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新しい友達

「では今日はこれで解散!」 先生が今日の放課を告げる。 「ふぅ〜…今日も長かった〜!」 「おつかれさま。」 「凛月もおつかれさま!」 終礼が終わり放課後の解放感に2人は伸びをする。 「あ、あの!その…これっ!落としもの…」 人がだんだんと減ってきている教室で1人の生徒が声をかけてきた。見た目は大人しそうでそれといった特徴もない黒髪の生徒だ。 「うわっ!ありがとう!全然気づかなかった!」 その生徒から渡されたのはどこかで落としてたらしい飆太のハンカチだ。 「あ、よかったら名前教えてよ!」 「名前?い、いいよ。僕は向田順一(こうだじゅんいち)。」 「じゅんいちくんかぁ…じゅんって呼んでいい?オレはヒョウタ!朝生飆太!」 「ひょうた…よろしく。」 「うん!よろしく!オレらもう友達ね!あ、こっちはオレの凛月!朝海凛月!」 「おれのってなんだよ、違うし…まぁよろしくね。」 「う、うん…よろしく!」 完全に飆太ペースで話が進んでいるが、順一も友達になれて嬉しそうにしている。 「そういえばオレ、りっちゃん以外の子と初めて話したかも!オレずっとりっちゃんに夢中でさ…(笑)」 凛月のことをりっちゃんと呼ぶのは最初は拒否されたものの、もう定着していた。 「ま、まぁクラスの子も君たちには話しかけにくいと思うしね…」 「え?どういうこと?」 クラスの子達が自分達に話しかけにくい理由が分からず飆太が尋ねる。 「い、いやほら…」 「だから、僕達が目立つ見た目をしてるってことでしょ。」 と凛月。 「ぅえー!まじ!?みんなそんな感じなの〜?えー!」 全くそんなこと意識したこともなかったので、意外というか残念な気持ちになった。 「まぁ、仕方ないよ。でも1人友達できて良かったじゃん。」 「もぉ〜りっちゃん好き〜!」 飆太は凛月に抱きつこうとするが、 「やめて。」 と冷たく拒否された。 「2人ほんと仲良いね。」 と順一が笑いかけると、 「でしょ〜!!」 飆太は目を輝かせ、 「べつに…」 と凛月はそっぽを向く。 それを見て微笑ましく、順一は思わず笑ってしまうのであった。

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