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生殺し作戦
「んじゃ、次俺ね」
まだ身体がヒクついてる僕の股ぐらに、啓吾が来ておちんちんを穴に滑らせる。
「啓吾、さっき口でシたもん。お尻らめっ」
「えー? あっ、他の子の話したから拗ねてんだろ。ごめんな? 比べられんの嫌だった?」
「····啓吾が、他の子とえっちしてるの····想像して嫌だった」
「あーははっ。妬き方まで可愛いなぁ。俺のちんこ、挿れてほしくない? これもう一生ね、結人だけのちんちんなんだけど」
いつもながら啓吾は、耳元で狡い事ばかり言う。おちんちんの先っぽを、ほんの少しだけ挿れてグリグリ回しながら。欲しくないわけないじゃないか。
「い、挿ぇて····欲しい」
「どうやってお強請りすんだった?」
冬真くんが居ることなんて、この瞬間は頭からずっぽ抜けていた。
「ふぇ····啓吾のおっきぃおちんちん、僕のアナルに挿ぇてくだしゃい····」
啓吾に向かって言ったのだが、その向こうに冬真くんが見えてしまった。あまりの恥ずかしさに、大粒の涙が零れ落ちる。
「上手にできました。一気に抜くから、口塞ぐよ」
啓吾は手で僕の口を押さえると、冬真くんに見えるように角度を変えて挿れた。一度奥の扉を確認すると、ずるるると抜いて一突きに貫く。
「ん゙ふぅううっ」
「おっまえ·····マジで性格悪いな」
「だってお前、見学してんだろ? だったら折角だし、しっかり見せてあげなきゃなぁ。俺、優しさのつもりなんだけどっ」
冬真くんに意地悪を言いながら、待ったなしでズンズン奥を突き上げる。
「んはぁっ····ひぅっ、啓吾、激し····んっ、奥、壊れひゃう····」
口を塞いでいた手を抱き締めて、必死に訴えかけた。だが、逆効果だったらしく、激しさを増した突きでまたイキっぱなしになってしまう。
「け、ご····らめ····も、出にゃぃ····んぉ゙っ····」
もしかすると、ハイになった啓吾はりっくんよりも長期戦になるかもしれない。既にイキ過ぎて苦しいが、ハイになった啓吾が凄く好きだから本気で止められない。
正常位で、啓吾が僕を見下ろす時。普段は優しくておちゃらけてばかりの啓吾が、僕を虐める時だけSっ気を顕にする。無邪気に僕をイジメてくる、嗜虐心にまみれたその表情が、眉間に皺を寄せて見下ろす劣情を孕んだ目が、堪らなく好きなのだ。
「なぁ、口でシてもらうのもダメ?」
「はぁ? いいわけねぇだ──」
啓吾が苛ついて何かを言おうとしたが、僕はそれを遮って疑問を投げかけてしまった。
「冬真くんのおちんちん、口ですゅの? 僕にシてほしいの?」
「····ほしい」
「ダメ。させないかんな。なんで結人はやる気満々なの?」
そういう訳ではないが、あまりにも気の毒に思えたのだ。
「違····だってね、冬真くん苦しそうなんだもん····。啓吾も意地悪するし、可哀想だよ」
「なぁ結人、それ浮気だってわかってる?」
「へ?」
「冬真が無理矢理シてきたら被害者だけどさ、結人からしゃぶったり挿れさせたら、それは浮気だかんな」
「······はぁっ!! そっか。確かに····そうだよね。ごめんなさい····」
「マジでわかってなかったんだ。はぁ····。お優しい結人くんがこう言ってんだけど、皆さんどう思います?」
「どうって····。ゆいぴだなぁって····ホント、気持ちイイ事に関しては啓吾よりおバカだもんね」
「どうもこうもないな。絶対させねぇ」
「ったく、手に負えねぇな····。しゃぶりてぇんなら俺らのしゃぶれや。好きなん選んでいいぞ」
「しゃぶりたくて、ふぅっ····言ったんじゃないもん。ぁあっ····冬真くんが苦しそうで、可哀想だなって、助けてあげたいなって····思っただけだもんん゙っ」
