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始まり(1)

「りっちゃんに手を出すな!!!!!」 必死な叫び声が、狭い渡り廊下にこだまする。 男子生徒達はただ一人を除きキョトンとし、あの時と変わらず冷たい視線の生徒会長は不敵に口元を歪ませた。 「お前、黒髪の方にまとわりついてる金髪っ娘じゃん。」 「飛んで火に入るなんとやらってか?w」 しばしキョトンとしていた取り巻きたちは、飆太の存在を認識し、その顔は下卑たものになっていく。 「お前ら許さねぇ…」 飆太は今にも掴みかかる勢いで怒り心頭している。 "ガタッ!!" 急に大きい音を立てて取り巻きの中心に居る生徒会長が立ち上がる。そして、飆太の前に立ち塞がりあまりにも冷たい表情で一言。 「お前に何が出来るって言うんだ?」 自分を見下ろすあまりにも冷たい視線と声に、一瞬悪寒が走ったが、飆太の勝ち気な性格はこの程度では折れることはなく、すかさず言い返す。 「りっちゃんにお前らみたいなゲスが手を出すのはオレがさせない。力づくでも止めてやる!」 だが、目の前の相手は飆太の威勢のいい大声に全く怯むことはなく、グイッと飆太の手首を掴む。そして、冷たい眼差しは全く変えず、 「大人しく黒髪がヤられるのを見てろよ。そしたらお前には何もしないでやる。なんならお前も混ぜてやってもいいぜ。黒髪のこと好きなんだろ?」 その口元が少しニヤリと歪む。 「…が。クズが!オレはりっちゃんに死んでもそんな事しない!」 怒りで眼前が眩み、勢いよく掴まれた手首を振り払う。そして… “パンッ!!” 飆太の右手が勢いよく、自分より一回りも二回りも大きい相手の頬に振り下ろされる。 乾いた音だけがこだまし、沈黙が訪れる。 「ふっ、、ふははははは!!」 静寂を破ったのは目の前の男の派手な笑い声だった。今までの冷たい表情からは想像もできないほど痛快に、そして不気味に。まるで全てを最初から分かっていたように。 「よし。お前ら、やれ。」 さっきとは打って変わった冷たい声を合図に、複数の男が飆太の周りを取り囲む。どの男も飆太よりは一回りは大きい。 「いっっ、、!!」 飆太を囲む男の1人が腕を掴んで、倒そうとしてくる。そして他の男の手も次々に頭に胸に足に伸びてくる。 「やっ、やめろ!!」 必死に腕を振りほどこうとし、半ば倒された状態で、足も闇雲に蹴りを繰り出す。 「うっ、、!」 1人の男の腹にそれが命中し、男が小さく呻く。 「こいつ、、、!」 そいつは怒りを顕にしている。 「多少手荒くしてもかまわない。このメスガキにわからせてやれ。」 その様子に上から射抜くような視線を浴びせていた奴―生徒会長―が絶望を告げる。 「メスガキだと!?ひっ、、!」 小さく悲鳴を上げたのもつかの間、1つの鋭く重い拳が飆太の鳩尾に突き刺さる。 「アガッ…!」 内蔵を抉るような刺激に、頭が真っ白になる。 さらに2発。そして、仰向けに倒れかかっている所に上から足の裏で1発追い討ちがかかる。 「ヒュッ…」 最初の1発が鈍痛に変わった頃にさらに新鮮な痛みが追加され訳が分からなくなり、息が漏れ出て、生理的な涙が滲む。 「あ、そうだ、お前ら顔はやめとけな。今後の計画に響く。」 追加の指示が飛ぶが、飆太にはうっすらとしか聞こえていない。 「あ〜服汚れちゃったね〜。足跡くっきり。そろそろ脱ごっか。」 と霞む取り巻きの言葉が耳を掠め、 「…や、めろ…」 生まれてから味わったこともない痛みに朦朧としながらも、なんとか必死にもがき抵抗をする。 “ドスッ!” 仰向けの横腹に重い蹴りが入り、勢いで身体がうつ伏せに転がる。あまりにも大きな衝撃に声も出ない。 「うぇーい脱がすぞ〜。」 