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付き合ってナニしたい?
誰かが慌ててやって来る。誰だろう。
そんな事より、僕のナカでうねっているコイツを、どうにか大人しくさせたい。気持ち良いし、もっと気持ち良くなりたいんだけど、これ以上感度がバカになるのが怖い。
いつもヤダヤダなんて言ってばかりで、素直になれなくて悪いと思っている。八千代が僕を快楽漬けにしたいだけじゃない事も、本気で僕を想ってくれている事も、本当はわかっている。
けれど、恥ずかしさが勝つ所為なのか、自分の気持ちを認めたくないのか、わからないけれど言葉にできないままだ。
それを差し引いても、この感じ方はマズイ気がするので、イヤと言わせてもらおう。
なんて、イキすぎて朦朧とする意識の中でぼんやりと考えている間に、誰かの足音はすぐそこまで来ていた。
(あ、誰か来ちゃった。やだ見られちゃう······)
「ゆいぴ! どうした、の····って、あー····」
「なになに!? 結人大丈夫なん? て、あっ、うわー····」
りっくんと啓吾だった。見られてマズイことは変わらないけれど、心底安心してしまった。僕の助けてって声を聞いて、飛び込んできてくれたようだ。
突き上げたお尻に深く刺さり、振動しながらうねっているバイブの機械音が、静まり返った部屋に響く。
2人は、僕の痴態を見てアソコをギンッギンにおっ勃てている。それを見て、僕は夢中で懇願した。
「ねぇ····りっくん、啓吾、もうコレ····オモチャ、やだぁ····誰か····挿れてぇ」
りっくんは、僕の醜態を見て気を失いそうになっている。啓吾は、そそくさとベルトを外し始めた。その間をぬって、八千代がTシャツを脱ぎながら、いち早く僕に辿り着く。
バイブを引き抜くと、胡座をかき僕を抱き上げた。対面で座らせるのかと思ったら、八千代のビッグ八千代で一気に突き上げられた。
「ん゙あ゙ぁぁぁ!!」
快感がお尻から脳天まで貫き、勢いよく噴き上げてしまった。
「結人、噴けるようになったんだな。やべぇ····エッロいな~。なぁ場野、早く替わってよ」
「うるせぇ。そこでシコりながら待ってろ」
「ゆいぴ·····ゆいぴが····あれ、AVなの? 啓吾、ゆいぴ大丈夫? ヤバくない?」
「あの乱れっぷりはヤベェな。ちんこ痛いんだけど」
「ゔ~····俺も」
「ひぁっ、やち····やちよ······あぇ? りっくんと、啓吾は····来ないの?」
「····これはゆいぴが悪いよね」
「おう。あれは結人が悪い」
2人はいそいそと、息を荒らげて迫ってくる。
「おい。俺に抱かれてんのに、何アイツら呼んでんだよ」
八千代が少し怒って、突き上げ方が強くなった。奥をゴツゴツ叩かれている様で、突き上げられる度に意識が飛んでしまいそうになる。
力尽きて背中をベッドに預けると、僕の手にはりっくんのモノが、口には啓吾のモノがあてがわれた。
「ゆいぴ、俺の····扱ける?」
「ふぇ····うん。んっ····こう?」
「んぁっ、ゆいぴの手、柔らかくて気持ち良い」
「えへへ、良かったぁ」
「結人、結人。ヤじゃなかったら、俺の咥えて?」
「うん、はむ····ふぁいほーふ 」
「ぅぐっ····やべぇ、温けぇ····。結人、ホントに嫌じゃねぇの?」
「ふっ····ひややあいお ····ほひひー ····ふひゃぁっ」
不意に突き上げられ、八千代の異変に気づく。フーッフーッと、血管が切れそうなくらい青筋が浮き上がった八千代。これは、間違いなくキレている。
「お前ら、マジで殺すぞ。乱交じゃねぇんだよ。結人も、余所見すんな」
ピストンが激しさを増す。どんどん奥を突き進み、若干の恐怖を感じた。
「ひぅっ! ふっ····ん゙ぅっ····待って、やち····そこ、なんか、入っちゃ····だめぇ」
「まだここは挿れねぇよ。けど、あんま余所見してっと、我慢してやんねぇぞ」
「ごめっ、ごめ、なさっ····やぁぁっ」
「ちょ、場野! 酷くすんなよ!?」
「わーってる! 加減できねぇから喋りかけんな」
りっくんが止めてくれたが、激情を抑えきれない八千代。僕の所為だ。また妬かせてしまったから。
「俺だってまだ、お前の口犯してねぇし、手でもさせた事ねぇんだぞ。それを、後から来た奴が····くそっ」
激昂に任せ、時折最奥を突かれる。挿れないと言っていたのに、奥にある入り口がこじ開けられそうだ。
