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ゴムチャレって何?
目が覚めると、僕はヤリ部屋のベッドに寝かされていた。さっきはぐちゃぐちゃに乱れていたシーツも、ピンと綺麗に張られている。勿論、濡れてもいない。
裸のまま肩まで毛布を被って、なんだか大切に仕舞われているみたいだ。
「起きたか」
耳心地の良い柔らかい声に心臓が跳ねる。雄みの削がれた、いつもの穏やかな朔の声。
視線を天井からドアへ向ける。アイスココアとサンドウィッチを持って、朔が足で扉を閉めた。
「ん、起きた」
僕は起き上がり、目をこすりながら失神したことを詫びる。朔ではなく、ソファのほうから『気にしなくていいよ』と返ってきた。
振り帰ると、エナドリをぐびぐび飲みながらスマホでゲームをしている啓吾がウインクを飛ばした。きっと、僕が起きるのを待ってくれていたんだ。隣で寛いでいるりっくんも、一緒にゲームをしているらしい。
「八千代は?」
八千代の所在を聞くと、りっくんが視線をスマホから僕に移して言う。
「庭で禊してる」
「み、禊····?」
煙草の事と僕を滅茶苦茶にし過ぎた事を反省して、全裸のまま庭に出て水を浴びてるらしい。水って、洗車用のホースでかな?
煙草の事は反省してほしいけど、禊だなんて。おそらく、自分自身への怒りなのだろう。それにしたってだ。
「せめてパンツくらいは履いてほしいね」
「そこ?」
ゲームをしながらケラケラ笑う啓吾。ひと段落したのか、スマホをソファへ置くと僕の隣に来た。
ココアのグラスを回収して、ベッドの脇にあるサイドチェストへ置く。伸ばした手で、そのまま下の引き出しからゴムを取り出した。
「着けるの?」
「うん。ちょっと趣向変えようと思ってさ、今からこれが破れるまでナカ出ししてあげんね」
啓吾は、僕を押し倒しながら言った。舌なめずりをして、えっちな顔をしている。
僕は一瞬、啓吾が何を言っているのか理解できなかった。キョトンとする僕に、啓吾はザックリした説明をしてくれる。なるほど、水風船の要領だね。
(··って、またおバカなことを言い出したなぁ。ゴムがナカで弾けるくらい出すって事だよね? 流石に、そんなに出せない····よね?)
啓吾に限らず、皆ならやりかねないと思えてしまうところが怖い。
血管の浮き出た逞しいおちんちんを、僕の顔に乗せて舐めるよう命令される。それだけなのに、まだ舐めてもいないのに、お尻がキュンキュンして甘イキを繰り返す。
こんなはしたない僕を、可愛いと言ってくれる皆は一度眼と脳を診てもらったほうがいいよ。なんて、恥ずかしくなると僕はすぐに可愛くない事を言ってしまう。
僕は、舌を伸ばして付け根の裏側をチロッと舐める。唇で食むように、全体を愛でて濡らす。焦れったくなったのか、啓吾は僕の唇におちんちんを押し当て、咥えろと差し込んだ。
「もっと吸って」
「んぅ····」
半分も咥えられていないのに、もう口の中はいっぱいで上手く吸えない。それをわかっていて無理を言ってくる啓吾。できない事を強要して、できなくても一生懸命やろうとする僕を見て楽しむなんて、いつもながら意地悪だ。
吸えないならと、喉奥を突いて嘔吐かせる。逆流したココアが溢れそうになって、僕はシーツを握り締めて涙を零す。
足をもじもじしていると、りっくんがそれを捕まえて指の間まで丁寧に舐め始めた。くすぐったいやら気持ちイイやら、嫌ではないけどこれは少し苦手だ。
りっくんは、ビクンと跳ねて逃げたがる僕の足を決して離さない。僕の全身が甘い綿菓子の様だと言っていた、頭のおかしいりっくん。今日も今日とて、息を荒げながら美味しそうに膝裏まで舐めている。
「りっく··ん、やぁっ····」
「啓吾の次、俺もゴムチャレやってい?」
「ご、ごむちゃれ?」
ゴムが破れるまでナカ出しチャレンジ、略して“ゴムチャレ”らしい。
「じゃぁ、莉久の次は俺だな」
やる気満々なりっくんと朔。ゴムが破れるほどのナカ出しって、一体何回戦する気なのだろう。
始まってしまえば僕に拒否する事なんてできないし、むしろ限界を超え『もっと』と強請ってしまう。いつもなら僕の身体を慮ってくれる皆だけど、今日は一応お清めで、僕から他人の一切を排除しようというえっちだから、僕の『ムリ』なんて通用しないんだよね。
