**** 「あっ…あっ………んぅ……」 これは誰の声だろう…… 男の笑い声も聞こえるな…なんでだろう…… あれ？さっきまで由磨と一緒だったのに…… なんだか身体中が痛いな…… 身体も上手く動かせないや…… 苦しいよ…寒いよ…… 由磨……… **** 由磨と家の前で別れる時、会社まで送ると言って聞かない由磨に、仕方なく車で送迎してもらった。 初めての研修も、同期との交流も、何とか上手くいき、ニマニマしながら帰路に着いた。 …はずだった。 そこからの記憶があまりない。 由磨に電車には乗るなと言われていたから、タクシーを捕まえようと大通りに出たはずなんだけど…… そうだ！お兄さんに道を尋ねられたんだ。 それで、案内しているうちに急にビリっと身体に電流が流れて……… ……… ……僕はまた捕まったのか？ これは現実なのか？ そんなっ……… 今日の晩御飯は由磨のハンバーグなのに…… 家に帰りたい……… どうして僕ばかりこんな目に…… もう嫌だ…‥嫌だよ……