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最後の夜
平静を装っているが、本心なんて目を見ればわかるんだ。雄として僕を捕食するんだと、眼光の鋭さが物語っている。紅潮した頬が、朔の抑えきれない昂りを思い知らせて、僕まで熱くしてしまう。
そんな朔を『えっちだなぁ····』なんて思った瞬間、朔が一振りめからラストスパートをかけ始めた。うっとりと眺める事もできず、嬌声が吐くように溢れ出てくる。
「あ゙ぁ゙ぁっ!! しゃくっ、激しッ····んぉ゙ぉっ····ぁがっ····ハァッ、ふぅっ······」
「俺たちの奥さんは、激しく酷くされるのが好きなんだろ? 明日は帰らなくちゃいけねぇからな。壊さねぇ程度にぶっ壊してやる」
どっちだ。壊されるの? 壊されないの?
どっちでもいいや。朔がナカをぐちゃぐちゃに抉って、恍惚な顔で僕を見下ろしてくれるなら。
朔に持ち上げられて腰が浮く。足もベッドにつかない。そんな状態で奥をごちゅごちゅイジめて、壊す気満々じゃないか。
朔の奥責めに、意識を保つだけで精一杯だった僕を、八千代がさらに壊そうとしてくる。
「なぁ、俺にも言えよ」
本当にヤキモチ妬きなんだから。普段はオラついているくせに、こういう小さい面を見ると可愛いと思ってしまう。
「旦··にゃ様··の、おちんちん、喉の、奥までくらしゃい」
「ッフゥー····ぉし」
息を大きく吐いて整えながら、僕の頭をクイッと持って上を向かせる。そして、遠慮なく喉奥へと侵入してきた。
「お゙ごっ·····ぇ゙····んぅ゙··ごぶっ··ぶぇ゙っ····」
「お前ら2人で串刺しにすんのさ、マジで可哀想だわ····」
「大丈夫そうだぞ。結人、場野が挿れようとした瞬間からすげぇイッてるから。喜んでんだろ?」
「あ〜あ〜····嬉ションしちゃって······ゆいぴホンット可愛いなぁ。俺も嬉ションされたい」
「わっかる〜。俺もさせたい」
なにを悠長に話しているのだろう。オシッコを漏らさせたいなんて、どういう神経をしているんだ。
そういえば、最近はお漏らししちゃうのも当たり前になってきている。皆、僕にNGがないとか言ってたけど本当なのかな?
途切れそうな意識の中でいつも、くだらない思考ばかりが巡る。八千代が喉奥で射精して、朔が結腸に注ぎ込み、僕はなんとか失神する前に解放された。
そして、八千代と朔から、りっくんと啓吾へと引き渡される。
「ゆいぴ、こっちおいで。明日は朝早いからら、早めに寝かせてあげるね」
「はぇ····そぇって、寝ぅの? 失神すぅの?」
「ん〜、どっちがいい? 結人は失神するくらい激しくされるほうが好きだよな?」
「······す、好きぃ」
「はい、決定ね。ゆいぴ、どっちに挿れてほしい?」
「んぇー····」
どっちも。なんて我儘な事は言えない。けれど、どっちかなんて選べない。1番困る選択だ。
「そんな困った顔しないで。ごめんね····ゆいぴに選ばせるなんて、1番酷だよね〜」
「だよなぁ〜。結人は選べねぇもんな。だからさ、両方欲しいよな?」
りっくんは謝る気なんてサラサラな顔だし、啓吾なんてはなっから2人で挿れる気満々な様子で、それぞれ僕に迫ってくる。
啓吾が僕の耳をぴちゃぴちゃと舐め、りっくんが囁く。
「選べないなら両方····いいよね?」
「ひぁぁ····♡ ほ、欲しい····りっくんのも啓吾のも、2人のおちんちん欲しいよぉ」
啓吾に跨り、ぐぷっとおちんちんを飲み込む。挿れただけで脚に限界がきた。奥をグッと突かれてイッてしまい、脱力して啓吾の胸に蹲る。
啓吾が僕のお尻を鷲掴み、りっくんに向けて拡げる。りっくんは呼吸を乱しながら、親指で穴を拡げて僕のナカへ押し挿ってくる。
「お前ら最近それ多くないか? マジで結人のケツ締まんなくなるぞ」
「無理はしねぇって。特別な時しかしねぇよ」
特別な時っていつなのだろう。お仕置きの時? 旅行の時? 僕にとって皆と愛し合う事は、いつだって特別なんだけどな。
朔の心配など他所に、りっくんと啓吾は僕のナカを交互に擦る。2人がかりだからこそできる、超高速ピストンで弱い所をイジメられる。
2人ともガチガチに勃つと凄く反るから、ナカを拡げられているようで怖い。怖いのに、2人の余裕のない声を聞いているとイクのが止まらない。
いつもは声を漏らさないのに、2人で挿れている時は吐息の様な声を、凄く苦しそうに零すんだ。そんなの、耳だけでイッちゃうよ。
