164 / 384
センリツ
夕飯を待つ間、朔にピアノを披露してもらう事になった。部屋にピアノがあるんだぁなんて、もう誰もツッコまない。そして、ソファにでんと座る八千代とは対照的に、僕は畏まって座る。
ピアノに向かい、鍵盤を撫でながら朔が言う。
「約束してたのに、学校で弾いてやれてなかったな····」
「そんなの全然気にしないで」
「何かリクエストあるか?」
「えっと、ごめんね。クラシックあんまりわかんないや····」
「それじゃ、俺の好きな曲でいいか?」
「うん!」
朔の指が優雅に踊りだす。曲名は知らないけれど、聴いた事のある曲だ。それより、美しい旋律を奏でる朔の横顔が、あまりにも優美で見惚れてしまう。
皆、普段はクラシックなんて聴かないだろうに、静かに聴き入っている。
静かに弾き終えた朔は、一呼吸おいて僕を見る。
「····おっ!? 結人、なんで泣いてんだ?」
ぎょっと驚く朔。僕は、聴いているうちに自然と涙が込み上げていた。とても優しくて、愛情に満ちた気持ちになったんだ。
「ううん、ジワってきただけだよ。大丈夫。あのね、その曲聴いた事ある。凄く綺麗な曲だね。なんか優しい感じ」
「ヴェートーベンのピアノソナ··タ······まぁ曲名なんかいいか。母さんが好きだからって聴かされてるうちに、俺も好きになってたんだ。って、大畠が寝そうだぞ」
そう言いながら、朔が隣に座って僕を膝に乗せた。
「ホントだ。啓吾! 寝ないの。起きて」
「んぁ? あぁ、ごめんごめん。聴いてたらめっちゃ気持ち良くなっちゃってさ」
「わかるけどさ。ホント、聴き入っちゃったよね」
それよりも僕は、優雅にピアノを弾いた朔へのトキメキが止まずに困っている。顔よりも胸が熱い。
「ははっ。結人、すげぇ心臓バクバクしてんな。なんでだ?」
「朔がすっごく綺麗だったからだよぉ。いつものカッコイイのとは違ったからビックリしちゃって····」
僕は、朔の手で顔を覆って隠れる。しかし、指を口に挿れられ、えっちな雰囲気になってしまった。
「朔 ····やめ ····」
「ちょっとだけな。お前が俺の事欲しそうな目で見てんのが悪い」
(僕、そんな目で見てたのかな? なんだか恥ずかしいや····)
朔は、指で僕の口内を撫で回しながら、耳を食 んだり噛んでは甘い声を流し込む。耳だけでイッてしまった僕は、気づくと朔に衣服を剥かれていた。なんて手早いんだ。
「朔、最後までするの? ご飯、呼ばれちゃうよ?」
「待たせりゃいいだろ。結人のそんな顔見たら我慢できねぇ」
雄の顔でそんな事を言われると、とてもじゃないが断れない。あれよあれよと、朔は僕をお風呂に連れ込んだ。普通にお風呂まで連れてこられたが、道中誰にも会わなかった。お家が広すぎるからなのだろうか。
洗浄を終え、僕はバスローブに包まれる。そして、例の如く立てない僕は朔に抱えられて部屋に戻る。その間も誰にも会わない。
と思ったら、翔さんと鉢合わせてしまった。
「お~····お前らナニしてんの?」
翔さんはニヤニヤしながら、面白がって聞いているようだ。意地悪な顔をしているが、朔に似ているので凄くカッコイイ。朔では見れない表情だ。
「····煩い。記憶消せ」
「朔、マジで俺に冷たすぎだよ? あはっ、結人くんぐでっぐでじゃん。なに~? 今からヤんの?」
「翔には関係ねぇだろ。それ以上結人見たら目ぇ潰すからな。目瞑ってそこ退け」