「ちょっとちょっとぉ、喧嘩しないでね? 武居、俺はいいから。ホント、見てるだけでいいから」
冬真くんは慌てて場を取り繕ってくれた。そんな冬真くんを、僕がジッと見ていると、何かを勘繰った啓吾が聞いてきた。
「結人····もしかして、冬真のしゃぶりたいの?」
「んぇ? や、違、そんなわけないでしょ」
「そうだよな〜。冬真のなんかしゃぶりたくないよな〜?」
「そ、そんな言い方したら、冬真くんに失礼だよ····」
「なぁ、正直に言ってみ? お前、俺ら以外のチンポに興味あんだろ」
また耳元で言う。それも、激しく前立腺を擦って快感を送り込みながら。
「ふあぁぁっ······ごめ、なしゃい·····あ、あるぅ····」
「あるの!? ゆいぴ、マジで言ってんの? ちょ待って。俺ら以外のちんこって、2本くらい知ってるよね。まだ知りたいの?」
「2本って····無理矢されただけだから、よく知らないもん」
「え、何その2本の話。めっちゃ気になるんだけど」
冬真くんはりっくんに説明してもらい、何故かおちんちんをギンッギンに滾らせていた。
「神谷さぁ、なんでこんな話聞いて勃たせてんの?」
「やー····だって、なぁ。武居が犯されてんのヤバくない? 襲った奴の気持ち分からんでもないわ」
冬真くんも、かなり欲に忠実なようだ。男子高校生なんて、そんなものなのだろうか。かく言う僕だって、あらゆる欲に逆らえないけれども。こと、気持ち良くなれる事に関しては、良くないレベルだと自覚している。
「んぁ····今日もギュウギュウに締まってんな。そんなに締めたらもたねぇんだけど」
「らって、勝手にっ、んぅっ······啓吾、ナカにいっぱい出してぇ····啓吾の精液、お腹で飲むぅ····」
「おま····マジで煽んなって。いっぱい飲ませてやるけどな。んー······なぁ結人、冬真のしゃぶる?」
「ふぇ····しゃぶ····? おちんちん? 食べぅ」
「完全にトンでるな。ワケわかんなくなってんだろ。今、神谷近づけたらしゃぶりかねねぇぞ」
「だねぇ。そーだ、今のうちに色々聞いてみっかな····」
「何聞くの? ゆいぴ、ワケわかってないじゃん」
「だから本音が出るんだろ? 結人ぉ、冬真のこと好き?」
「んぇ? 好きらよ····。らけろ、皆の好きとはね、違うの」
「友達としてって事かな。んじゃさぁ、冬真の挿れてほしい? 冬真も上手いって女子が言ってたよ」
皆、どれだけ学校の女子を知っているのだろう····。
「冬真くん、えっちじょーじゅなの? 気持ちくしてくえう?」
「多分な。なぁ、俺ら以外ので気持ちくなりたい?」
「気持ちぃの、ね、挿ぇてほひぃ····んふふ····冬真くん、頑張ってぅもんねぇ······」
「ん? え、寝たんだけど。しゃーねぇなぁ····。起きろよっ」
「ん゙ゔぅ゙ぅぅっ」
啓吾が口を塞いていてくれて良かった。今、普通に声をあげてしまいそうだった。
「まだ終わってねぇよ? 俺イッてないし。莉久も挿れる気だよ?」
「も、僕、むぃ····」
「····知らねぇよ。無理なのに冬真のは欲しぃんだ。つーかさっきさぁ、俺が女の子抱いてたの嫌がったくせに、自分は他の男に抱かれたいんだ。ほんっと淫乱だな」
「んやぁ····啓吾、怒ってう? ごめっ、ごめんなしゃい····冬真くんの要やない····皆のがいいのぉ」
啓吾を怒らせてしまったようだ。どうしよう。
「えー····なんかそれ傷つくんだけど。で、結局しゃぶってもらえないの?」
「しゃぶらせるワケねぇだろ。調子ん乗んな。お前は指咥えて見てろ。見てるだけがどんっだけ辛いか味わえ」
「えぇ····。なんでそんなキレてんの? 怖いんですけど。つぅか瀬古って、そんなに感情出せるんだね」
朔は、変わってゆく僕を見ているだけの時期があったから、それと重ねてしまったのだろう。そんなに辛かったんだと知ると、申し訳ない気持ちと同時に愛しさが込み上げる。