僕がイキっぱなしだろうが構うことなく、2人は僕のナカで暴れ続ける。浅い息を繰り返すだけになった頃、漸くラストスパートに差し掛かる。
僕は力無く啓吾の肩にしがみつき、2人が無理矢理に押し込んでくる快感を受け止める。それももう受け止めきれなくて、涙が溢れて止まらない。
「けぇ··ご····りっく····も、らめ····んぁ゙ぁ゙っ、イ゙クにょ、止まんに゙ゃ、い゙あ゙ぁぁ! も゙ぉ、やぁ゙ぁっ····」
僕は、なんとか2人がイクまで耐えた。りっくんに、両腕を持って引き起こされながらナカに注がれる。
2人の精子を沢山流し込まれながらイッて、思わず腰を反らせた。その拍子にまたイッて、りっくんにもたれ掛かったまま意識を飛ばしてしまった。
***
「····あれ? ゆいぴ? ゆいぴ〜」
「トんだね。んぁ〜····一旦抜くか」
「ん。抜くからゆいぴ支えてろよ」
「おっけ。結人おいで〜」
莉久は結人を啓吾に預け、そぅっとナカから抜け出る。結人は啓吾の胸に抱かれ、心地よさそうに眠ったまま微笑む。
「うぁ····何か垂れてきた····ちんこ伝うの気持ち悪ぅ」
「気持ち悪いとか言うなよな。俺らが出したヤツだろ。んはっ、ゆいぴアナル開いたまんま〜」
「おぉ····エロいな。おい、カメラ何処だ? おい場野、早く。カメラ持ってこい」
「命令してんじゃねぇよ。····ほらよ。あのクソ執事、まだ撮ってやがんのか」
「この旅行中、ずっと撮るって昨日言ってたぞ。せっかくだから、可愛い結人を全部まとめさせようと思って許可した。マズかったか?」
朔がコテンと首を傾げて問う。八千代はぐっと言葉を飲み、それ以上責めることができない。
「いいんじゃない? 俺もゆいぴの動画いっぱい欲しいし。自分たちで撮らなくていいから、肉眼でゆいぴ見てられるし」
莉久と啓吾は常日頃、結人にカメラを向けているのでレンズ越しに結人を見ることが多い。それ故に、お役目から解放されたこの状況を喜ばしく思っているのだ。
それぞれ思う事はあろうが、結人の痴態を永久保存できるとあっては、凜人に対し何も言えないのである。
莉久は変態じみた事を、恍惚な表情で結人のお尻を揉みながら言う。それを、八千代から渡されたカメラを手に、朔が熱心に撮影する。
撮影が始まるのを待っていた啓吾がナカから出ると、結人は甘い声を漏らした。
「ンやっ····」
「寝ながら感じてんのかーわい。凜人さん、編集までしてくれてるしな。さっすが変態」
「変態過ぎんだよ。アイツが結人のエロいとこ見てんのが許せねぇ」
「場野ってホント凜人さん嫌いだよね。気持ちはわかるけどさ、それこそ今更じゃない? 俺と啓吾は、ゆいぴに集中できんのマジでありがたいんだけど」
「お前らは常にカメラ構えてるもんな。おかげでアルバムが可愛い結人で埋まってきてんのはありがてぇ」
「っしょ? 俺らの努力感謝しろよな」
「うるっせぇわ。お前らが勝手にやってんだろうが」
「あ〜! そういう事言うんだったらもう場野には送ってやんねぇ」
「あ? んな事してみろ。お前のワックス全部混ぜたるからな」
「地味な嫌がらせやめろよな! つぅかマジなハナシさ、凜人さんて朔が見たい結人っつぅのわかってるだろうし、それって結局俺らが見たい結人じゃん? メリットだらけなんだよな」
「······まぁ····そうだな」
苦虫を噛み潰したような顔で、八千代もそれに同意する。凜人の魂胆など、朔に褒めてほしい一心だと言う事はわかっている。けれど、やはり莉久と啓吾ほどは素直に受け入れられない八千代であった。
「とりあえず、結人風呂連れてくから貸せ。お前ら、ベッドやっとけよ」
「「はーい」」
莉久と啓吾が幼稚園のように返事をする。苛立ちを隠そうともしない八千代は、舌打ちを零してから結人を抱き上げた。
そして、くたっと力の抜けている結人を浴室へと連れて行く。
***
息ができなくて目が覚めた。
僕は今、浴室で八千代の膝に乗せられ、眉間にシワを寄せた八千代から激しいキスをされている。
「んぅ····八千代 ····何 ····?」
「ん、黙 れ」
八千代の機嫌が悪いような気がする。僕が眠っている間に、何かあったのだろうか。僕が早々に力尽きてしまったからかな。
「ふぅ····ん、んはぁっ····八千代 、待って」
「待たねぇ」
「んっ····ぇぁ····んぇ゙····」
キスは激しさを増し、奥まで舐められて嗚咽を漏らしてしまう。僕の所為なのだとしたら、ちゃんと謝りたいのだけれど。
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