めちゃくちゃ言うなぁなんて思っていたら、翔さんもぶっ飛んだ事を言い出した。
「男同士っつぅの見てみたいんだけど。ダメ?」
「いいわけねぇだろ」
「え~!見たい~!!」
「チッ····騒ぐな。結人が風邪ひいたらどうしてくれるんだ。さっさとそこ退け」
翔さんには、千鶴さん的な意味で合わせたくないと前に言っていたが納得だ。見た感じは悪い人には見えないが、ノリが軽すぎる。もしかすると、千鶴さん以上かもしれない。
翔さんが道を開けると、朔は無視してそそくさと部屋に戻る。そして、僕をベッドに寝かせると、扉の前をバリケードで固め始めた。
「え、なに? 朔何してんの?」
りっくんが驚いて聞くが、朔は黙々とソファやチェストを運ぶ。そして、大きな窓のカーテンを閉めると、満足そうな顔で言い放った。
「翔と鉢合わせちまったから念の為な。アイツ、平気で乱入するようなヤツなんだ。わりぃな。記憶は消せって言っといた」
「言っといたじゃねぇよ。ちゃんと消してこいや」
「後で絞めとく。けどもう我慢できねぇ。先に結人抱かねぇとちんこが爆ぜる」
それは大変だ。僕がボヤッと眺めていると、朔は息を荒らげながら足首を掴み開脚させた。
お尻や内腿を噛み、噛み跡を舐めてはもう一度噛む。アナルに舌の熱を感じ、一生懸命朔の頭を押さえる。
「やらっ、そんなトコ舐めちゃらめぇ」
「ん? ふぅ····今更何言ってんだ。いつも舐めてんだろ。いい加減慣れろ。よし、挿れるぞ」
「ひにゃぁぁっ····んぐぅ····お゙っ··きぃ····」
ねじ込まれたおちんちんの大きさに悶えていると、りっくんが甘いキスで口を塞いだ。
「あんまり声出したらマズイんじゃない? ゆいぴ、シィー····ね?」
なんって甘い黙らせ方なんだ。おかげで鼓動が煩い。おまけに心臓が痛い。
「やっ、りっくん····えっちすぎるよぉ」
僕は顔を覆って隠した。すると、りっくんは僕の両手を顔の横に押さえつけ、さっきとは真逆の激しいキスで口を塞いだ。
僕が声をあげられないのをいい事に、朔は思い切り奥を抜く。それと同時に、僕はイッてしまった。
「ん゙ん゙ん゙っ!!」
それでも容赦なくぐぽぐぽされているうちに、噴き出した潮で水溜まりができていた。背中が気持ち悪い。
「朔、それベッド大丈夫なの? ゆいぴ、噴くの止まんないよ?」
「あ? んなのどうでもいい。買い換えりゃ済むし、ここに帰ることもねぇからな」
「そんな寂しい事言うなよ~」
浮いた声に驚き、僕たちは声のした方向を見る。が、そこはさっき閉めたカーテンで、誰も居るはずがない。しかし、間違いなくそこから聞こえたのだ。さらに、僕たちはその声に聞き覚えがあった。
朔は僕のナカから出て、全裸でベッド横の窓のカーテンを勢いよく開ける。
「やっほ~。開~け~て~」
朔は無言でカーテンを閉めた。そして、何も見なかったかのように、再び僕に挿入しようとする。
しかし、窓ガラスを叩く音と、翔さんの気の抜けるような軽い声が部屋に響く。
「さーくー? 開けて~。俺も混~ぜ~て~」
えっちを諦めた朔は、謝りながら僕に服を着せた。自分も着衣を整えると再びカーテンを開け放ち、思い切り窓を開けた。
「あれ? なんで服きてんの?」
翔さんの問いに答えることなく、朔は見事な上段げりを食らわせた。倒れた翔さんが、朔の足を掴み起き上がる。
朔はバランスを崩し倒れそうになるが何とか持ち堪え、足を掴まれたまま回し蹴りを翔さんの頭部に放つ。今度こそ、翔さんは床に叩きつけられ気を失った。