「け、ごっ····奥ちゅおい····んぐぅ····も、声、むぃっんぅっ」
啓吾が激しいキスで口を塞ぐ。まだ怒っているのだろうか。キスに優しさがない。
「ふぅっ····けぇご、やっ、ひっく····こぁい····」
「そりゃ怒ってるかんね。俺とヤッてんのに、他の奴のちんこ欲しいと思ってたんだろ? 結人が気持ちぃ事に弱いの知ってるし、だろうなと思って聞いたけどさ、やっぱ妬けるし腹立つわ」
「んっ、ふぅっ····ひっ····んっぐ·····ごめ、なしゃい····ごめ、んえぇ····」
「啓吾ぉ、そんくらいにしてあげなよ。ゆいぴガン泣きしてんじゃん」
「ハァ····。わかってんなら聞くなよな。お前も結人も、なんでそういうとこ無駄にチャレンジャーなんだよ。後で自分がどうなんのか考えてから聞けや」
「大畠、結人息できてるか?」
「あーっ、うるっせぇな。大丈夫だよ。はぁっ····聞いた俺が悪いけどさ、本音聞きたくなんじゃん?」
「確かにね。まぁ、予想通りだったけど。ホント、ゆいぴだねぇ」
「お前ら、武居に甘すぎねぇ? 俺が言うのも何だけどさ、アレ許すの?」
「ゆいぴのアレがないと、俺らこうなってなかったんだよね。まぁ、ヤッてる時以外はさ、ちゃんと俺らの事だけ愛してくれてるし? 全然許容範囲内だよ」
「へぇ····。だけって····だけ? ソウナンダァ。心広いのな」
皆が喋っているなか、僕は啓吾から折檻のような突きを見舞われている。もうイきそうなのか、りっくんの忠告を聞く気などないらしい。
「啓吾、ごめ、な、さい····も、怒らないれ····」
僕は、優しくしてと縋るように、啓吾に両手を伸ばした。啓吾は一呼吸置いて、僕を引っ張り起こして抱き締めてくれた。
(後頭部持って抱き締められるの、凄く安心する····。けど····啓吾、まだ怒ってる····)
「もう、怒ってないよ」
「嘘ら。啓吾、まだ怒ってぅれしょ。ギュー優しくない」
「ははっ。そんなんでバレんの? すげぇな」
「らって、いつもと違うもん。落ちちゅかないもん」
「そっか。そんじゃ、仲直りのちゅうしよっか」
「する、んっ····」
ようやく、優しいキスをしてくれるのだと思っていた。まさか、激しいキスをしながら奥を貫かれるなんて思わないじゃないか。
「ん゙ぅ゙····んはぁっ····ぁ、ぅくっ····け、ご、··深····」
「こ〜こっ、声我慢できたら許してあげる」
「なっ····、ふっ····ぅ······」
僕は必死に耐えた。凄く深い所まで入っていたけど、啓吾に許してほしくて、息もせずに声を押し殺した。
「っフゥー····、はは。結人、よく頑張ったね。そんなに俺に許してほしかったんだ。いいよ、もう許してあげる」
「ほんろ? 怒っへにゃい?」
「はは、ヘロヘロだな。もう怒ってないよ。だから、ちゃんとゆっくりイかせてあげるね。俺もイクから」
啓吾は、呆れたように笑った。今度こそ優しいキスをして、一緒にイけるぐぽぐぽをしてくれる。いつもの啓吾だ。
僕たちのこんな情事を目の当たりにして、冬真くんはどう思ったのだろう。
啓吾が奥にぶち撒けると、りっくんが啓吾を押し退けて交代する。
「ゆいぴ、まだできる? 大丈夫?」
なんて聞きながら、もう先端をピトッとくっつけている。なんなら、もう先っちょが入っている。
「····ダメって言っても、挿ぇうんれしょ? 我慢れきぅの?」
「ん〜。ゆいぴがどうしても無理なら、我慢するよ?」
なんて言いながら、我慢なんてできそうもないくらいえっちな顔をしている。
「無理····でも、りっくんもナカに欲しいって言ったら?」
「あは····我慢できない」
僕を見下ろしながら、舌なめずりをして言うえっちなりっくんは、ずっぽりと僕のナカに収まった。
「んぅぅっ······らめぇ····そこ、噴くの止まんにゃい······」
