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第17話

それと、今の話を聞いて、俺の頭の中に彼が浮かんできたこともまた決定打だ。 「今まで、桔梗ちゃんとした恋愛してこなかったしなぁ」 「人生って短いんだよ。意外と。思ったことは素直に伝えとけ。」 ゴクリと1口、目の前にあるビールを一飲みし、何処と無く眺める。 意外と盛り上がった話を肴に、酒を飲んでいたらしく、酔いがだいぶ迷っていたことに今になって気付く。 「てかお前、酒強くないのにそんなに飲んでだいじょぶそ?」 「ん。....................ゴン!」 頭の鈍痛と共に、奥の方で楓が面倒くさそうにこちらを見て文句を言っている声が聞こえる、ような気がする、、。 ねむ。 次の時にはもう、俺は夢の世界に飛び立とうとしていた。 グダグダと文句を言う、皐月に抱えられながら、俺は帰路に就いていた。 家の前まで着くと、ポイッと投げ捨てられる。 長年住んできた、アパートの階段を拙い足取りで登り、開き慣れた手摺に手をかける。 ガチャりと扉を開くと、ぼやける視界の奥には、百合斗くんがいた。 あれ?百合斗くん? 泥酔状態の俺は、正常な判断なんて出来ない。 夢か。 靴を脱ぎ捨て、驚きを表情を浮かべたまま、固まっている彼に近付く。 「ただいまゆりとくん」 「あ、え、おかえりなさい?いや、え!?」 夢の中でも可愛いなぁと思いながら、彼の頬に手をつける。 冷えきった手に、彼の体がビクッと揺れる。 「ひぁっ」 つい出てしまったのだろう声に、照れて顔を覆い隠すが、覗く耳が真っ赤な事は、言わないであげよう。 「ふふ、かわいいねぇ」 どうせ、夢なら。 そう思った瞬間に俺の中で何かのたがが外れた。 「ゆりとくん」 そう言い、覆い隠してる手をどけ、彼の唇に自分の唇を重ねる。 「ッん!そ、漱石さっ!!」 夢の中でまで漱石と呼んでくる彼が気に食わなく、すかさず舌を入れ込む。 上顎を舌でなぞり、綺麗に整っている歯をなぞる。 冷めきった体表とは裏腹に、口内は熱を持つ。 2人の唾液が混ざり合い、淫らな音を部屋に響かせる。 「ンッ、、まって、、ッ」 力の入っていない制止する手を、押さえつけ、息をする暇を与えず、口付けを交わす。 ふとした隙に、ガシッと肩を捕まれ、漱石さん!と呼ばれる。 「..............................。」 ねむい。 次の瞬間、意識が遠のき、夢の中でまた眠る。

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