「さささっ朔、やりすぎじゃな!? 凄い音したよ? 翔さん大丈夫なの?」
「俺らの兄弟喧嘩はいつもこんな感じだ。コイツはこれくらいじゃ死なないし、アホだからメゲねぇんだ」
「誰か呼ぶ? それか、放っとく感じ?」
啓吾が聞くと、朔は面倒臭そうに『満に引き取ってもらう』と言って満さんを呼んだ。
「あらら~····。皆、ウチのゴミクズがごめんなさいね~」
満さんは、足を持って引き摺りながら翔さんを回収して行った。このあと、どんな仕置きが翔さんを待っているのだろうか。僕たちは、呆然と2人を見送った。
「喧しくて悪かったな。もう大丈夫だ。さ、続き──」
シャツのボタンに手を掛けた朔を、八千代が止めた。
「待て、誰か来る」
コンコンと、ノックの音が響いた。
「皆様、あと30分ほどで夕飯の支度が整います。遅れないよう、ご準備くださいませ。支度が整いましたら、私が呼びに参ります」
「わかった。····よし、まだ時間あるな。不完全燃焼で辛ぇ」
「んじゃ、俺はこっちね」
りっくんが唇におちんちんを押し当ててくる。先っぽを舐めて濡らし、吸い付きながら奥へと招き入れる。
朔は改めてローションを馴染ませながら、亀頭を出し挿れして穴を緩める。焦れったくて、お尻を少し朔へと寄せる。
「ケツ振んの可愛いな。そのままイけるトコまで自分で飲みこんでみろ」
そう言われても、こんな大きいのを自力で押し込めやしない。亀頭をくぽくぽするだけで、お尻も胸もいっぱいいっぱいだ。何とか動いてみるけれど、カリが入り口に引っかかるだけで気持ちが良い。
なのに、朔は腰をがっしりと掴み、飲み込んでいく事しかできないように押さえている。あまりの力強さに少しも逃げられない。
挙句、喉奥を解し終えたりっくんが『ごっくん♡』と言って飲み込ませた。前にも後ろにも逃げ場はなく、2人が僕を挟み込んでくるんだ。喉もお腹も、奥までみっちりと塞がって息ができない。
「ゆいぴ、俺もうイクよ。今日はどっちに出してほしい? いつも通り奥?」
既におちんちんを飲み込んで応えることのできない僕は、小さく小さく頷く。
「結人、俺もイクぞ。ほら、自分で飲みに来い」
僕は、喉に流し込まれたりっくんの精液を飲み込みながら、一生懸命お尻を朔の腰へと押しつけた。自分で結腸に挿れられるわけもなく、最後は朔が捩じ込んで奥に飲ませる。
「ん゙ん゙ぅ゙っ!!! はっ··ア゙ァ゙ッ····ふぅ··ンぇ゙、ん゙ぅっ」
苛立ちからなのか、最後の最後に凄く強く打ち込まれた。せっかく飲んだりっくんの精液を吐いてしまわないように、込み上げる物を飲み込む。
「ゆいぴ、大丈夫?」
「ん、ふぇ····らいじょぶ······」
「結人、風呂入ってる時間ねぇから拭くぞ。あ、おい寝るなよ」
「寝にゃ··い····すぅー······」
「あっはは! 言いながら寝てんじゃん。結人、ほら起きな? 凜人さんの美味い飯が待ってんぞ~」
「······はぅ。ごぁん····」
ご飯に釣られて目を覚ました僕は、皆にめちゃくちゃ笑われた。可愛いとか言われたってフォローになってない。凄く恥ずかしいし悔しかった。
そして、僕たちは凜人さんに呼ばれるのを待った。きっと、気を遣って少し長めに時間を取ってくれたのだろう。
30分以上経ってから呼ばれ、僕たちはいそいそと食堂へと向かった。
ともだちにシェアしよう!