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仲良くしようよ

 啓吾が僕のナカから出て小休止····かと思いきや。りっくんが口移しで水を飲ませてくれた。そして、ムスッとしたまま僕のナカに収まる。 「んっ、ふぅ····りっくん、怒ってるの?」 「だってゆいぴ、場野に甘いんだもん。俺、マジで心配なんだよ?」  りっくんが僕の頬を摘まんで言う。僕はいたたまれず、両手を目一杯伸ばして抱き締めてもらう。 「ごめ··んね。ホントに嫌な事はんぅっ、ちゃんと、言うよ。ひぁっ♡ あぁっ、ねぇ····僕ね、りっくんにも甘いんだよ?」 「どんなふうに?」  小刻みに動きながら喋るのをやめてほしい。喋るなら動かないでほしい。ホント、意地悪だなぁ。 「えー····っとね、りっくんが甘えて、お願いしてきたらぁ、あんっ、断れないんだよ」 「ほんとに? じゃぁね〜····」  僕から舌を絡めろだの耳元で喘げだのと、上手に甘えて色々と強請ってきた。そして、僕から舌を舐めるアレをやったら、啓吾が拗ねてしまった。当然の反応だろう。さっきは、八千代に邪魔されてできなかったのだから。 「それぇ! 俺もさっきシてほしかったぁ!」  まったく、膨れている啓吾は本当に可愛いんだから。なんて、僕がニヤニヤしていると、啓吾が僕とりっくんの間に顔を突っ込んできた。 「うわっ! ちょ、啓吾!? 邪魔すんなよ!」 「結人に舐めてもらうだけだから〜」  仕方がないので、さっさと啓吾の舌を大きく舐める。これの何がいいのだろうか。ひたすら恥ずかしいだけなんだけど。 「さっさと退けよ! ·····ったく。ゆいぴ、奥抜くよ? 泣いても俺がイクまでやめてあげないからね」  機嫌の悪いりっくんは、さらにご機嫌をナナメにして奥を抉る。 「にゅぅっ、ふぅんあ゙ぁ゙ぁぁ!! 」 「ゆいぴ、もっかい舌出して」 「ふぇ····」  そんな余裕なんてないのに。僕はおずおずと舌を出す。 「目、閉じないで」  恐る恐る目を開けると、りっくんが雄々しい目で僕を見ていた。一瞬たりとも目を逸らさず、ザリッと舌を舐め合わせる。 「あはっ、イッたでしょ。可愛いなぁ」  りっくんの機嫌が、少しだけ良くなったみたいだ。やっと笑ってくれた。 「もう····。ねぇ、これ··そんなにいいの? 確かにちょっと··気持ち良いけど、んっ····恥ずかしすぎるよぉ」 「ゆいぴがギュッて目瞑ってべーってしてる顔が可愛い。舐めたらビクッて身体跳ねんのが可愛い。舐めたらイクのも可愛い」 「可愛い··の、詰め合わせなんだね····」 「そういう事。目合わせながらシたら、舐める前から真っ赤になんのも可愛いよ」  りっくんの言葉に、僕はまた顔が熱くなった。ご機嫌になったりっくんは、僕をベッドに寝かせると前立腺を擦り潰す。  腰を打ちつける音が耳に響く。りっくんが、僕の片足を抱えてイク準備に入った。奥をトントンと叩くと、一息に奥を貫く。 「ん゙あ゙ぁぁっ!! お゙っ、んぅ゙·····ん゙え゙ぇ゙ぇぇ」 「ゆいぴ、苦しい? あー····可愛い♡」 「ゔぇ゙ぇぇ······お腹、苦じぃ····へあぁぁっ♡♡ も、そこらめっ! グリグリしたら、吐いちゃ、ゔぶっ····」  りっくんがイクまでの数分、吐かされ続けて胃が空っぽになった。もう吐けない。精液も潮も、もう何も出ない。  僕のお尻はずっとイキっぱなしで、足がガクガクするのが止まらない。そんな僕を見て興奮してしまう変態なりっくんは、ようやくイッて僕の奥にぶち撒けた。  りっくんが僕のナカから出ていくと、八千代が来て再び目隠しをされた。これから朔とするんじゃないのかな?  視覚的にエロいとか何とかで、目隠しをされた僕が犯されるのを見たいらしい。でも今度、自分たちも目隠しをした僕を犯すと言っていた。何がしたいんだ····。  さらに、ついでだと言って朔が僕の手を縛った。  仰向けで寝かされると、両足首を掴んで持ち上げられた。片手で持っているようだ。  アナルに押し当てた亀頭を滑らせ焦らしてくる。 「ふあぁっ····。朔? ね、もう挿れて? そこに当てられるの、焦れったいよぉ」 「ん゙っ····わかった。挿れるぞ」  朔の大きいおちんちんが、ゆっくりと僕の肉壁を押し拡げて入ってくる。それだけでもう、イクのが止まらない。 「んっ、にぁぁっ♡♡ ゆっくり挿れるの、狡いよぉ····。んあぁぁっ!! イクの止まんにゃいぃっ」  朔がゆっくり押し拡げて進むと、ゾワゾワが腰から背筋を走り抜けてゆく。下半身のキュンキュンが止まらない。  腰を振らずに、力を入れてグイッグイッとナカで動かす。キュッとお尻に力が入り、僕のナカに在る朔の形が凄くよくわかる。  僕の足を握る手に力が入る。朔の荒い息遣いに耳を犯され、それでまたイッてしまう。  あぁ、朔の顔が見たいな。 「朔、目隠し取っていい?」 「どうした? 怖いか?」 「ううん。朔の顔··見たい」  朔のがナカで大きく脈打つ。そして、グゥっとまた大きくなった。なんでだ。  僕が手探りで朔を探すと、朔は目隠しに指を掛けた。