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第35話

最近はLieNを避けていることもあってさーちゃんと会う頻度も少なくなっていたけど今日は久しぶりに会うことになった。 「ゆっちー!おひさー!」 「さーちゃん!久しぶり。元気だった?」 「元気ー!!」 忙しいを理由にLieNのことに触れないようにしてきたけど今日はどうしてもLieNについて語り合いたいらしくそれに合わせることにした。 「てか!莉羽またドラマ決まったらしいね!?」 「うん、らしいね」 「しかもBLでしょ?攻めかな?受けかな?」 「攻めか!」「受けでしょ」 「「え?」」 さーちゃんは莉羽を攻めだと言う。 けど僕は受けだと言った。 「はあ!? 莉羽はどう見ても攻めじゃない?」 ドラマの内容はわからないけど現実の莉羽で考えると莉羽はどう考えても……受けでしょ。 「現実の莉羽だと受けでしょ」 「現実でも莉羽は攻めだって!」 いーや、莉羽は受けだ。絶対に受けだ! どこからどう見ても受け顔してるもん。 可愛いし、背も僕より低いし……ってなんかこれ僕の願望みたいになっちゃうからやめない? 「莉羽が受けとかギャップ……」 「そう?寧ろ攻めの方が僕的にはギャップだけど」 「どう見ても受けの方がギャップでしょ!?」 「いーや!攻めだね!莉羽が攻めとか想像できないもん」 「私はゆっちが攻め側の方が想像できないけどね?」 僕達はファミレスでなんちゅー会話をしているんだ。 受けとか攻めとかどうでもいいじゃないか! 「やっぱ僕オタクやめれないや」 「え?なに、やめようとしてたの!?」 いや、してない。してないけど避けてきたのは事実だ。 「いやしてないけど最近あんまりLieN見てないなあと思って。忙しくて中々見れてないって話したでしょ?だからさ……」 「そっか。まあ落ち着いたらまた一緒にオタ活しよ?」 「アハハ、そうだね」 本当はLieNのライブだって行きたいし、握手会だって行きたい。 「一生オタクでいてやる!」そう言ったのに勝手に避けているのは僕だ。 莉羽はちゃんとご飯を食べているだろうか。コンビニのおにぎりだけで済ませてないだろうか。 ずっとずっとそんなことばかりを考えてる。 賞味期限が切れたいちごミルクもずっと冷蔵庫に残ってて、中々捨てれないでいた。 思い出を捨ててしまえば莉羽の存在を否定しているかのようで。 「ボーイズラブか……」 「なになに?興味あるの?」 「莉羽が出るなら見てみようかなと」 「ほんと莉羽のこと大好きだね〜。女子からはBLは人気なんだけど男子で見る人って中々いないから」 「そうなの?」 少し、興味を持った。

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