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第25話 妻が好き過ぎて泣きたい3 センリside

 番の契りの再現を仕切り直すために、ヒロキをうつ伏せに寝かせ…  センリは背後からゆっくと、自分のペニスを暖かな蜜壺(みつつぼ)の奥へと挿入した。  数えきれないほど、何度も、何度も… ヒロキを抱いているというのに…  今夜は酷く緊張し、センリは自分の唇をなめて濡らすと、強張ってしまった身体をリラックスさせようと深呼吸した。 <まるで、童貞に戻った気分だ!! クソッ…!!> 「ヒロキ… 久しぶりだから痛くないか?」  以前、抱いた時よりも、ヒロキの蜜壺の中にギチギチと抵抗を感じ…  背後からヒロキの耳元に唇を寄せ、センリはおずおずとたずねる。  元々、ヒロキとセンリとでは体格差もあるが、アルファであるセンリの性器はベータやオメガなどとは比にならないほど、太く、長く…   サイズ的にも別格で大きい。  淫密(いんみつ)が多量に出て、ベータ男子などよりは比較的、ペニスを受け入れやすいオメガとはいえ…  男性のヒロキの蜜壺は、受け入れる時の負担が大きかった。 「んんっ… 大丈夫だよ、センリ… ああっ…!」 「本当か? 頼むから無理しないでくれよ? ヒロキが教えてくれないと、本当にオレには分からないからさぁ…」  自分でも嫌になるほど、センリの声は自信無さげで弱々しかった。 <とにかく、やり過ぎない様に気を付けなければ!>  泥酔しそうなヒロキの濃厚な誘惑フェロモンで、暴走一歩手前の性欲をセンリは何とか抑えた。   <クソッ… こんなことなら抑制剤を飲んでおけば良かった!!>  後もう少しでヒロキの中にペニスが全部入るというところで… センリは気が緩み、いつもの調子で、グイッ… と一気に最奥を突くように押し込んだ。   「あぁぁぁっ…! んんっ…!!! うう…っ… くうっ… うう!!」  ヒロキが小さく叫び、うめき声をあげ…  ハッ… とセンリは息を呑み、<しまった!> と悔やんだ時には少し遅かった。  「ヒロキ?! 大丈夫か?!」  うめいたヒロキの声に苦痛が混じっていると感じて、センリはピタリと動きを止め、身体を強張らせた。 「うう…っ… 大… 大丈夫だよ…!」  ヒロキはそう答えたが、センリは直感的にウソだと思った。 「ゴメンよ、ヒロキ…!」  女性たちとそれなりに経験があり、自分のセックスに対して、絶対的な自信があったセンリは… 恐ろしい事実に気が付いた。  今までにもちょくちょく、こうしてヒロキが痛みを感じることがあったのではないか? と。  当然のことだが男と女ではベータでもオメガでも、身体の構造が基本的に違うのだから…  女性ばかり相手にしてきたセンリの経験は、挿入時にはあまり当てにはならない。  アルファの傲慢が、センリの目を曇らせていたのだ。 「センリは心配し過ぎだよ…」 「本当は痛かっただろう? ヒロキ、ごめんな気付かなくて… これからはもっと優しくするから、(あき)れないでくれよな?」 「呆れていないよ… 確かに今のは痛かったけど、毎回必ず痛くなるわけでは無いからさぁ?」 「うん…」 <やっぱり、今もだけど痛かった時があったのか!! ああっ オレは本当にクソ野郎だ―――っ!!> 「いつもはすごく気持ちが良いし… センリはちょっと、エッチなことばかり言うから… 後で思い出して恥ずかしくなるけど… でも気持ち良いから大丈夫だよ?」 「うん」  ヒロキが伸ばしたほっそりと優雅な手に、センリは頬を撫でられる。  一生懸命、ヒロキに励まされ、センリは増々情けなくなって来た。 「もうセンリ、こんな時に落ち込むなよ~っ!」 「ゴ… ゴメン…!」 <そうだ、落ち込んでいたら名誉挽回(めいよばんかい)出来ないぞ?!>  チュッ… チュチュウ… と夢中でヒロキの首筋や頬、耳や肩にキスを落とした。 「ヒロキ、ゴメン! もっと大切にするから、オレ、もっとヒロキを宝物みたいに大切にするから、今までのこと許して!!」  繊細さの足りないセンリは必死だ。  アルファはいつでもオメガを支配する側であるように見えるが…  実際はオメガに溺れ、真に運命の番を見つけると、強い執着に囚われ心を支配されるのだ。  幸か不幸か? 今のセンリがその状態だった。 ☆次回で最終話になります。

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