「大丈夫だ。奥は、まだ、挿れねぇ····んっ、締めすぎんな」
「だってぇ、勝手にっ····奥、もう····入っちゃうよぉっ」
「やべ····つけんの忘れてた。このまま····いいか?」
「「はぁぁ!?」」
「んぇ? いいよ····ナカに出して。僕も、イッちゃうぅんっはぁぁっ」
「「ちょっ、だめぇ!!」」
りっくんと啓吾の制止も虚しく、八千代は僕のナカにぶちまけた。
その後、僕の体力を鑑みて、りっくんと啓吾はお預けをくらった。僕の都合と言うより、八千代が僕を離さなかったから、と言うのが正しいかもしれない。
「お前ら呼んでねぇし。何勝手に上がってんの? しかも、俺がまだ結人にさせてねぇ事アレコレさせんじゃねぇよ」
「なぁ····。このお付き合いって、場野と結人に俺らがくっついてる感じなの?」
「当たり前だろ」
「は? ゆいぴを皆で平等に共有するんでしょ!?」
「いつも思うけど、そこに僕の意思も何も関係ないんだね····」
「この際だから言わせてもらうけどさぁ、もう場野だけの結人じゃねぇじゃん? 俺らも好きにして良くない? 今日だって、場野の独断で結人連れ込んだんだろ? 挙句バイブ突っ込んでるし」
「あ? それが何だよ」
「あのなぁ、なんでそんな勝手がお前だけ許されるんだよ。お前がそういう事するんだったら、俺らだって勝手にヤって良くね?」
「そうだよ! 場野ばっかズルい! 俺、ゆいぴを綺麗にするところからシたい」
「俺もー!」
りっくんは啓吾の主張に賛同し、啓吾はりっくんの発言に挙手で賛成した。
「だいたいさぁ、俺らが後から来たって言ってっけど、莉久に言わせれば場野だってそうじゃね?」
「あ゙ん?」
八千代の血管が限界を迎えているようだ。啓吾が口を開く度に、ハラハラしてしまう。それは、同調しているりっくんですら、僕と同じ気持ちのようだ。
「だからさ、それぞれで結人と楽しんでいこうぜ? シェアつっても、結人は1人だし、毎回全員でってのも結人の負担になるだろ」
「「確かに····」」
「それに、2人で楽しみたい時とか、2人で楽しみたい事とかあるじゃん?」
「「····確かに」」
「あるの!?」
「「「ある」」」
一体、それぞれが何を企んでいるのか、恐ろしすぎて聞く事ができない。
凄く真面目に話し合っているところで申し訳ないのだが、そろそろどうでも良くなってきた。あんなに激しいセックスの後なのだ。眠い。
「僕のシェアの話はどうでもいいんだけど····」
「え、それどうでもいいの? あら、結人眠い?」
「そりゃ、お前らが来る前からイキっぱなしだったからな」
何をふんぞり返って言っているんだか。誰の所為でクタクタなのか、わかっていないようだ。
「あのね、僕ね、デートとかしたい。手繋いだり、抱き締め合ったり、見つめ合ってキスして照れて······そんなくすぐったい····恋がしたい······」
眠くて虚ろな所為か、言葉が勝手に飛び出していた。
「結人····そんなピュアな事、死んだ魚の目ぇして····」
「ゆ、ゆいぴ····デートしよ! いっぱいドキドキきゅんきゅんさせてあげる!」
「デートしただろ」
「「「······え?」」」
少し目が覚めた。りっくんと啓吾も、同時に驚いた。
「ゲーセン行っただろ。手繋いで走っただろ。キスはまぁ····照れてはねぇな」
「待てよ。いつデートしたの? 俺もゆいぴとデートした事ないのにぃ!?」
「あっ! 初めて拉致られてった時か! あれ、デートだったんだ。マジか。あんな誘い方でデートだと思うわけねーじゃん。場野バカじゃねぇ? あっははは──いでっ」
啓吾は八千代からゲンコツを賜った。
「そっか。あれデートだったんだ····僕の推し····あっ!!」
「「推し?」」
「コイツ、オタクなん知らねぇの?」
「「知らない····」」
3人でまだ何か喋っているけど、明日が推しの誕生日なのを思い出したら、ニヤけるのが止まらなくなって、色々考えていたらそのまま眠ってしまった。
「結人、めちゃ幸せそうな顔して寝ちゃったけど」
「帰る時間まで寝かしといてやれ」
僕は、皆の優しさに包まれて眠った。そして、起こされるなり慌てて帰り、色々と準備をして推しの誕生日を迎えた。
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