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第33話 俺の家族は……
俺達は昼少し前に実家に着き、家族から大歓迎を受けた。姉貴も今日ばかりは旦那に子供を預け前日から来ていたそうだ。
「ご無沙汰しております……おじちゃまおばちゃま。そしてお姉ちゃまもお元気でしたか?」
俺の家族は号泣だ。そりゃそうなるよ。
自分の息子は薫がいなくなってから、
死に体だった……そして自……未をやらかしたんだ二度も。
「本当に本当にご迷惑お掛けして……
ごめんなさい……」
泣き崩れる薫を抱き止めて、涙をぬぐってやる
「薫ちゃんは悪くないの。誰も悪くないのよ。お帰りなさい! 良く帰ってきてくれたね」
父親が、
「さあさあ奥に入って入って~良く顔を見せて~ねっ」
俺を立ちあがらせると、薫を抱き上げて奥に入っていった。
男泣き為ている親父がいるのに、姉貴と来たら俺の耳元で、
「なんで? なんで? かおちゃん格好良すぎじゃないの~お前には勿体ない!国宝級だよ!」なんて言いやがる。
「煩いよ! 馬鹿!」
なんて言いながら抱き締めてくれる姉貴は本当いつも優しい。
「薫~おいでよ」
姉貴は親父から引き離し、薫を抱き締める。
「お姉ちゃま~ただいま!」
「良いねぇ~薫のお姉ちゃまは気持ち良い~お帰りなさい! 待ってたよ」
「姉貴は抱き付き過ぎたぞ! 薫は俺の恋人!」
薫は微笑みながら俺に寄りそってくれるから、俺もすかさず抱き締めた。
「誠もかおちゃんも本当よかったね」
「さぁさあ食べよう!」
お膳には唐揚げハンバーグ餃子、コロッケ、肉じゃが漬物、サラダ、ぶりの照り焼き、刺身、おいなりさん。そしてお赤飯、お寿司と薫の好きなものばかりだ。
「ビールで良い?」
頷く薫……ビールで乾杯だ!
薫がそっと俺にお土産を見せる。
「母ちゃん! 薫がお土産」
「かおちゃん覚えていてくれたの?
おばちゃんたち此が大好きだった事!」
薫は可愛いく頷く。
姉貴はそれを見逃さなかった。
「薫! 可愛い~昔のまま~キスしたい」
「ダメダメダメダメ!」
ムキになる俺を尻目に姉貴は堂々と、
ほっぺたに何回も何回も為やがって!
「もう止めなさい! 誠が~ほら泣き出した~」
俺が吃驚。泣いてる~もう~なんで~恥ずかしい。まるで子供だよ俺は!
薫が引き寄せ抱き締めてくれた。
「まこちゃん? 泣かないの~ねっ」
「馬鹿だね誠は~泣く理由ないしょ」
姉貴はゲラゲラ笑っていやがる。
俺は薫の胸に抱き締められて甘えている。
「誠いい加減やめなさい! かおちゃん食べられないから離れなさい」
判ってるでも嫌だ。
俺たちは手を繋いで食べ始めた。
親父は薫に何皿も取り、姉貴は飲め飲めと煩い。
楽しそな薫がここにいる。
昔のままだ、昔のままじゃなくても良いんだ。
薫……幸せにするよ。
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