408 / 431

啓吾の悪巧み

 慌ててトイレに駆け込んだけど、当然真尋は僕を追ってくる。個室へ逃げ込んだんものの、この後の事なんて考えていなかった。  替えのパンツなんて持ち歩いてないし、真尋にどう説明すればいいんだ。 「結にぃ? 大丈夫?」  心配してくれている真尋に、実は仕込まれていたローターで遊ばれてて、あまつさえイッちゃいましただなんて言えないや。 「だ、大丈夫。ちょっとお腹痛いだけだから····その、外で待ってて」 「わかった。何かあったらすぐ呼んでね」 「うん」  今、真尋に助けてもらえる事はない。なんなら、啓吾と鉢合わせないように早く出ていってほしい。  なんて淡い願いは届かないものなんだ。啓吾は真尋が出ていく前に来てしまった。 「は? なんでチャラ····啓吾がここに居んの?」 「俺は呼び捨てかよ。ま、いいけど。俺ねぇ、実は結人とゲームしててさ」 「ゲーム?」 「そ。で、負けちゃった結人に罰ゲーム執行しにきたってわけ」 「はぁ!? 今? 俺とデート中なんだけど」  激おこな真尋に、啓吾が洗いざらい吐いてしまった。怒り心頭な真尋は、絶対に僕を帰らせないと息巻いている。  そんな真尋を無視して、啓吾は僕に判断を委ねるんだ。 「ゆーいと♡」 「な、なに?」  声が震えてしまう。だって、今もローターが緩くブルブルしてるんだもの。 「真尋とデート続ける? それともぉ、今すぐ俺に犯される?」  なんて意地悪なんだろう。甘い声でローターの振動を強めながら聞いてくるんだもん。こんなの、一択しかないじゃないか。 「け、啓吾に、犯されたい··です····」  僕は最低だ。真尋を放って啓吾に犯されたいだなんて、どこまで酷いヤツなのだろう。  個室の扉を開け、2人に顔を見せる。よろけながら、僕は啓吾の胸に飛び込んだ。 「真尋、ごめんね。僕、ローターだけじゃ我慢できなくて、啓吾のおちんちんで、今すぐめちゃくちゃに犯されたいの」  啓吾の胸にしがみつき、視線だけを真尋へ向けて言った。  もう、啓吾の匂いを嗅ぐだけでイッてしまうくらい、身体は出来上がっている。 「結にぃ、酷いよ····て言うかエロすぎるよ!!」  真尋は視線を逸らし、ズボン越しにわかるくらい勃ったおちんちんを押さえて言った。 「制服じゃホテルにも入れねぇよなぁ。諦めて帰って抜けば?」  冷たく言い放つ啓吾。そうか、啓吾は勝手ばかりする真尋に怒ってたんだ。  言っても聞かない真尋に、陰湿な嫌がらせをするつもりでローターを仕込んだのだとしたら、意地が悪いにも程がある。けど、それくらい怒らせてしまったんだとしたら、僕が責任を取らなくちゃだよね。 「真尋、今日はもう··帰って。あとね、我儘ばっかり、言って、皆を困らせないでね。怒ったら、ナニされるか··わ、かんないんだから····」  真尋は悔しそうな顔を伏せたまま、小さな声で『わかった』と言った。  こうやって話をしている間も、啓吾は僕のお尻に手を伸ばし弄り始めていた。くちゅくちゅといやらしい水音を立てて、この後の為に入口を緩めてるんだ。  そして、震えるローターを入口で留めると、啓吾は徐々に振動を強めた。 「そういうことだからさ、我儘したいんなら覚悟してこいよ。えっちな(こーゆー)結人見せつけられんの、お前1番嫌だろ?」  うぐって声を漏らした真尋。どうやら図星らしい。 「そんじゃ、そろそろ結人も限界ぽいし──」  啓吾は、僕の耳元に唇を寄せた。 「誰か来るかもしんないトイレ(ここ)で、思いっきり犯しちゃおっかな♡」  言うのと同時に腰を突き出して、硬くなったおちんちんをゴリッと押し当ててくる。 「ひあぁぁっ♡♡」 「あっは♡ 可愛くイッたね。今からもっとイかせてやっから──」  啓吾の甘い声が耳に響く中、バンッと扉が開いた。そして啓吾が振り返る間もなく、それは啓吾の頭を捉えたのだった。 「いっでぇぇぇぇ!」  突如として振ってきたゲンコツに、涙目で頭を押さえてしゃがみ込む啓吾。 