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第34話

あれから月日が経って三年生になった。 あの日以来、莉羽とは連絡も取っていなければ会ってもいない。 来週から放送される莉羽のドラマ。 LieNも前より人気が出てきてかなり忙しそうな生活を送っていると……思う。 「最後の最後で同じクラスか」 「僕と同じで嬉しいでしょ」 「ただでさえ一緒にいる時間多いのに懲り懲りだわ」 凛太郎とは同じクラスになり莉羽とは離れた。 まあそもそも学校にすら来ていないし関係ないけど。 「お前らあれから1回も連絡取ってないのか?」 「取ってない。学校すら来てないじゃん」 「は?お前知らねえの?別室で勉強してるぞ」 「え、そうなの?」 僕と会うのを避けているんだろうか。 まああんな感じで喧嘩をすれば仕方ないのかもしれない。 けど今年はクラスも離れているんだから僕のせいでわざわざ別室になんて通わなくていいのに。 「てかお前の推しまたドラマ決まったらしいな」 「ああ、うん。ニュース見た」 「BL?ってよくわかんねーやつ」 「ボーイズラブだよ。男同士の恋愛」 「ふーん。あいつすげえな」 当たり前じゃないか!僕の推しなのに! まあ「推しだ!」とあんまり強く言えれなくなってしまったけど。 莉羽が出ているテレビはすぐチャンネル変えちゃうし、LieNの音楽が街中で流れたら耳を塞いでしまう。 莉羽のこと思い出しちゃうから。 「コンテストどうだった?」 「一次審査は通ったけどそこで終わった」 「あちゃー。まあ次があるよ」 「うん、ありがとう」 莉羽とは色々あったけど僕は絵のために頑張っている。 たくさんコンテストに出ては落ちてばかりだけど。 それと……絵以外にしたいことが1つ見つかったし。 「凛太郎は最近どうなの?恋愛とか恋愛とか恋愛とか」 「恋愛のことしか聞く気ねえじゃん。んーまあ別れた」 「は!? 激早じゃん」 「うるせえよ」 去年、いい感じだった子と晴れて付き合えることになった凛太郎は1ヶ月という早さで彼女とおさらばしたらしい。 僕が女の子だったら確実に凛太郎のこと好きになってたけどなあなんて思いながら一応「ドンマイ」と慰めを入れてあげた。 「で?別れた理由は?」 「見た目のくせして真面目だかららしい」 「は、なにそれ。面白すぎない?」 「こっちは全く面白くないつーの」 別れた理由が最高級に面白くて堪らない。 さすが凛太郎。僕の大好物なネタをわかってる。 「お前もさっさと彼女作れば?」 「人に興味ないから無理だよ」 「へえ、推しの莉羽くんにはあんなベタ惚れなのに」 なにか意味がある言葉な気がしたけどこの時は軽く流した。

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