そうして、啓吾のゴムチャレが幕を開ける。
4回戦目までは、意気揚々と僕を弄んでいた啓吾。5回戦目の途中で、ゴムが破れて失格。凄く残念そうだった。
もとより、本気で破るつもりじゃなかったらしい。あれって、本当に風船みたいに伸びるんだって。感度を落として、何回連続でできるかという耐久レースみたいなものだと後に聞いた。
続いてりっくんの番。ねちっこいりっくんは、5回戦目を終えてもまだ破れていない。ゴムよりも僕のほうが限界なんだけどな。
だけど、6回戦目が始まってすぐ、ぶるんと勢いよくおちんちんを引っこ抜いたりっくん。どうやら破れてしまったらしい。悔しそうに『まだ犯し足りないんだけど』と言って、僕の血の気を引かせた。
お次は朔。ゴムって、摩擦で破れるんだね。3回戦であっけなく失格。朔の場合は、大きすぎるのが敗因だったと思う。
さぁ、これでゴムチャレもお終いだ。なんて、そんな甘い結末では終われなかった。
「面白れぇコトやってんじゃねぇか」
スマホを片手に、八千代が戻ってきた。啓吾が呼び戻したらしい。
僕は、虫の息で啓吾を見る。
「いやさ、だってよ? 場野だけ仲間外れにしたら後日大変だと思ってさ? 俺なりの配慮? 的な?」
何をわたわた言い訳しているのだろう。はっきりと、僕にトドメを刺す気だって言えばいいじゃないか。
「啓吾のばかぁ··。僕のこと、殺す気なんだ····」
「うるせぇ。犯し殺してやっから口で着けろ」
八千代が、袋から取り出したゴムを亀頭に乗っけて差し出してきた。大きいんだから、根元まで咥えて着けるなんて大技、それこそ死ぬ覚悟がないとできないんだぞ。まぁ、やるんだけどね。
くるくる巻かれたゴムを、唇で押して伸ばしていく。皮をだぶらせないように根元でしっかり抑えて、歯を当てないように気をつけて。カリの段差が難所だ。
喉奥に達すると、嗚咽くのを堪 えて根元までゴムを伸ばす。完了すると、そのまま一度喉奥を犯されて射精を受ける。喉の奥の奥で、ゴムの先に精液が溜まるのを感じて尋常じゃないくらい苦しい。
「「えぐ····」」
りっくんと啓吾が、声を揃えてドン引きしている。今日の八千代は、啓吾よりもやる事がぶっ飛んでいるんだもの、朔も言葉を失っているみたいだ。
喉からズルンと抜け出る感覚は少しだけ癖になりそうだったけど、そんなの言える空気じゃなかった。
僕をベッドに転がし、腰からお尻を持ち上げた八千代。真上から、べしょべしょのおちんちんを挿し込む。ゆっくりと押し拡げながら入って結腸口へキスをした。
ぐぃぐぃと開きそうで開かない。先端をくぽくぽするのが好きなのだろうか。そうかと思えば、僕の波を読んでいるかのように絶妙なタイミングでこじ開けて深イキさせる。完全に弄ばれているんだ。
八千代は、4回戦目が終わる頃にゴムが破れて、勢いよくおちんちんを引っこ抜いた。パチンと甲高い音が聞こえた直後、もう一度八千代が入ってくる。ゴムを外したんだ。
僕の顔の横に、ゴムを投げ捨てた八千代。飲めってことなのかな?
僕はゴムに手を伸ばす。先端の、精液がタプタプに溜まっている所を指に乗せ、うっとりと眺める。
(ナカに欲しかったな····)
僕の心を読んだのか、八千代は僕のお腹に精液を飲ませてベッドへ倒れ込んだ。
「おい場野、お前····」
言いかけた言葉を呑んで、朔が八千代を肩に担いだ。何事だろうか。
「あー··、やりすぎだ。お前、今日はおかしいぞ。ちょっと頭冷やせ」
朔は『落ち着かせてくる』と言い、暴れて『降ろせ』と喚く八千代を運んでゆく。だけど、足と腰をガッツリ捕らえている朔からは、流石の八千代でも逃げようがないらしい。八千代をあんな運び方できるのなんて、朔くらいのものだ。凄いや。
僕は、部屋を出て行く2人をボーッと見送った。
そろそろサンドウィッチを食べていいかと聞くと、りっくんが休憩しようねと言って食べさせてくれた。もう、夕飯の時間なんてとっくに過ぎているらしい。なるほど、お腹が空いてたわけだ。
サンドウィッチをもぐもぐしながら、僕は隣で腰を支えてくれている啓吾の肩にもたれかかって、睡魔との戦いに入った。
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