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第26話 押せ! 押せ!

 夕べの余韻に浸る俺たちはなかなかベットから出ようとしなかった。 その行為自体より触れていたかった 互いの顔を見つめては、泣いたり笑ったり抱き締め合っていた。 満足なんて言葉は、今の俺たちにはない!のだ!って言う気持ちはあるのだか……俺の腹の虫は黙ってはいなかった。我慢するんだ! こんないい感じの時に!また鳴いた~クウ~畜生~黙腹の虫寝てろ!ぐぅ~~。 薫はゲラゲラ笑い出した。 「もう黙ってはくれないね。僕もお腹空いた。久しぶりに一晩中運動為てたからね、さあ朝食の支度するぞ! 簡単なのもだけどいいよね。すぐだから、誠は顔洗って口ゆすいで待っててね」 薫はクロワッサンサンドとサラダ、 カフェオレを出してくれた。 普段からやっているらしく手際が良い。 「良くやるな」 「だって挟んだだけだよ」 「いやいや感動してる! 美味しいよ。 だからねぇ~とりあえず今日から俺の部屋に来てよ。ねっ!そして落ち着いたら広いとこ探そう」 「誠? だからねぇってどんな脈絡? 意味不明ですよ。それにちょっと性急すぎるなぁ……」  「そうかなぁ……俺は一刻も早く暮らしたい。急ぎすきだなんて思わないぞ」 俺は薫の気が変わる事が怖かった。 俺の本心は、今日中に引っ越しさせたいくらいなんだから。 然しそれはいくら何でも薫に怒られる事ぐらいは判る。 「いいだろう~薫~それにさ、俺の家の方が会社に近いし。広いし。 一緒にいたいし!!」 最後の一緒にいたいが効いた。  薫はおれを抱き締めると、スーツ一式を何着かと下着靴下 靴 ベルト ネクタイ ワイシャツ、普段着を車に積んでくれた。 一応これだけあれば暫くは大丈夫だな。薫有難う! 心決めてくれて。 俺たちこれから楽しくなる。 わくわくするじゃないか。 なぁ薫さん!

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