「朔にされてる時から凄かったもんね。ここ、ホント好きだねぇ」
「ひぅっ····かはっ······奥····もっと、ぐぽぐぽ····んぅ゙っ」
「だーめ。吐いちゃうでしょ? 奥じゃなくても、いっぱい気持ちくしてあげるから」
りっくんは僕の口をキスで塞ぎ、奥の扉を少し押し上げる程度のピストンを続ける。奥に入りそうで入らないのがもどかしいが、これはこれで苦しくもなく唯々気持ちが良い。
「りっく····ん······も、苦し······イキしゅぎて····苦ひぃ」
「限界かな? んじゃ、俺もイクから気絶しないでね。最後、奥抜くから吐くなよ、結人」
「んひあぁぁぁっ」
「ちょっ、声····ダメって言ってんだろ? 我慢しないと奥抜かないよ?」
なんだってこんな声を出せない時に、その口調で責めてくるのだろう。僕が好きだって、トロットロになるって知っているくせに。
「口、塞いでて····手で、ぎゅって······」
「仕方ないなぁ······。これでいい? イクよ」
「んぅ゙ぅ゙ぅぅぅっ!! ぅぐっ、ん゙ん゙っ」
「あっ····出る······奥で飲んでっ······んぁっ」
僕の奥へ長い射精を終えたりっくんは、僕の横に倒れ込み抱き締めてくれた。とても幸せそうで、僕も心が満たされた。
「さ、今日は終わりな。結人、拭いてる間に寝るだろうから、冬真も部屋帰って寝な?」
「お前ら、そこまでしてやんの? マジですげぇな」
「だって、なぁ····。動けなくしてんの俺らだし。こんくらい普通じゃね?」
啓吾がまた甘い事を言っている。けれど、もう眠くて目を開けていられない。
「普通ってお前らなぁ····、そういうの女の子にもしてあげてた?」
「「······してない」」
薄れゆく意識の中で、また嫌な話するなぁなんて思っていたら、何故かりっくんも声を揃えて言った。
「まず女の子相手に、ここまで好き放題やった事ないわ。つぅかまぁ、こんなに興奮しまくったこともないけど。ははっ、結人すげぇな」
「俺はゆいぴしか興味なかったから、出したら終わりって感じだったし····」
「お前ら、女子泣くぞ? ····なぁ、そんなに凄いの? マジで1回だけ、先っぽだけ入れちゃダメ?」
「「ダ──」」
「いいよぉ····。ちゅぎ、だぇが挿ぇぅのぉ······」
「よーっしゃ! 言質とった!」
「バッカ! 寝惚けてるだけだっつぅの」
「え〜、本人がいいって言ったんじゃん」
「だから寝惚けてんだって。冬真、いい加減に──」
もう目も開けられない僕の耳元に、熱の篭った吐息がフッと落ちてきて、髪をサラッと下ろすとこう言った。
「····なぁ結人ぉ、挿れていい? 結人んナカ、挿れたいなぁ」
「おまっ、結人って呼んでんじゃねぇよ。あと、俺っぽく言うな!」
(啓吾、もっかい挿れるのかな····)
「ひぁん······け··ご····挿ぇてぇ····(すぴー」
「あはは。寝てんじゃん。ま、じゃぁ啓吾じゃないけど先っぽだけ〜」
おちんちんが入ってくる。そう思っていたのに、入ってこない。
重い瞼を持ち上げておちんちんを探す。すると、朔が僕の股ぐらで、冬真くんにヘッドロックをかけていた。
「朔····? 何してるの!?」
「お前がこいつに挿れていいっつぅから、こいつマジで挿れようとしたんだぞ。だからこうなってる」
「えっ····僕、冬真くんに挿れていいなんて言ってないよ?」
「「「「「言った」」」」」
見事に全員の声が揃った。はて、言った記憶はないのだけど。
「ゆいぴ、寝惚けて言ってたよ。多分、啓吾と勘違いして」
「······あぁ! 啓吾が挿れていい? って····あれ? 啓吾じゃなかったの?」
「冬真が俺の真似して言っただけ。冬真、そのまま朔に落とされるか大人しく帰るか····どうする?」
冬真くんが朔の腕をタップした。しかし、激怒している朔は、そんなもの無視して絞め続ける。
