27 / 36

第27話

「、、!?」 「え、あ、え!?あの夏目先生ですか??!?」 「あ、知ってた?」 「いや、知ってたというか大ファンです...。」 彼女は頬を赤く染め、早口で愛を伝えてくれる。 普段の彼女からは想像できないのか、男子軍は彼女の様子を見て呆けている。 彼女は、この作品のここが好きだとか、あそこの表現が良いなど、とてもこと細かく知ってくれている。 嬉しさからつい笑みが漏れてしまう。 あ、そういえば。 百合斗くんの服の裾をクイッと小さく引っ張る。 「どうしたんですか?」 「今日夜ご飯食べに来る?」 誰にも聞かれないように小さな声で会話を交わす。 満面の笑みを浮かべ、頭を上下に振る。 まるで、しっぽをぶんぶん振る犬みたいで、つい笑いが漏れる。 「じゃあ、俺行くね。」 タクシーが近くの道際に止まり、俺は挨拶をしその場を去る。 「あ、運転手さん。近くのスーパーまでお願いします。」 * 「うーん。やっぱりこっちかー?」 目の前には、試作で作ったデミグラスソースとホワイトソース。 夜ご飯は、オムライスにすることにした。 だか、ソースをどっちにするかが決まらない。 「んー。やっぱこっちか。」 結局は安定のデミグラスソース。 あの後、改めて連絡を入れると、19時過ぎに来るらしいので、それまで準備をしておく事にした。 今はもう18時半なので、そろそろオムライスを作り始めないといけない。 ちょうど盛り付け終わったとこで、玄関のチャイムがなる。 玄関のドアを開けると、冬の寒さで鼻と耳が真っ赤に染まっている百合斗くんが立っている。 「いらっしゃい。」 「お邪魔します。」 未だに緊張している彼を見て、逆に気が抜けてしまう。 彼の前に、オムライスを差し出すと、また子供のような表情をする。 「オムライス!しかも、なんかオシャレ!」 「ははっ。可愛いねぇ。」 大きな口を開け、オムライスを頬張る彼を見ながらそう言うと、たちまち彼の顔は赤く染る。 「ゲホッ!ッ!...可愛くないです...。」 どうやら、百合斗くんは可愛いと言われるのがあまり好きでは無いらしい。 色々話をしていく中で、昼間の話になる。 「あの子たちがいつも一緒にいる子達??」 「んー。まぁ基本?」 「あ、お仕事お疲れ様でした。」 「百合斗くんも学校お疲れ様。」 「そういえば、あの読書少女なんて名前の子なの?」 読書少女?と言いたげな顔をする百合斗くんだが、直ぐに誰のことか分かったらしく、少し不満そうな顔をしながらも教えてくれる。

ともだちにシェアしよう!