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第40話
『みんな今年もありがとねー!来年もよろしくー!』
ライブが終わった。最高だった。
莉羽はやっぱり尊かった。美しかった。
で?僕はどうしたらいいわけ?
莉羽は?莉羽はどこ……?どこで待てばいいの?
「あ、あの……」
「はい?」
その時、スタッフらしき人が声をかけてきた。
爽良の時もこんなことあったなあなんて思いながら。
「高月揺瀬さんですか……?」
「はい、そうですが……」
「莉羽さんがお呼びです。控え室へご案内してもよろしいでしょうか?」
「は、は、はい!よろしくお願いします!」
やばいやばい、この時が来てしまった。
どうしよう。緊張で本当に死んでしまいそうだ。
コンコン
「莉羽さーん。連れてきましたよー」
「ありがとうございます」
「それじゃ僕はここで失礼します」
スタッフさんが出て行って莉羽と二人きり。
もう何ヶ月ぶりだろうか。痛い。苦しい。
そして眩しい。尊い。愛してるー!
「あ、え、っと……ライブお疲れ様」
「おう、さんきゅ」
「……」
「……」
僕は何をしているんだー!
何のためにここまで来たんだよ!
何のためにこの髪型と服装を……僕のバカ!意気地無し!アホ!
「……お前なにかっこよくなっちゃってんの」
「え?」
か、か、か、かっこいい?
確かに今日の僕はイケてるとは思った。
思ったんだけど莉羽に言われたら嬉しすぎて死にたくなっちゃう……
「あ、こ、これは……莉羽のために……」
「俺のため?俺がいつ頼んだ?かっこよくなれなんて」
やっぱり莉羽は意地悪だ。
全然素直じゃない。可愛くない。嘘。可愛い。
「……相変わらず酷いね」
「そう?てかなんで来たの?俺に言いたいことあるんじゃねえの?」
「う、うん……ある、あるんだけど少し落ち着かせる時間がほしい」
僕がそう言うと莉羽はいきなり立ち上がって僕の前に立った。
そして顎をクイッと持ち上げて近付いてくる。
「り、り、り、莉羽!?」
「焦らすな。さっさと言えよ」
僕はゴクリと唾を飲み込んだ。
そうだ、言わなきゃ。
「僕はっ……!莉羽を初めて見た時に綺麗だってそう思った……!思ってて……それで……その日からずっと莉羽を追いかけてて……莉羽がいなくなって……そ、その……」
「その?なに?言わなきゃわかんない」
「もし莉羽に……こ、こ、恋人ができたら……応援できない……っておも、思って……」
「うん、それで?」
莉羽はずっと優しく聞いてくれていた。
「す、す、好きだって思った……そ、そのオタクとかじゃなくて……恋愛感情として……触れたいって思ってしまって……そ、そ、のごめんなさい!触れたいとか思って、ご、ごめんなさい……す、す、好きになってご、ごめんなさい」
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