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第47話

〜〜♩ 「んん……もう朝?」 目覚ましが朝を知らせる。 莉羽を起こしてしまえばまた当分会えなくなる。 「このまま寝ててくれないかな?」 莉羽の金髪が今日も眩しいぜ……! 「……朝からキモイこと言ってんな」 「うわっ!起きてたなら言ってよ!」 「今起きた、おはよー」 「……うん、おはよう」 莉羽が行ってしまう。寂しい、死ぬ。 昨日はあんなに愛し合ったじゃないか! なのに……僕を置いて帰っちゃうなんて…… 「何時に出るの?朝ご飯ちゃんと食べてから行ってね。倒れられると困るから」 「八時。だから俺、朝食えないって」 「僕の作ったご飯が食べれないって言うの……?」 「食べる」 フフ、フフフフフ。可愛い。 付き合う前も莉羽が朝までいたことはあった。 あったんだけどおこがましくて僕はいつもソファーで寝ていた。 だから同じベッドで寝て隣に莉羽がいるっていうのは新鮮で……興奮……したというのは内緒で。 チンっ テーブルにバターを塗ったトーストとスクランブルエッグとウインナーとコーンスープ。 ほんと……僕の取り柄は料理ができるところくらいだよ。 「できたよ」 「ああ、ありがとう」 「僕の愛情がこもった朝ご飯なら食べれるでしょ?」 「別にお前の愛情はいらん。けど……うまそう」 まあこれが一人だったら絶対朝からご飯なんて作らないけどね。 僕の尊い存在莉羽様の体のために作ってるだけだし。 莉羽のためなら僕は……なんでも出来ちゃう! 「いただきます」 「はいどーぞ」 朝から莉羽がご飯を食べているところを拝めるなんて……幸せだ。 唇ツヤツヤ!顔もプルプル!はあ……尊い。 もう僕は尊いが口癖になっている。まあ仕方ないよね、莉羽すごい尊いんだもん。 「ご馳走様」 食べたら相変わらずシンクに持っていく。 偉い、偉いよ!莉羽。 「洗い物はしなくていいよ」 「いや今日はする」 「いい!いいの!洗い物する暇あったら行くまで僕に莉羽の顔を拝ませて頂きたい」 「ほんときめーな」 だって……また当分会えなくなっちゃうもん。 目に焼き付けとかないと僕の心が壊れちゃうじゃん。プンプン。 「来いよ」 「え?」 ソファーをポンポンとしながら僕を呼ぶ。 きっと僕の顔はニヤケまくっているだろう。 そのニヤケまくっている顔で莉羽の隣へと座った。 「ん。ここ、キス」 唇を尖らせてこんな可愛いことを言ってくる。 チュッと軽くキスをすると満足そうな顔をする。 「か、か、かわいい」 「キモオタはやっぱキモオタだな。まあ俺そろそろ行かなきゃならないから行くわ。浮気したらぶっ殺す」 こんな愛おしい存在がいるというのにするわけないでしょうが。

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