「………。漱石さんは？」 「えっ俺？俺は、どっちかと言うと入れたいけど…。」 「…………。じゃあそうしよ。」 「大丈夫？俺が言うのもあれだけど、結構入れられる方って大変だよ…？準備とか…。」 「………うん。」 「……。まぁ、百合斗くんがいいなら俺は嬉しいけど…。とりあえず、今日は最後までやんないから安心して。」 「えっ！…………………うん。」 「入れるだけがえっちじゃないからね。百合斗くん、後ろ向いて腰上げてくれる？」 「ん？あ、うん。」 俺に背中を向け、おしりを突き出している彼を見て、つい手が出てしまいそうになる。 「足閉じててね。」 「？うん。…んｧｯ!?」 彼の太腿に俺のを差し込む。 彼のと混じり合いクチュクチュと卑猥な音が部屋に響く。 「んｯ。ｱｯ！…やめｯ…ﾝｯ」 「ﾊｧｯ…。気持ちいね。」 耳まで真っ赤になった彼の背中をつーっと指でなぞると、彼は身体を震わせる。 「それｯ！やめｯ……………ｯ!!」 「……ははっ。グチョグチョだ。」 「〜〜〜〜〜ｯ!!意地悪!!」 またプクッとむくれている彼の太腿やお腹を拭く。 「もう、真っ暗だね。泊まってく？」 「ｯ〜〜〜。帰りますｯ！」 そう言い、せっせと服を着て、立ち上がる百合斗くんの手をグイッと引っ張りチュッとキスをする。 「じゃあ、また今度ね。」 「……また今度。」 勢いよく飛び出していく、彼の背中を後にし、笑いが込上げる。 「かわいー。」 * 「････ｲ････････おーい。聞いてる？」 「………ん、あ？なに？」 「だからぁ、もう少しでサイン会じゃん。その時のお前の動きの話してたんだけど。」 「あー、サイン会、」 はぁ、昨日まではあんなに可愛い恋人とあんな事やこんなことしてたのに日跨いだらもうこれかよ、、。 「お前さぁ。乗り気じゃないのな分かるけどこれ一応仕事な？」 「……………やるからにはちゃんとやるよ。」 「まぁ、それならいいんだけど。てか、もう来月だからな？」 「まじ？やだなー。」 「分かった分かった。とりあえず、当日の大体の動きとか書いてあるからこれ見といて。」 「りょーかい。」 「あ、桔梗この後空いてる？」 「……何？」 「そんな警戒すんなよ。ちょっと、付き合って。」 * 「なんだよ。brilliantかよ。」 「そー。俺が飲みたかったワインたまたま入ったらしくて。」 重い扉を開け、ズカズカと中に入っていく皐月の背中を追う。 正直、百合斗くんと恋人になってからハッテン場としても利用されてるここにはあまり来たくなかったのだが、ママにもお世話になってるし、仕方ないか。