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第6話 #由磨side
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突然の由妃からの連絡はあまりにも驚きの内容で、僕はスマホを落としそうになった。
あの日、僕が高校を卒業する頃両親に聞かされた話。
あの時、両親と約束した事がある。
真実を知ってしまったからこそ僕はもう由妃の側にはいられないと思った。この気持ちを隠して生きるなんて到底無理だった。だからこそ、由妃から離れる事にしたんだ。
両親には「由妃にはこの事は絶対に話さないで。それと、由妃は危なっかしいから絶対に目を離さないで、お願い」と約束していた。
それなのに…………一人暮らしだと?
話が違うじゃないか。
明日由妃に会って話を聞かなくては………
僕が真実を知ってからも由妃と数年間一緒に暮らした理由は、由妃が高校を卒業するまでは見守りたかったから。
危なっかしい由妃が何不自由なく暮らせるよう、実はこっそり由妃を守っていた。由妃は相変わらず無自覚に人を魅了する力があり、何度か危ない街へ連れて行かされそうになっていた。その時は通行人と思わせて由妃からそいつらを離し、事なきを得た。
……それも高校まで。
大学に入学してからは、由妃に矢島という男が纏わりつくようになった。
そう、矢島は由妃が小学生の頃の同級生。そして由妃をからかっていた張本人だ。
帰宅する度に両親に矢島との学生生活を話していた由妃は、嫌がる素振りも見せずむしろ楽しい大学生活を過ごしているようだった。僕はそれをいつもこっそり盗み聞きしていた。
矢島は小学生の時こそ嫌な奴だったが、今はすっかり由妃の良き友人のようだった。見た目も派手で口も達者。話上手でみんなの盛り上げ役。友達も多いが由妃とは親友のようだ。
そんな矢島のお陰か、由妃は変な輩に目をつけられず平穏に大学生活を送っているようだった。
不本意だが矢島のお陰で、安心して由妃の元を離れる決心がついた。
それが僕が大学を卒業する頃の話。
就職を機に一人暮らしを始める事は前々から決めていた。これ以上由妃と一緒に暮らしていては自我を保てそうになかったからだ。
年々増していく由妃の色気に、毎日耐えるのに
必死だった。
そうして由妃と離れて暮らして2年。
実家には一度も帰らなかったが、由妃からの連絡は必ず返信するようにしていた。
そんな由妃が一人暮らしだなんて…………
………危険すぎる。
卒業して矢島がいなくなった今、由妃を護る奴がいないじゃないか。
僕は意を決して2年ぶりに由妃に会う事にした。
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