「朔、離してあげて。そのままじゃ、冬真くん喋れないよ」
冬真くんは、解放されるや否や言った。
「ゲホッゴホッ····挿れてから落とされたい。武居に挿れたい。もう我慢できない····挿れたいですぅ······」
冬真くんは半べそをかきながら、僕を含め皆に倒れ込むように土下座した。皆は、汚い物を見る目で冬真くんを見下ろす。それがあまりにも憐れに思えた。
「どうするの? どうしたらいいの? これじゃ、いくらなんでも冬真くんが可哀想だよ····」
「何が可哀想なんだよ。あ〜····んじゃ、お望み通り挿れてから殺されるんでいいんじゃねぇか?」
落とすんじゃなかったっけ? 処遇が悪化している。
「おい場野、ふざけんなよ。俺は挿れさせんの嫌だからな。結人は性処理の道具じゃねぇぞ」
「わかっとるわ。当たり前だろうが。····けどまぁ、結人相手に、生殺しがキツいんは朔もわかんだろ」
「それは、まぁ····わかる。けど嫌だ」
そりゃそうだ。朔がマトモなんだと思う。逆の立場だったら、僕だって同じように思うだろう。しかし、ここまでしておいて帰れというのも、かなり酷なのは確かだ。
「俺、まだ死にたくない。痛いのはヤだ。でも挿れたい····。て言うか、武居を泣かせたい」
「ちょ··なんで僕、泣かされるの?」
と、疑問に思ったのは僕だけだったようだ。皆、凄くわかるって顔をしている。
「ホントに、1回だけ。それで綺麗さっぱり忘れるから。お前らの事も言い触らしたりしないし、協力できることはするから。頼む、1回だけ····」
「どうする? ここまで見せた俺らも悪いけど····」
「まぁ、本当にバラされたら困んのは事実だしな。冬真、約束は破んねぇけど、口止めしはとかねぇとホントにバラしかねないもんな····」
「結人はいいのか? 千鶴くんのがあったし、俺ら以外とできんのか?」
「えっと····、無理矢理じゃないなら····多分、うーん····多分」
「結人は顔が良くて気持ちけりゃ大丈夫だろうけどよ、問題は俺らだろ。結人が目の前でヤられてんの、見てられんのかってトコな。特に朔。お前、嫌なんだろ?」
八千代の僕に対する認識が酷い。誰でもいいみたいに言われるのは心外だ。
「嫌だ。けど、口止めだってのはわかってる。だから、結人が無理じゃねぇなら我慢する」
「朔····。えっと、聞いていいのかな····」
「どうした?」
「あのね、僕が冬真くんとするの、嫌なんだよね?」
「ああ。嫌だ」
「じゃ、なんでそんなガン勃ちしてるの?」
「これは····なんとなくだ」
「お前、気持ちと身体が真逆だぞ。結人が犯されんの、実は興奮してんだろ」
「············してる」
「あははっ。ホント、皆欲に忠実だねぇ。わかった。冬真くんと1回だけえっちして、全部なしにする。それでいいんだよね」
「マジでいいの? やぁった!! 俺、約束だけは絶対守るから!」
冬真くんは意気揚々と僕を押し倒すと、早速お尻を弄り始めた。
「んや、ぁ······えっと····皆見てるの? 見るの、嫌じゃないの?」
「放置はできないでしょ。ゆいぴに変な事したら、その時点で絞めるから安心してね」
「俺は別に、今更っていうか····なぁ?」
啓吾が八千代に同意を求める。さっきは怒るくらい妬いていたのに。
「まぁな。ぶっちゃけ、全く知らねぇやつじゃない分、マシかと思えるとこはあるな」
「結人、嫌になったらすぐ言えよ。すぐに引き離してやるからな。あと、イチャつくのだけはやめてくれ」
「そうだ、冬真。煽られても乗んなよ。俺らでも結人の煽りに耐えんの辛いけど」
「お、おぅ。頑張るわ」
かくして、冬真くんとの一度きりのえっちが始まる。
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