「ンなこったろうと思ったわ」 「なーにが『俺が監視してくっから任せろ』だよ。結局、啓吾が一番ヤバいんじゃん」 「だな。追ってきてよかった」  3人が来てくれたおかげで、啓吾の僕を犯しちゃおう作戦は未遂に終わった。  呆気にとられた様子の真尋は『相変わらずだね』と言い呆れて笑う。 「はぁ····今日はもう帰るよ。結にぃマジで辛そうだし。俺は犯してあげらんないから····」  チラリと皆を見回す真尋。魂胆が顔に出すぎている。あわよくば一緒に、なんて言ってもらえるとでも思っているのだろうか。  皆は虫でも追い払うかのように、真尋に『さっさと帰れ』と言いたげた視線を返した。  おずおずと帰っていく真尋を見送り、僕たちも帰路につく。  帰りの車の中、啓吾は朔から定番のお説教をくらい、りっくんが僕のお尻に入ったままのローターで遊び続けている。 「んっ、りっくん····も、ローターやだぁ····」  ちゃんとシートベルトを締め、助手席にお行儀よく座ったまま、運転している八千代に耳を弄られながらの折檻だ。 「気持ちイイんでしょ? あのまま犯されたかったくらい」 (あ、これやっぱり僕も怒られてるんだ····)  信号で止まるたび、外の人達に見られているような気がして身体が強ばる。イッてるの、バレてないかな。 「ふぇ··、気持ちかった、です。今も····早く皆のおちんちん、欲しいれす」  僕は目をギュッと瞑り、恥を忍んで正直に言った。すると、八千代がシートベルトを外して身を乗り出し、とんでもなくえっちなキスをしてきた。  信号待ちの間、濃厚なキスが続き何度もイかされた僕は、ズボンまでぐしょぐしょにしてしまった。  信号が青になると、何事も無かったかのように運転を再開する八千代。視線は周囲を確認しつつ、僕に意地悪を言う余裕まであるらしい。 「お前、通行人(モブ)に見られてイッただろ。変態」  既にヘロヘロの僕には、反論する余力などない。 「へ、変態でいいよ····」  僕は、八千代の袖を摘まんで懇願する。 「早く、八千代のおちんちん欲しい。もう、ここでもいいから、犯して欲しいよぉ」  ふわふわが最高潮の僕は、本能のままはしたない事を口にしてしまう。 「えーっ! ローターでいっぱい気持ちくシてあげたの俺だよ? ねぇ、俺のちんちんは要らないの?」  りっくんが拗ねて甘えた声で言う。可愛いやらえっちぃやらで、僕の思考回路はショートしてしまった。 「りっくんのも、一緒に欲しい」 「わーい♡ んじゃ、場野と一緒に高校生ゆいぴのお尻壊してあげる」  そうだ、そうだった。僕は今、高校の制服を着てるんだった。傍から見たら拉致られてるみたいに見えないのかな。 「僕、皆の制服も、また見たいな」 「もうサイズが合わねぇな」 「俺も。つか捨てたわ」 「俺も捨てたなぁ。そういやさ、結人に第二ボタン全員分あげたよな」 「懐かしいね。俺はまだあるよ、制服。ゆいぴと高校生えっちできるもんね」  鼻高々に言うりっくん。皆から狡いと言われている。 「なんでもいいけど、もう着くぞ」 「あ、じゃぁラストスパートでゆいぴイキっぱしよっか」 「はぇ? りっく··にゃ、にィ゙ッ、あっ、やぁぁぁっ」  りっくんはローターの振動を最大にし、駐車し終えるまでの10分間、宣言通りイキっぱなしを敢行した。 「うーっわ。シートまでびっしゃびしゃ」  啓吾が僕を抱き上げて笑う。八千代が『替えりゃいいだろ』なんて軽く言うのを、注意もできないほど息が上がっている僕。ぽたぽたと潮を垂らしながら運ばれる。  啓吾は僕をベッドに置くと、息もできないほど深いキスをしながら、器用に濡れたズボンを脱がせてくれた。 「やべぇ····なんかこれ背徳感?」  唾液でぬれた口周りを、指で拭って言う啓吾。  僕は萌え袖のままのカーディガンで顔を隠し、えっちな啓吾を見ただけでイッてしまったのを誤魔化す。 「隠すな」  八千代が僕の手を退けてしまう。真っ赤になった僕の顔を見て、八千代はふっと笑って覆いかぶさった。

ともだちにシェアしよう!