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第8話 #由磨side
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由妃との待ち合わせには少し早く着いた。
30分前には駅に着き、手持ち無沙汰にぼーっとしていた。
これから由妃に会うのか…
冷静でいられるか心配だな……
そんな不安を抱えながら気づけば待ち合わせ時間間際。そわそわしながら由妃を待っていると、近くから聞き慣れた声が聞こえた。
「…っや、離してください。誰ですかっ」
………由妃?
久しぶりに聞く由妃の声は、相変わらず透き通っていて耳障りの良い声だった。
………っと、今はそんな事はいい、由妃が危ない。
由妃は知らない男に腕を引っ張られどこかへ連れて行かれていた。
「チッ………」
走って追いかけようとしたがタイミング悪く信号が赤になり向こうへ渡れなくなった。それにここは交通量が多く、無理に渡ろうとすると確実に車に轢かれる。
早る気持ちを抑えきれず、今か今かと信号が青になるのを待った。
そして信号が青になった瞬間全速力で走り出した。
待ってろよ、由妃………
僕が必ず由妃を護るからな………
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