9 / 16
始まり(2)
「そろそろイきそ…」
「俺も…」
どれくらい続いただろうか、気が遠くなるほど長い時間が経過した気もするし、一瞬だった気もする。そしてその時は訪れた。
(ぇ………?)
ほぼ時を同じくして、前と後ろ、そして顔に白濁がぶちまけられた。
思考停止していたが、少しして自分に起きたことを理解する。その時にはもう、飆太は耐えきれず泣きじゃくっていた。
「ぅっ、、ぐす、ぐすっ、、」
現実がとにかく受け入れられない。
「じゃ、ポジション交代してもう一度な。」
生徒会長が絶望を告げる。
「ぃっ、、?」
理解する暇もなく、次のモノが突き立てられ、痛みと苦しさの中に引き戻される。顔を中心にかけられた白濁は拭うことも出来ず、その存在は考えたくもない。
(もう、何も考えたくない…)
と頭をシャットダウンしかけた時、あの男の声がふと耳を掠める。
「可愛い顔が汚れて惨めなもんだな。あの黒髪も同じようにしてやるよ、そのうち。」
(え、今なんて言った?)
その発言の内容に気づいた時には、飆太の意識は一転極度の興奮状態になり、身体は勝手に動いていた。
「い゛っっっ!!!」
その瞬間、男の1人が大きく呻いた。飆太に自身を咥えさせていた奴だ。
それだけにとどまらず、後孔に挿入していた奴にも蹴りを食らわす。
「こいつ!噛みやがった!」
「まだ分かってなかったのか!」
男達は怒りをあらわにするが、
「お前ら、りっちゃんに指1本でも触れたら殺す!殺してやる!」
飆太は怯むどころか、過度な興奮状態ではち切れんばかりの怒号を飛ばす。
そして、自由になった身体を起こし、男達に掴みかかろうとした瞬間…
“ドゴッ!”
一際鈍い音が響き、飆太の身体が宙に舞う。
頭に思い切り蹴りを入れられたのだ。―あの生徒会長に―
倒れ込んだ所から髪を引っ張られ、さらに鳩尾に1発蹴りを入れられる。その後そのまま引っ張られ、壁にもたれ掛かるような体勢にされる。
感じたことの無い感覚の情報量に口をぱくぱくさせ、意識が霞みゆく中でもまだ憎しみの感情は消えず、
「…コロス…コロシテヤル…」
とうわ言のように呟く。
しかし次の瞬間、
“バンッ!!”
と生徒会長の足が飆太の顔の横を掠め壁に勢いよくぶつかった。
「ヒッ…」
あまりのことに意識が引き戻され、恐怖が蘇る。そして…
「ぅっ、、ぐす、、ひっく、、」
もう限界だった。無理なのだ。自分は弱かった。こんな自分より一回りも二回りの男に、ましてや大人数に抵抗することなど叶わなかった。怒りも反抗心も摘み取られ、恐怖と絶望とありえない痛みだけが脳を支配する。
グイッと胸ぐらを掴まれ問われた。
「もう分かったか?」
頷いた。何回も。勢いよく。
「はい、、、ぐすっ。」
泣きじゃくりながらもう抵抗の意思がないことをアピールする。
「やっとわかったか。さて、黒髪はどうすっかなぁ。」
(それだけは、それだけはいけない!)
もう抵抗する気力はなかったが、精一杯の勇気を振り絞って懇願する。
「オレには何してもいいから、りっちゃんには手を出さないで…ください…オレはどうなってもいいから…」
その言葉を聞いて、今まであまり感情の読み取れなかった目の前の男が満足気に歪む。まるで全てが計画通りだったと言わんばかりに。
「そしたら取り引きだ。」
「ぇっ、、?とりひき、?」
「お前、俺たちの奴隷になれ。」
これが飆太の地獄の始まりだった…
―――
初の濡れ場長くなってしまってすみません。こんな感じで私の小説はじっくりねっとり描写していきますm(*_ _)m
かなりハードコアだと思うのですが、この作品を気に入ってくれる同志は是非お話しましょう✨
ともだちにシェアしよう!