うつ伏せの状態からさらに襟を掴まれ、仰向けに戻され、腕はそれぞれ片方づつ2人の男に拘束され、乱暴にシャツを引きちぎられる。 “ブチブチッ!” とボタンの弾け飛ぶ音がする。 そして、どこからともなく出てきたカッターナイフが突きつけられ、 「痛い思いしたくなかったら大人しくしてるんだよ。」 と言われ、もはや、 「ヒッ…」 と悲鳴しか出ない。涙が一筋頬をつたう。 ――― あっという間にシャツは引き剥がされ上半身はあらわになり、下半身もズボンと下着が引きずり下ろされた。 「…やめて…」 ともはや反抗心よりも、恐怖心が優勢になり涙を流しながら懇願する。 だが、それはこの鬼畜達にとっては興奮材料にしかならないようだ。 「いい表情になってきたねぇ。」 「可愛い顔して、ほんとに女かと思ったら、ちゃんと付いてるじゃん。ま、ちっちぇ〜けどw」 「あはっw震えてる可愛い〜w」 「は〜い。これからが本番だよ〜w」 口々に飆太を辱める言葉を吐き、男は2人がかりで飆太の両足を割開き、さらに真ん中に座り込む男の指が飆太の秘所めがけて伸びてくる。 途端、飆太はしばらく痛みが追加されなかったために少し正気が戻り、劣勢になっていた怒りの感情がふつふつと湧き上がり、 「…っこの野郎!」 少し緩くなっていた腕の拘束を振り払い、上半身を少し起こしてありったけの力で秘所へと伸びてくる腕を引っ掻いた。 「ッいてっ!!」 「こいつ!!」 男たちは怒りを顕にし、飆太を動けないようにガッチリと4人がかりで手足を押さえつけ、残りの1人―飆太に引っかかれた―が力任せに飆太に指をねじ込んだ。 「ぃ゛っ、、ゃ゛っ、、、」 感じたことの無い類の痛みに思わず呻く。まだ2本しか指を入れられてないが、まるで太い杭を身体の奥深くへ打ち付けられているように感じる。 排泄以外に使ったことも無い穴を、ローションも使わずに蹂躙されているから、痛みは相当で少し血も出ている。 「うげっ、こいつ血出てやがる。ゴムない?」 「あ〜ほらよっ。」 ゴムを付けて、飆太の後孔の血も相まって幾分滑りは良くなって、男の指をもう4本も咥えこんでいる。 「ぅぇ…ち…?ぃゃ…」 血が出てると言われ自分では見えないものの、不安と気持ち悪さと痛みで目眩がしてくる。 「ふっ、泣いてるの可愛い〜マジで女じゃん。」 「ボーイッシュっ娘好みなんだよなぁ〜。」 「お前やばw」 男子生徒達の声も飆太にはあまり届いていない。 「そろそろいいかなぁ〜、リーダー先ヤっちゃいます?」 「ああ。そうさせてもらおう。」 その声を合図に、今まで飆太の後孔を蹂躙していた指は撤退し、代わりに… 「ヒッ…」 後孔をいじられる気持ち悪さに光を失いかけていた飆太の目が見開き絶望にそまる。 そこには自分のモノと比べ物にならないモノがあり、自分の大事な所に突きつけられていく。 「は〜い。こっちもあるからね〜。」 その絶望に向き合う間もなく、飆太の口には別の男根が突き立てられる。ぎゅっと口を開くまいと噤むが、鼻をつままれ耐えれずに口を開けてしまう。 そして、上と下の口に同時に男根が挿入される。 (あれ、オレってなにされてるんだっけ?) 普通に生きていれば味わうことはない初めての苦痛に、思考が停止していく。 「噛んだら、許さないからね。」 「ほらっ。手はこっちだよ。」 空いてる手は別の男のモノを握らされて、その上から手を添えられて擦らされる。もう飆太には抵抗する気力が残ってるはずもない。 その間にもこの集団の頭である生徒会長は黙々と飆太の孔を蹂躙し、飆太に絶え間ない痛みを与え続ける。その目は冷たいままなものの、口元は不気味に歪んでいた。 「ぅッ、、ェッ、、ぉぇ、、」 繰り返される前後の律動に飆太は呻き声を漏らし、その顔は泣き濡れていた。

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