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俺たち登場!(04)
「ハル、知ってたわけ?」
「……いや、想定外」
まずいといった表情のハルに問い掛けると、ベッドの上ではシュウがため息をこぼす。
こいつも気が付いたんだろう。
「?何の話して……」
「わ!ちゅーした!」
顔だけ後ろに向け尋ねてきたウミの声をミヤの大きな声が掻き消した。
あー、やっぱり。
画面の中では体育教師と思しき男と少年がキスを始めていた。
抵抗している風な演技を見せる少年の口内に舌を差し込みグチュグチュと卑猥な音を立てる。
ミヤもウミも、このDVDの正体に気付いたらしい。
突然始まった男同士の絡みに、驚きながらも目が離せないといったところだ。
止めた方が良いのか、冗談めかして笑い話にした方が良いのか、頭を巡らす間にも画面の男2人はコトを進めていた。
水音を立てながらキスを続ける教師の手は少年の胸元へと移動し、カッターシャツのボタンを外していく。
露になる白い肌にカメラが近付いた。
「ね、ハル……」
其々が固唾をのむ微妙な空気を打ち砕いたのは、ミヤだった。
「ん?」
「俺も、ちゅー、したい……」
俯いて小さな声で発した言葉はそれでも全員の耳に入り、4人の目がミヤへと向けられる。
「へ?ミ、ミヤ……?」
「しよーよ、ハル。」
驚くハル、いや4人を余所にミヤはハルの方へ体を向け、腕を首に回した。
「んっ……」
「……あっ、んッ」
無理矢理唇を奪ったかと思えば、ミヤの赤い舌がハルの口内に入っていくのが隣に座っている俺たちの目にしっかり映った。
目を瞑り息を吐くような声が漏れ出すミヤに、ハルは困惑した様子を見せながらもそれを受け入れる。
両手でミヤの体を支え、ずれる眼鏡も直せないでいた。
唇を合わせたまま、全身で抱きつくミヤの体に耐え切れずミヤが押し倒す形で2人が床へと倒れこむ。
なおも行為を続ける二人に少なからず興奮を覚えた俺は、傍でそわそわと体を捩るウミに気が付いた。
ウミも画面など目に入っておらず、突然始まった友人達の絡み合いから目を離せないでいた。
もどかしくすり合わせる股の間は先程よりも膨れているように見える。
「2人見て、勃った?」
「ち、ちげーよ!ちょ、離せって!」
後ろから抱きしめるかたちで座るとウミは腕の中で暴れ、抜け出そうとする。
その動作にキュンとした俺はもしやエスか。
「シュウも来いよ」
ベッドの上から眺めていたシュウを呼ぶと、重たそうに腰を上げてウミの前に座った。
「え、な、何だよ、シュウまで……」
「これ結構クるな」
「だな。勃たないようにすんの必死」
「お前ら何言っ……んっ──」
ウミの顎に手をあて、無理矢理後ろを向かせてその唇を奪った。
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