28 / 36
第29話 見てろ俺の本気度を!
月曜日薫は朝食の順。
俺は髪の毛を弄っている。
「誠食べよう! 時間が~セットは後にしてよ~」
薫がセットしている手を後から摑み
抱き締めてくる。
「判った。判ったから離して~」
「駄目、キス為てくれなきゃ離さない~」
勿論しますよ。濃厚なキスを。
そんなことしているから、後がバタバタになる。が、それも楽しい。
さっさと食べ、超特急で片付けなんとか家を出た。
「今日はお昼ご飯は屋上にする? だったら途中で弁当買うか?」
「う~ん~それなら午前中外廻りだから僕が買っておくよ。美味しお弁当売るワゴン知ってるから」
「へぇ会社の近くか? どの辺? あああのビルの前ね。見たことあるかも。じゃあ楽しみにしてな。それから屋上に行くときライン為て!」
「うん! 判った!」
キラキラした薫の笑顔が、俺の隣にあって、それにいちいちドキドキする俺がいる。もの凄く新鮮に思える。
会社に近づくにつれて、薫の緊張が伝わってくる。まともに俺をを見ようとしない。
「物凄く緊張してきた。どうしよう心臓が飛び出しそう……」
独り言のように呟く薫。
「意識し過ぎだ。俺たち何れ一緒為るんだから。知られて良いんだ」
「そうだね。うん頑張ります」
地下からビル内に入り、エレベーター
に乗り込むと最早、他人同士の距離感。
「あっ! 春木さん! おはようございます。地下からなんて珍しく無いですか?」
「うん。昨日会社の帰り、高校の時の親友と会ってさ。物凄く盛り上がって……そしたら終電逃して。でっ、泊まらせて貰ったんだよ」
「ほ~良いですよね。その頃が自分も一番楽しい時でした。でも几帳面な春木さんには珍しいポカでしたね」
薫はうんうんと頷き、部下らしき社員と笑いながら降りていった。
なんとか頑張っていた薫だが、昨日は日曜だぞ薫! 辻褄合ってなかったけど……まぁご愛嬌だ。
「今春木さんって言ってたよね。見た? 私初めて見た! 綺麗だよね~超美人だよね! あのサラサラツヤツヤの髪~
少し長めがまた良い!」
「それに脚の長さ見た? 半端ないね。もしかしてハーフなのかな? また眼差しが優しくて、部下の人少し赤くなってたよ。あれは罪です!」
何処ぞの女子社員の皆様。
俺は言いたいぞ。その美人は! その綺麗な人は俺の俺の恋人ですから!
そしてですね。俺にぞっこんです!
えっ? でも……部下の人赤かった?
本当? 心配だ……ライン入れるか~ どする俺。一応入れとくか……痛っ……誰?
「おはようございます! 課長! なに朝からそわそわニヤニヤ為てるんすか? ちょっとしっかりしてくださいよ~
降りますよ!」
膝カックンなんてする奴はあいつぐらいだ。振りえると案の定、背後にビダッとくっいているのは八田だった。
「混んでもいないのにくっ付くなよ。
それにニヤニヤなんか為てねぇよ。馬鹿野郎」
「いやいや、俺の目は節穴じゃないんでね。会議終わったら尋問しますよ。
覚悟して下さいね。でもとりあえす月曜会議やっつけますよ!」
判ってる俺の苦手な月曜会議! でもこれからは大丈夫。ぼはっとなんてするものか。だって昼休みは薫と満喫したいじゃないか。そのためには全力投球為ますから。
驚くなよ八田! 俺は行けるぞ。
ともだちにシェアしよう!