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不穏な視線(2)
翌日の昼休み。
「り〜つっ!ご飯食べに行こ!」
飆太が凛月をご飯に誘うことはもう習慣になってきていた。
「うん。行こっか。」
凛月も飆太と一緒にご飯を食べるのは満更でもない様子だ。
「今日は何食べんの?」
「うーん。あんぱんかな。」
「えー!またー?そんなのばっかり食べてたら身体おかしくなっちゃうよ?」
いつも凛月は決まって購買であんぱんを買ってそれしか食べていないので心配になる。
「いいよ。ずっとこれだったし。」
「え!ずっと?中学の時も?」
「うん。まぁそう。」
「えー!だからこんなに細いんだよ。心配!」
「いや、そっちこそ。ブーメランでしょ。」
飆太は普段から精一杯食べてるつもりだが全然筋肉も付かず華奢なままで喧嘩しても凛月に勝てるか怪しい位の体型なのでぐうの音も出ない。
「ォ、オレはこれから大きくなるんだし!筋肉も付いてがっしりして、凛月を守れるくらいにね!」
「ふっww」
「あー!笑ったな〜!」
「だってww別に守ってもらうつもりないしww」
「もー!凛月はこんな可愛い見た目してるから心配なんだよ!」
「それ、人に言えるほど飆太は自分の容姿が平凡だと思ってんの?」
「え、どういうこと?」
凛月が可愛いすぎて綺麗すぎる見た目だから心配なのに予想外の返答が返ってきて、いつもの調子が乱される。
「飆太の方が可愛いって学校中で評判になってるんだよ知らない?」
「え、なにそれ?知らない。」
「最近はボーイッシュな子の方が男に人気あったりするし、そんな大きな声で騒いでたら目立つから注目の的になってるんだよ。」
「へ、へぇ〜?」
思わず素っ頓狂な声が出てしまう。
「だから気をつけるなら飆太の方だって僕は言いたいんだ。単純な腕力だって僕より無いだろうし。」
「そ、それは余計でしょ!てかオレは凛月より強いからな!」
「はいはい。ま、何かあったら僕に相談するんだよ。」
「何もないってまったく〜!」
言葉では強がっているものの、中学の時から男から言い寄られた経験が少なくないので、身体を本格的に鍛えなければと内心焦った。
事実、こんな綺麗な見た目の2人は男子校には珍しく、入学初日からよく喋っていたこともあって校内では有名な美少女(年)コンビとして学校で有名になっていた。鈍感な飆太は気づいていないものの、熱い視線を送る者も少なくない。
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