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第22話

そう言って連れられてきたかと思ったのは猫カフェ。 不本意ながら、猫に囲まれ癒されている俺。 「かぁぁわいぃぃ、、、。」 猫吸いを満喫していると、隣から声をかけられる。 「お兄さん達、猫ちゃん好きなんですか??」 「あー、はい。」 声を掛けてきたのは、女の子2人組。 猫が好きだから来てるんだろ、と少し心の中でツッコミを入れながらも、場を悪くしないように社交辞令の笑みを浮かべる。 どうにかしろよと、言わんばかりに隣で猫に囲まれている皐月の腕を腕でぐいっと押す。 皐月は、こちらをちらっと見て小さな溜め息をもらし、女の子達に悩殺スマイルをお見舞する。 「お姉さん達。俺たちみたいなおっさんじゃなくて、目の前の猫ちゃん達可愛がってあげてください。」 整った顔面から、放たれる悩殺スマイルを受けて女の子達はキャー!と小さく叫ぶ。 いつもなら、ここで大体事が収まるのだが、どうやら今日はなかなか手強い相手らしい。 「お兄さん達、イケメンですね♡♡」 「お幾つなんですかぁ??」 「ははっ、内緒〜。」 相手は、皐月に任せ、俺は癒しを求め猫達が集まっている場所へ向かおうとする。 しかし、それを逃してくれないのが女の子というものだ。 「そっちのお兄さんも一緒にお話しましょうよ!!」 「ははっ。俺、彼女いるから女の子達とあんまり近くにいたら怒られちゃうんだよねぇ...。」 彼女ではなく、彼氏だが同じようなもんだろう。 適当に言い残し、その場からさっと逃げる。 「はー。もっと満喫したかったのに...。」 「しょうがないこれに関しては。」 猫カフェから出て、ぶらりと外を歩く。 「桔梗お前なぁ。もうちょっと表情作れよ。」 「嫌そうな顔滲み出てたよ。」 「あー、まじ?はぁ、もう表情作んのもだるい...。」 「しかもお前彼女いないじゃん。嘘は良くないぞ〜。」 「あのままにしてたらお前ま後悔してたぞ。」 彼女ってのもあながち嘘じゃないし... 心の中で呟いたつもりが、声に出していたらしく、それを皐月が聞き逃してくれるわけもなく... 「え?なに?彼女出来たわけ?」 「いや、いないけど。」 食い気味でそう答えると、皐月はこちらを見つめ黙る。 「あー。あの子か。」 勘のいいこいつの事だ。 何か嫌な予感がし、歩く足を早める。 しかし、長い足ですぐに追いついてくる。 「あの隣に住んでる子でしょ。」 別に隠していた訳でもないし、バレたくない訳でもないが、どこかバツが悪く無視をし歩き続ける。

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