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第29話 見てろ俺の本気度を!

 月曜日薫は朝食の順。 俺は髪の毛を弄っている。 「誠食べよう! 時間が~セットは後にしてよ~」 薫がセットしている手を後から摑み 抱き締めてくる。 「判った。判ったから離して~」 「駄目、キス為てくれなきゃ離さない~」 勿論しますよ。濃厚なキスを。 そんなことしているから、後がバタバタになる。が、それも楽しい。 さっさと食べ、超特急で片付けなんとか家を出た。 「今日はお昼ご飯は屋上にする? だったら途中で弁当買うか?」 「う~ん~それなら午前中外廻りだから僕が買っておくよ。美味しお弁当売るワゴン知ってるから」 「へぇ会社の近くか? どの辺? あああのビルの前ね。見たことあるかも。じゃあ楽しみにしてな。それから屋上に行くときライン為て!」 「うん! 判った!」 キラキラした薫の笑顔が、俺の隣にあって、それにいちいちドキドキする俺がいる。もの凄く新鮮に思える。  会社に近づくにつれて、薫の緊張が伝わってくる。まともに俺をを見ようとしない。 「物凄く緊張してきた。どうしよう心臓が飛び出しそう……」 独り言のように呟く薫。 「意識し過ぎだ。俺たち何れ一緒為るんだから。知られて良いんだ」 「そうだね。うん頑張ります」 地下からビル内に入り、エレベーター に乗り込むと最早、他人同士の距離感。 「あっ! 春木さん! おはようございます。地下からなんて珍しく無いですか?」 「うん。昨日会社の帰り、高校の時の親友と会ってさ。物凄く盛り上がって……そしたら終電逃して。でっ、泊まらせて貰ったんだよ」 「ほ~良いですよね。その頃が自分も一番楽しい時でした。でも几帳面な春木さんには珍しいポカでしたね」 薫はうんうんと頷き、部下らしき社員と笑いながら降りていった。 なんとか頑張っていた薫だが、昨日は日曜だぞ薫! 辻褄合ってなかったけど……まぁご愛嬌だ。 「今春木さんって言ってたよね。見た? 私初めて見た! 綺麗だよね~超美人だよね! あのサラサラツヤツヤの髪~ 少し長めがまた良い!」 「それに脚の長さ見た? 半端ないね。もしかしてハーフなのかな? また眼差しが優しくて、部下の人少し赤くなってたよ。あれは罪です!」 何処ぞの女子社員の皆様。 俺は言いたいぞ。その美人は! その綺麗な人は俺の俺の恋人ですから! そしてですね。俺にぞっこんです! えっ? でも……部下の人赤かった?  本当? 心配だ……ライン入れるか~ どする俺。一応入れとくか……痛っ……誰? 「おはようございます! 課長! なに朝からそわそわニヤニヤ為てるんすか? ちょっとしっかりしてくださいよ~ 降りますよ!」 膝カックンなんてする奴はあいつぐらいだ。振りえると案の定、背後にビダッとくっいているのは八田だった。 「混んでもいないのにくっ付くなよ。 それにニヤニヤなんか為てねぇよ。馬鹿野郎」 「いやいや、俺の目は節穴じゃないんでね。会議終わったら尋問しますよ。 覚悟して下さいね。でもとりあえす月曜会議やっつけますよ!」 判ってる俺の苦手な月曜会議! でもこれからは大丈夫。ぼはっとなんてするものか。だって昼休みは薫と満喫したいじゃないか。そのためには全力投球為ますから。 驚くなよ八田! 俺は行けるぞ。

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