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ふわとろでごめんね
「あ〜あ〜····これからされるコト想像してイキ潮? エロすぎんだろ、この淫乱が♡」
啓吾が、耳に甘い声を注ぐ。喉から顎先へ指を這わせて、顎をクイッと押し上げた。
僕ときたら、罵られているのにドキドキして、またイッて噴いてるんだからどうしようもない。
キスをしながら、僕の首を軽く圧迫する啓吾。ゆっくりと酸素を絶たれて脳がぼんやりしていく。
キュッと指で絞められると、完全に気道が塞がれて舌が動かなくなる。力んで硬くなった舌に、啓吾は強引に舌を絡めてくるんだ。かと思うと、今度は吐息を絡ませるような甘いキスで僕をもっとドキドキさせる。
きっと、僕の意識を逃がさないようにしてるんだろうな。けどね、息ができなかったら意識は否応無しに飛ぶんだよ。
「おいコラ啓吾、結人マジでトびかけてんだろ」
「んぇ? あぁすまそ。夢中で絞めちゃった♡」
パッと手を離す啓吾。可愛く言ったって、八千代には通用しないんだから。僕なら許しちゃうけど。
「ゲホッゲホッ····ン、んは…イッちゃったぁ──··っっぅ゙♡♡」
と、気を緩めた瞬間、八千代がどちゅっと奥を貫く。声も出ないほど深く、強く奥を抉られた。かろうじて息はできているけれど、啓吾がまたそれすらも絶とうとする。
頸動脈をグッと指で圧 し、ゆっくりと数秒かけて絞めてゆく。じわっと呼吸ができなくなっていき、最後にクッと持ち上げるように押し込む。そうすると、完全に息ができなくなる。
視界が眩 んでいくのも、意識が飛びそうになるのも、怖いけど気持ち良いんだよね。危ないのは分かっているけど、一度覚えてしまった快楽からは抜けられない。
首を絞められる度、無意識にお尻をぎゅぅっと締めているらしく、僕のナカで大暴れしている八千代が悶える。一瞬奥で止まり、ヤケクソで動いているのか奥をグィッと突き上げてから再び動く。
これを何度もされて、沢山噴いちゃって、何重にも敷いていたタオルがびしゃびしゃだ。いつも通り、水溜まりの中でえっちしてるみたい。
僕が『もうイけない』って何度言ってもやめてくれない八千代。啓吾が僕の耳で遊び始め、りっくんがキスを引き継ぐ。朔は、僕の手を使って1人で耽っている。
まったく、やりたい放題にも程があるよ。と、されるがままになっている僕だが、ふと視線の先にヘロヘロになっている冬真を見つけた。
一体、何回致したのか猪瀬くんを上に寝かせたままグデっている。猪瀬くんは、こちらをガン見している。意識が朦朧としているのかボーッとしているようだけど、なんだか恥ずかしいな。
冬真も起きてはいるらしく、グラッと頭をこっちに向けた。
「ったく、お前ら激しすぎな。対抗して頑張っちゃったじゃん」
そう言って、唇を尖らせる冬真。そんなの知らないよ。
けど、ふわふわしている中で、僕のとは違う喘ぎ声がずっと聞こえていた。そう言えば、何度も『もぉ無理 らよぉ、イきたくにゃい、やめてぇ』と懇願する猪瀬くんを、執拗く啼かせていたような気がする。
流石にもう力尽きたみたいだけど。
「冬真····」
僕が冬真の名前をポソッと呟いた瞬間、皆の動きが一瞬止まった。
「ヤッてる最中に他の男の名前呼ぶとかお前、いい度胸してんな。ブチ犯す」
こめかみに青指示を浮かべている八千代。低いトーンで『犯す』だなんて、怖いけどカッコイイや。本当に、すっごく怖いけど。
「つって今まさにブチ犯してんじゃんね。場野くんはおバカでちゅね〜」
「けどま、気持ちは分かるよ? 俺らがこーんなに愛してんのに、他の男の名前呼ばれたんじゃ····ねぇ。ゆいぴ、上のお口は俺がちゃんと犯してあげるからね♡」
「ふっ…お前ら、小せぇ事ばっか言ってると結人に嫌われるぞ」
「そー言う さっくんだってぇ、顔めっちゃ怖いかんね?」
「俺は妬いてねぇ。なんなら結人が神谷にヤられても大丈夫だぞ。神谷は殺すし死ぬほど嫌だけどな。何度だって、俺が1番だって思い知らせてやる」
「「「は?」」」
「勝手に俺巻き込んで殺すのやめて!?」
どうやら、皆にヤキモチを妬かせてしまったみたいだ。そんなつもりはなかったんだけどな。
それよりも、酔っ払った朔は気が大きくなるのが厄介だ。いつもなら、皆と一緒になって妬いていただろうに。