やっと朔の顔を見られるんだ。そう思ったのも束の間。目隠しを外さないまま激しいキスをされた。 「んぅっ、は、ぁ····んんっ····朔、もうやだ、早く取って」 「お、わりぃ。あんまり可愛いこと言うから、つい食っちまった」  そう言いながら、目隠しを外してくれた。嬉しそうな顔をして僕を見つめる朔。頬が紅潮している。顔を見たいと言ったのが、そんなに嬉しかったのだろうか。  僕まで頬が緩んで、にへらと情けない顔を晒した。すると、朔は僕の顎を押え、再び食べてしまうようなキスをした。同時にナカを抉る。上も下も快感が跳ねて、連続でイッてしまった。    長いキスで息ができなくなってきた。ボーッとしている中で、朔が声を漏らしている事に気づく。  気になってうっすらと目を開ける。眉間に皺を寄せ、見ただけでお尻がキュゥっと締まるほど、剥き出しに雄の顔をしていた。そんなえっちな顔で舌を絡めながら、余裕なんて無さそうに僕の奥を突き続ける。  僕の腰を持ち上げて足を広げ、体重をかけておちんちんを押し込む。根元までは挿れないように注意して、それでも僕にはキツいくらい奥を潰す。 「ひあ゙ぁ゙ぁっ!! 朔ッ、しょこらめっ♡ やぁっ、なに!? しゅごいのキちゃうぅ!!」 「俺もイク。ここ握ってろ。俺ので熱くしてやるからな」  こんな時に王子スマイルで!! 余裕のない笑みに、僕の全身は熱を帯び身震いした。僕の手を下腹部に持ってくると、『ここな』と言って握らせた。  僕たちは一緒に果てた。腹の奥に放たれた熱を感じ、僕だけ何度か余分にイッた。 「結人、風呂行こっか」 「啓吾はダメ。まだ腕治りきってないれしょ」 「もう大丈夫だって〜」 「そんな事ばっか言ってるから治んの時間かかってんじゃないの? ゆいぴは俺が風呂入れるから、啓吾は大人しくしてなよ」  りっくんは、僕を抱えて浴室に向かう。で、何故か啓吾が後ろからついて来ている。怪我人は大人しくしてろと言われ、ベッドの片付けもさせてもらえないから、どうにも退屈なんだそうだ。  朔に連れられて部屋に戻ると、八千代がパンケーキを用意してくれていた。ホイップが乗っていてチョコソースもかかっている、僕が好きなやつだ。  朔が僕の髪を乾かしてくれている間に、八千代がそれを食べさせてくれる。そこへ、りっくんと啓吾が戻ってきて言った。 「なぁ、それは甘やかしすぎじゃねぇ?」 「おじさんに言われた事、忘れたの?」  僕たちは固まった。もぐもぐは止まらないが。  確かに。父さんに言われてから数日は皆も気をつけていたようだが、ここ最近は前にも増して甘やかされていたかもしれない。 「じ、時間がないからいっぺんにしないと····なぁ」  朔が言い訳をかます。 「あ? これのどこが甘やかしてんだよ。普通だろ」  八千代は既に感覚が狂っていた。 「えっとね、僕も甘やかされてるなぁって思うよ」 「は? 甘やかしてんじゃねぇだろ。イチャついてんだよ」  八千代の口から“イチャついてる”というワードが出て、僕たちは目を丸くした。なるほど。それなら、甘やかされているのとは違うのか。  って、そんなワケない。朔は、何がツボったのか笑い始めた。 「お前··ふふっ····イチャついたのか」 「んだよ。どう見てもイチャついてんだろうが。だからセーフな」 「何がセーフだよ。お前ホント、結人の事になると頭悪いよな。俺以上じゃね?」 「あっはは! それ言えてる。啓吾よりバカだよね」 「んじゃテメェら、もう結人甘やかすなよ。お前らの分まで俺が甘やかし倒すからな」  八千代は僕の口を拭きながら言った。これは、甘やかされているというよりも、やはり介護や幼児のお世話に近い。  あと、やっぱり甘やかしてる自覚はあったんだ。 「んだよ、甘やかすなとは言ってねぇだろ。俺らだって甘やかしたいっつぅの〜」  なんてくだらない言い合いをしているのだろう。僕一人、凄く恥ずかしいのだけれど。  髪を乾かし終え、僕はりっくんと帰路に着いた。  しっかりと手を繋ぐ。僕に、車道側を歩かせない。段差を教えてくれる。人とすれ違う時、肩を抱き寄せる。重い荷物を持ってくれる。これは····。 「りっくん。僕、女の子じゃないからね?」 「なに? 急に。知ってるけど」 「見て、現状。僕、今完全に彼女だよ? 荷物くらい持てるからね」 「あ〜····。ごめん、無意識だった」 「へぇ〜······」 「元カノにこんな事しなかったよ」 「なっ、何それ。そんなの聞いてないもん」  まただ。小さな嫉妬を燃やした僕の心を見透かされている。 「あははっ。そうだね。俺はねぇ、ゆいぴしか大切にしないんだよ。だからさ、彼女扱いじゃないの。ゆいぴを大事にしてるだけだって知ってて欲しかっただけ」  それは知っている。しかし、なんだか納得がいかない。だけど、甘々モードに入ったりっくんに何を言っても通じないだろうから、もう何も突っ込まないでおこう。  その後も、しっかり大事に扱われながら帰宅した。

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