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第4話 真島ツインズ

ドスン。 友樹の隣りに乱暴に腰を下ろすと、真島は「ほらよ、ピザまん」と宙にポイッと放り投げた。 「うわっ」 あらぬ方に飛んでいったピザまんを友樹がかろうじてキャッチする。 「もう~……テレちゃって」 「違うわ!」 テレ隠しもあるのだろう早速パクつきながら「あ~ウマいウマい。灰谷ゴチな」真島が礼を言う。 「灰谷先輩、ごちそうさまです」友樹も灰谷に向かって小さく頭を下げた。 ほんのちょっとした事でも必ずきちんと礼を言うよな真島は、と改めて思いながら「おう」と返し、灰谷はベッドに腰を下ろした。 「んまいな。オレは断然ピザまん派~」 「ボクもです」 真島と友樹。 二人並んで頬を膨らませピザまんをパクつく後ろ姿はやはりよく似ていた。 でも……なんだかな。 灰谷はもう一度そう胸の中でつぶやきながら肉まんをほうばった。 「ていうかこの部屋、寒いか?」真島がふり向いて聞いてくる。 「あ?オレは平気」 バイクで走る外の風は幾分冷たかったが部屋の中はそうでもなかった。 「友樹は?暖房つけるか?」 「ボク、大丈夫です。え?あっ!……ごめんなさい。これ、ボク勝手に……」 友樹は羽織っていた真島の青ジャージを脱ごうとした。 「ああ、違う違う。それ、そのまま着てろよ」 「いいんですか?」 「いいよ別に」 「ありがとうございま~す」と友樹は嬉しそうに肩に掛けていたジャージの袖に腕を通した。 「似合うじゃん友樹」 「そうですか?」 「おう。つうか……」 真島は友樹の肩に腕をまわし、「なあ灰谷、オレ達ますますソックリじゃね?」とカラダをギュッと寄せた。 「ああ。まあな……」 そうなんだけど。まあそうなんだけど。 さっきオレも一瞬間違えかけたんだけど……なんだかなコレ。 「こうやっとブラザーズ、いや、もはやツインズじゃね?真島ツインズ!」 「恥ずかしいです」と友樹がテレたように下を向く。 「行ってる美容院教えてくださいなんて。友樹、オレのことリスペクトしすぎじゃね?」 「いや、リスペクトっす」 「何そのマジ顔。ウケるんだけど」 「いや、マジっす」 「カワイイなオマエ。おらっ」 真島は友樹にヘッドロックをかけつつ、「カワイイカワイイっ」と頭をなで回した。 「イタイイタイ……」軽く抵抗しながらも「……真島先輩の方が…カワイイっすよ……」と友樹。 まるで子犬がジャレているようだ。 何見せられてんだこれ。 灰谷は顔の表情を変えずに肉まんの残りを口にほうりこんだ。

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