみたいに百合斗くんのこと、満足させる自信はあるよ?」 「?」 またもや、百合斗くんの頭の上にはてなが浮かぶ。 クイッと顎でその小説を指すと、彼もまたそこに視線を向ける。 見た瞬間、意味を理解しまたもや林檎のようになる。 「なっ!!、、何言ってるんですか!!」 「えー、俺答えただけなのにー。」 「ご馳走様でした!タッパは明日、洗って返します!」 タッパを持ち、そそくさとキッチンへ逃げてしまう。 からかいがいしかないな。 焦っている百合斗くんを思い出し、つい、思い出し笑いをしてしまう。 はー。かわい。 まだ、笑いが治められず、口角を上げながら、百合斗くんの部屋を後にする。 自室に入り、一息つく。 次、なんのやつ貸してあげよっかな。 と言っても、そんなに出している訳でもないので、あと数冊貸したらもう貸すやつもない。 隙間の無い、本棚を吟味しながら、次貸す本を選ぶ。 * 「もしもし。」 「お前、今日暇?」 「忙し」「12時くらいに迎えに行くわ。」 え、なんなのこの人。 朝っぱらから電話をかけてきた上に、人の話も聞かない。

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