朔の発言で空気がヒリつき、皆が眉間に皺を寄せて怖い顔をしているじゃないか。冬真なんか、完全に無視されている。これはマズい予感だ。
「なんで朔が1番なのさ。ゆいぴの1番は生まれた瞬間から俺なの」
意味不明なおバカ発言をするりっくん。そんな事より、キスしながら喋るのやめてくれないかな。
「アホか。なんだかんだ言ってけどな、結人の1番は俺なんだよ。一生勘違いしてろバーーーカ」
中指を立てて罵声を浴びせる八千代。中学生みたいだ。
「アホバカうるせぇよバーカ。結人と1番仲良いの俺だかんね!?」
確かに、啓吾は1番親友っぽい。何でも話せちゃうもんね。
「悪口のレパートリー少なっ、アホっぽ〜。つぅかお前らねぇ、そういうの結人が1番困んだろ」
「「「「あ····」」」」
冬真に言われて、皆は一斉に僕へ視線を落とす。けれど、時既に遅し。僕は、ポロポロと溢れ出る涙を止められないでいた。まぁ、えっちが激しくなった頃からずっと泣きっぱなしなんだけどね。
「ご、ごめんね。僕、皆が1番れ····。皆同 じくらい好 きらよ。りっくんも、啓吾も、八千代 も、朔 も、愛ちてぅよ」
えぐえぐ泣きだしてしまった僕を、りっくんと啓吾が懸命に慰めてくれる。だけど、自覚していた以上にダメージは大きく、涙が止まらない。
八千代と朔は、僕の傷を抉ってしまった冬真を責め立て、なおかつ猪瀬くんにもお小言を言われている。
冬真は、なんで俺がって顔をして戸惑っているみたい。
なんて事態が数分続き、キレた八千代が僕の顎を片手で掴んでこう言った。
「お前もいつまで泣いてんだよ。泣くんなら善がり狂って啼け。俺が犯してやっから」
「ひゃ··ひゃい♡」
僕、今りっくんみたいに瞳孔がハートになってる気がする。だって、雄剥き出しの八千代がカッコイイのなんのって、おかげでイッちゃったんだけど。
その後も、八千代は僕の奥をいっぱい犯してくれた。皆からの激しいブーイングの中、抜かないまま3回も射精して満足そうだ。
僕はと言うと、とろっとろのヘロヘロで動けない。そんな僕を、啓吾が綺麗に拭いてくれて、今日はもう終わりかな····なんて気を抜いていた午前1時52分。
「まだ2時まで時間あんね」
「あと8分もあんのな。駿寝ちゃったけど」
「結人も限界っぽいな〜。ウトウトしてかぁわい♡」
啓吾と冬真が話しながら近づいてくる。もう、瞼も持ち上げられないんだけど、何やら良からぬ雰囲気を纏っている気がする。
「よいしょっと」
啓吾は、僕をうつ伏せにして腰を持ち上げた。腕に力が入らなくて上体は落ちたまま。
冬真も『よっこらせ』なんて、おじさんみたいな声を出して何かをしているらしい。その直後、僕と猪瀬くんの嬌声が響く。
啓吾は、一気に奥まで突き挿れて僕を起こした。目がぱっちりと開いた僕と猪瀬くんは、バチッと目が合う。
猪瀬くんも、僕と同じ体勢じゃないか。どうやら、向かい合うような位置関係で、今は並べて犯されているらしい。
啓吾と冬真は、僕と猪瀬くんの上体引き起こし、支え合うように手を繋がせた。お互い、寄り掛かっていないと崩れ落ちてしまうから、必死に支え合っている。
「この眺めさいっこぉ♡ 駿と結人、どっちも可愛すぎ」
「駿哉を可愛いと思ったコトねぇけど、最高は最高よな」
「なんならそのままちゅーしちゃう? 俺、結人が相手なら許せるよ」
「は? ふざけんなよ。結人は俺ら意外とちゅーしないの」
「ぼ、僕も····んっ、皆 としか、ちゅーしにゃいよ」
「俺も、冬真としか、シな──んぁぁっ♡」
「っそ。んじゃ俺とシよ」
冬真は、我儘に猪瀬くんを振り回す。猪瀬くんの胸を抱き寄せ、顎を掴んで振り向かせてキスをした。
僕も同様に、啓吾からの激しいキスを受ける。必死に僕を求める啓吾を、ついつい可愛いと思ってしまう。
僕と猪瀬くんは息ができなくなって、解放されてまた手を繋がされる。すると、冬真が猪瀬くんを超えて僕の耳元に来た。
「なぁ、駿のちんこシコシコしてやってくんね? 駿、ちんこ苦しそうなんだよねぇ」
「ふぇ··猪瀬 くんの、おちんち··苦 ちぃの? 可哀想 らね」
ふわふわしっぱなしの僕は、ただ猪瀬くんの事を思って、人助けのつもりで、猪瀬くんのおちんちんに手を伸ばしてしまった····。
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