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第20話

初めてのバイトだというのに初日早々、一人で仕事を任された。 でもしかーし!目の前にLieNのコーナーがあるおかげてもう僕バイトなんて頑張れちゃう。 しかもLieNの隣には莉羽がソロで撮っている雑誌があってさらにモチベを上げてくれる。 バイトって幸せだな!ハハ! 「あ、あの……」 「は、はい!」 あれ放っておけばよかったんじゃないの? 僕、話しかけられても何も答えれないんだけど! でも分からないことあったら普通店員に聞くもんな。うん、そうだよね。でも僕わかんない…… 「お兄さんLieNのファンですか?」 へ……?なんでわかったの、お客さん。 まさか莉羽と同じで僕のエスパー!? 「なんでわかったんですか!?」 「さっきから愛おしそうにLieNのコーナー見つめてるから」 僕はそんなにわかりやすいのかと思ったら恥ずかしさで死にたくなる。 確かに拝んでた!拝んでたけど……そんな拝んでた? 「は、恥ずかしい……!すみません……」 「いえいえ違うんです!私もファンなので嬉しくて。ちなみにお兄さんは莉羽ファンでしょ?」 この人凄い……!凄すぎるぞ……! 「なんでわかったんですか!?」 「莉羽が載ってる雑誌をオタクな目で見てたから。ちなみに私は誰担でしょう?」 そんなこと言われたって……ん?これはリーダーのメンバーカラーじゃないか!ということは…… 「リーダー!」 「せいかーい!」 「やったー!リーダーのトーク面白いですよね。さすがリーダーだなあって思います」 「そうそう!トークが面白くて……ってごめんなさい!LieNのファンの方がいて嬉しくてつい……お兄さんがよかったらオタ友になりません?」 オタ友……?僕と?僕に友達!? 凛太郎しか友達がいない僕と!? LieNのおかげだ!LieNさまさまだ!ありがとう! 「僕なんかでよろしいんですか!?」 「え、逆になってくれるんですか!?」 「も、も、もちろんです!!!」 「初オタ友……嬉しすぎる!ありがとうお兄さん!連絡先を交換とか……」 「もちろんです!でも僕、今バイト中なのでID書いてもらっていいですか?バイト終わったら連絡します!」 こうして僕にオタ友というものができた。 凛太郎以外の友達。今までも友達はいたけど転勤族の僕には友達関係なんてもんはすぐ終わってたから。 こうしてオタクをしていると繋がりができる。 なんて素晴らしいのだ!素敵なのだ! LieNというアイドルに出会わせてくれて、オタ友に出会わせてくれて神様仏様閻魔様、感謝感激雨あられ!オタク万歳!

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