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第23話

『最近、大人気のLieNのメンバー拓也さんと莉羽さんに来て頂きました!食べ歩き企画〜!いえーい!』 ねえねえこれいつテレビで放送されるの? 録画しなきゃならないんだけど!?後で莉羽に聞こう! 「ゆっち……目の前に拓也が……」 「さーちゃん……莉羽が……」 久しぶりに見たせいか余計に莉羽が眩しく見えるのはなぜだろう。 僕達はさっき買ったグッズを出してオタクをアピールしまくった。 そしたらそれに気付いたのはリーダーだった。 「お?俺達のファンの子がいる。しかもちょうど俺と莉羽だ!ありがとねー!」 「ほんと……――!?」 莉羽と目が合った瞬間に「お前なんでいるんだ?」という鋭い目線が僕を襲った。 ニコッと返したらぷいっとそっぽを向けられてしまったけど少しでも莉羽を拝めて僕は幸せ……! 「ゆっちゆっち!私達に気付いてくれたね!」 「さーちゃん興奮しすぎだよ〜」 「だってするでしょ!?拓也が私に……いやああああ!好き……」 「僕だって莉羽に気付いてもら……え、僕は気づいてもらえてたの?え?あれ?」 「気づいてるって!元気だしなよ!」 いいよいいよ……そんな慰めなくても…… 莉羽を拝めただけで幸せだし……ふん! 撮影の邪魔をするのはよくないということで僕達は唐揚げ屋さんへと足を運んだ。 「え、なにこれ美味しい!」 「それな!話題になってたから気になってたんだよね〜」 「ストーリーにあげたいからゆっちポーズ決めてー!」 「任せろ!」 どんなポーズにしようかと悩んでいた時、足音が僕達の方へと近付いてくるのがわかった。 「キミちょっといいかな?」 こ、こ、この声はまさか!? 「り、り、莉羽!? な、な、なんで!?」 アイドルの莉羽だから顔はものすごくニコニコとしていた。 だがしかーし!!目の奥は笑っていない。 「今すぐ来ないならお前を殺す」と訴えられているみたいだ!ハハ!怖い!秒で行きます!でもその前に…… 「女の子1人で残すのは……」 「今俺達、休憩中だから拓也がもうすぐ来てくれるから拓也と待っててくれないかな?ごめんね?」 「は、は、は、は、はい!」 さーちゃんすごく嬉しそう。 そりゃそうだよね〜推しと一緒にいれるなんて幸せだよね〜わかるわかる。 「早く来い」という鋭い目線を察して莉羽の後ろをテクテクとついて行く。 よくわからない路地裏的な所に連れてこられた僕は目の前にいる莉羽をニヤニヤと見つめていた。 パシッ 「い、い、痛い……!」 「てめえがニヤニヤした顔で見てくるからだろ」 ハハ、いつもの莉羽だ。

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