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第55話
「び、び、BLドラマ!?」
「そう。相手役はLieNの莉羽!あの子、昔にBLドラマしたことあるでしょ?いや〜あれには感動したよ。だからイケメン同士ダメかな?腐女子が喜ぶぞ〜」
なんてことだ。莉羽と仕事がしたいとは言っていたけどまさかBLドラマとは……
「えっと……莉羽さんの方はなんて……?」
「ぜひ!って言ってたぞ?」
「ああ……そうですか。本人に確認してから連絡させて頂きます……」
日生は絶対喜んで『する!』って言うに違いない。
僕が困るんだけど……絶対現場で会うことになるじゃん……
いや会いたいんだよ?会いたいんだけど気まずくない?
しょうがない……せっかくのオファーだし話してみるか……
「え!? 莉羽くんと出来るの!? する!」
だよね、そうなるよね。
「でも向こうはBLドラマ出たことあるからさ日生が教えてもらう立場になると思うけど……」
「いいよ!今すぐOKして!」
「ああ……わかったよ」
こうして日生と莉羽の共演が決まった。
二人の共演が決まるとネットニュースですぐ話題となった。
超人気アイドルと期待の新人俳優となるとファン達は黙っていないらしい。
「監督さんに連絡したら再来週から始めるって言ってるけどいい?」
「今日にでもしたいくらいだよ」
「アハハ……後、撮影の前に顔合わせがあるらしくてさ来週の火曜なら日生も何とか時間取れそうだからそれで進めていい?」
「マネージャーに任せるよー。とりあえず俺もう帰りたいから送ってくれない?」
「はいはい」
24歳だというのにまだまだ幼さが残っている日生は見た目的には受けな感じがするけど、莉羽と日生どちらが受け側なんだろうかと考えるだけで頬が勝手に緩んでしまう。
僕はなんて変態野郎なんだ……!
日生を車に乗せてエンジンをかけたと同時にスマホの通知が鳴った。
相手は僕の親友、凛太郎様だ!
〈久しぶりに飲みに行こうぜー〉
〈奢りなら行く〉
〈わかったよ。仕事終わったら迎えに行く〉
僕もちょうど凛太郎にさっきの話をしたくて堪らなかったところだ。
さすが僕の親友。タイミングが神だ!
そんなことを思っていると横に何かいる気が……
「マネージャー誰とLIMEしてんのー?」
「うおっ!もう近いって。僕の親友だよ」
「ふーん?飲みに行くんだー。俺も行く!」
「絶対だめ」
「えーなんで?いいじゃん。行きたい」
今日は横にいる日生と莉羽についての話だし絶対にこれは阻止せねば……!
「来月……焼肉で手を打ってくれない……?」
「その話のったー!」
ふん!まだまだちょろいぜ。
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