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第46話
美しい莉羽と体を重ねてしまってから二時間が経とうとしていた。
莉羽との時間もあと少し。寂しいものだ。
「このまま一緒に寝てくれないの?」
「いや寝るよ。朝起こして」
え!? ラッキー!幸せすぎるんだけどこれは現実?ちゃんと現実だよね?
「いてくれるの!?」
「また当分、会えなくなるだろうし。俺も……まだいたいし……」
はあ……もう尊い!尊い!尊い!
尊いって言葉以外もう何も出てこない!
「それじゃ僕は莉羽のBLドラマでも見よう……――」
「絶対ダメだ!見るな!」
「え、なんで?」
「なんでってそりゃ……恋人が他の男とキスしてるところなんて耐えれるのかよ」
「だってドラマじゃん。僕は莉羽の恋人でもあってファンでもあるの!見なきゃダメなの!」
僕はこう見えて何年も莉羽のファンをしてきて莉羽が載っている雑誌もテレビもドラマだって見逃したことないんだからね!?
どれだけ莉羽に時間とお金をかけていると思ってるんだ!全く!
「俺なら……無理だけど」
「そんなことこの先、一生ないから安心しなよ!莉羽は芸能界で仕事してるんだから仕方ないじゃん?」
「……そ、うだな」
「……?」
この状況、僕が落ち込むならわかるんだけどなんで莉羽がそんな悲しそうな顔するの?
だってほんとうに仕方ないことじゃないか。
僕とこうして出会う前から莉羽は芸能界で仕事をしているんだし、莉羽の人生の邪魔はしたくない。
まあ……僕がこうして莉羽と付き合っていることで邪魔してるかもしれないけど。
「あ、そうそう。そういえばさ、」
「ん、なに」
「莉羽このドラマ攻め役だけどすごい違和感あるよね。僕ずっと莉羽は絶対受けだ!って思ってたけど現実ほんとに受けだったね」
「……お前これ以上言ったらほんと殺すからな?」
「ええ……なんで?事実なのに……」
パチンッ
「ええ……痛いよ……」
「当たり前だろ。お前が悪い」
「ご、ごめんなさい……」
僕は……莉羽に何かを伝えなきゃいけない気がするのにそれが思い出せない。
莉羽に会ったら話そうとずっと思っていたんだけど……やばい、莉羽といれることが嬉しすぎてド忘れしてしまった。
けれど思い出せないってことは大したことじゃなかったのかも……?
まあ何でもいいか!莉羽とこうしていれてるし。
「はあ……幸せだ」
「キモイこと言ってないでいちごミルク買ってこいよ」
「ええ……もうなくなったの?太るよ?」
「いいから買ってこいよ。後、唐揚げ棒も」
「……わかったよ」
面倒くさそうにしといて内心は喜んでいる僕はとんだキモオタだ。
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