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俺たち登場!(02)

何もない放課後というのは気分的にもだらだらするもので、ハルの家に着くにはいつもより時間がかかった。 ハルの家はいつも家族が不在なのでよく俺らの溜まり場になる。 なぜいつも不在なのか前に1度尋ねたが「一身上の都合で」と答えられて終わった。 まあそんなに興味もないけど。 「で、何しにハルんちなんだ?」 ハルの部屋へと上がり思い思いの場所に腰を下ろしたところでシュウが口を開く。 早くクーラー効いてくれないかな。 「じゃっじゃーん!」 自分で効果音を付けてミヤが鞄から取り出したものにハル以外の3人が唖然とする。 ハルは恐らく前もって聞かされていたんだろう。 ミヤが手に持っているのは2枚のDVDで、こちらに表が向けられている1枚には御丁寧にタイトルが書かれていた。 「女子高生の淫……乱性、か……!」 口に出して読んでしまったウミは途中でその意味に気付き、手を口にあてて真っ赤になった。 うわ、この反応は健全な男子高生としては可愛すぎる。 だからおまえは影で姫とか呼ばれてんだよ。 「……ミヤのズリネタ?」 「女子高生がオカズなんだ」 無表情のままシュウと俺が言葉をかけると、ミヤは慌てて首を振った。 「違うからー!!これ、兄貴の部屋にあったやつ!皆で見たら面白いかなーって」 面白い、の基準がいつもズレているのはミヤの特徴だ。 そういう時は素直に格闘系を持って来い。 大体こういうのは抜きたい時に一人で見るもんであって、人と一緒に見てどうやって勃ったもんを処理しろって言うんだ。 呆れ顔の俺とシュウ、顔を真っ赤にしたまま固まっているウミを置き去りにしてミヤとハルが再生の準備を始めた。 ハルは昔からミヤには甘いから、今回も無邪気な笑顔で頼まれて断れなかったんだろう。 頼みに邪気がありすぎるけど。 「もう1枚はタイトル書いてないから、先にタイトル書いてる方で良い?」 「……なんでもいー」 むしろどうでもいい。 タイトルが書いてあると言えば女子高生の方か。ミヤの兄貴ってそういう趣味だったんだ。 前を陣取ったミヤがリモコンを操作して、再生された画面いっぱいに先ほどウミが真っ赤な顔で口にしたタイトルが浮かび上がる。 このストレートな題からして、たいしたものじゃないだろう。 勝手に入れた麦茶を啜りながら傍観するに徹しようと決めた。

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